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タガララジオ 多田雅範No. 243

タガララジオ 50 中目黒のアニキは、音楽は家具のようなものになってゆくと言う、

track 411-422
Niseko-Rossy Pi-Pikoe

 

中目黒のアニキは、音楽は家具のようなものになってゆくと言う、

 



<track 411> And Who Sees The Mystery / Gilles Aubry  (Corvo Records – core 011)  2017

http://www.art-into-life.com/product/3708

モロッコの伝統音楽の楽団を追ってリハーサルを現地録音した音源をカットアップ~ミックス、とは、そおりの代物ではある、

だが、その手つき、放りだしかた、意識上の距離設定に、耳は単に実況録音聴取から”持続”に誘われている、ジル・オーブリーの作家性からは異色で余技的な制作である、

耳をすますこと、空間性の把握、思考へと誘われる、

 


<track 412> Soundscape China, Pt.1 / Kink Gong  from 『Dian Long』  (Discrepant)   2018

 

SoundCloud のリンクで聴く、2000年代中国での実況録音、このジャケ、聴いてしまうわなー、

ラジオ体操、い、あー、さん、す、おー、りょ、い、ぱ、

どんな映像がひろがっているものか、萌えるとはこの事態かい、中毒性高し、

だけど加工する手法はB級にとどまる、素材のレア度は一級品、80年代に現代音楽をよく聴いていた頃にこれからは中国の現代音楽がクルぞーと無根拠に妄想していたことを思い出す、

 


<track 413> Voices / Kink Gong  (Discrepant)   2013

http://www.meditations.jp/index.php?main_page=index&artists_id=4606&typefilter=artist

 

素材のレア度で押し切った、ベストセラー(らしい)、

”東南アジアの消滅寸前の少数民族を多数録音している、フランスの重鎮フィールドレコーディング作家Laurent Jeanneauによる”

こういうのもSpotifyで聴ける楽しさ、これをちゃんとした音質でちゃんとしたオーディオで聴けたらいいのに、

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<track 414> べいびぃらんどばびろん / あがた森魚 & はちみつぱい  from『べいびぃろん(BABY-LON)』   2017

 

この自在感覚、演奏の風格、耳もちょうどフィーレコになっている案配でいい受信、中毒性高し、

二十世紀の、三十世紀の、四十世紀の、五十世紀の!、

ここではないどこかへ行きたいぼくらは、永遠の遠国を目指すあがた森魚のフォロワーなのだ、

さみしいかい?、

あがた森魚のことを矢野顕子は人間国宝だと最近形容していたが、


<track 415> Essential / 大西順子トリオ  from 『Glamorous Life』   2017

 

新コーナー、胸を締め付けるジャズピアノ、トップバッターはこのトラック、

(べいびぃらんどばびろんの次に決まる曲順だな、)

大西順子はつねに最新作が最高傑作、到達点と認識させ続けている、耳を捉えて離さないピアニストだ、インターバルやフェーズの出力は時々に変化しながら、でも、

このトラック、フレーズを進行させてゆきながら強度やリリカルの瞬時瞬時に、ためらいをも内包させながら、賭けている!、跳躍、身体化したジャズピアノ史へのリスペクトが、弱音がたまらない、この吹っ切れた現在性よ、

 

形容にならんがな、なるようなもんならピアノ弾いてないわよ、

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<track 416> The Orb / Fred Hersch  from『Open Book』 (Palmetto)  2017

 

新コーナー、胸を締め付けるジャズピアノ、といえばフレッド・ハーシュ、君臨する王座、(世界戦タイトルマッチでボボ・ステンソンに勝利して以来防衛し続けている)、

本屋に行ってマンガ『ピアノの森』のコーナーを通ると、読者はフレッド・ハーシュを知っているのだろうかと思う、(『ピアノの森』のストーリーからすれば、もちろん当然に野島稔のピアノしかこの世には該当しないのであるが、音楽の神さまと選ばれた耳にしか届いていないだろうけど、)、

まさに『ピアノの森』なジャケだろ!

フレッド・ハーシュの最高傑作はニューヨークはジャズの聖地ヴィレッジヴァンガードを一週間ソールドアウトした、ピアノ・ソロ史上初の偉業、『Alone At The Vanguard』(Palmetto)2011である、もちろん、

『Solo』(Palmetto)2015である、もちろん、(どっちだよ!)、ジョニ・ミッチェル「青春の光と影 Both Sides Now」を聴いてみ、明日は有休取って休もう、


<track 417> ピロスマニア海へ行くの巻 16:07 / あがた森魚  from『ピロスマニア海へ行く』 1994

 

あがた森魚のことを矢野顕子は人間国宝だと最近形容していたが、

94年発表の『ピロスマニア海へ行く』、廃盤、高額稀少盤になっていたのが、なんと!今月(2018年6月)ユニバーサルでCD化されているでないか!、

このトラックを「べいびぃらんどばびろん」と一緒に今回のタガララジオで書こうと、さてどう書いたものかと何日も何十時間も思っていたんだが、すごい偶然だ、(そんなの単なる偶然だ)、(なに言ってやがんだい細部に宿った神の必然なんだよわかんないのかい)、

あがた森魚が世界レベルのインプロヴァイザーであることはずっと昔に大学でレコード研究会を作ったときからのテーゼなんだが、このトラックなんかさしずめジャズファン向けに言うと、ドン・チェリーなんだよ、16分超えのコラージュでもロードムーヴィーでもあるようなないような自在と放蕩の、

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<track 418> レモン / 曽我部恵一  from『PINK』 (Rose Records)  2011

 

ピロスマニア海へ行く、曽我部恵一も海へ行く、「海のほうへ、クルマとばす、砂まじりの、夢のよう、」、小沢健二もあがた森魚もケティル・ビョルンスタもジョン・アンダーソンも海へ向かう、

「地図は持っていない、道しるべもない、旅のいちにちを、今日は歩いている、」


 

旅のいちにちを、今日は歩いている、ちょっとジャズ、聴く?、

 


<track 419> Hudson / Jack DeJohnette, John Medeski, John Scofield, Larry Grenadier  2017

 

ツェッペリンじゃねーか、この表現圧力、

今年、デジョネット75、メデスキー54、ジョンスコ66、グレナディア52、すごいメンバー、

デジョネットはさすがにトシだろうと思っていたこのところ、こんなにアタック強く若々しく叩けるのにたまげる、勇気をもらう、キャンディポップなコスプレジャズ演ってんじゃねーよ若造ども!とジャズシーンに喝を入れてる強面じじいの様相だ、70年代をナメんじゃねー、


 

今月の真ジャズ雑誌「ニセコロッシ・ジャズ」創刊号は二大グラビア特集、ヘンリー・スレッギルとメアリー・ハルヴァーソンだ、

 


<track 420> Double Up, Plays Double Up Plus / Henry Threadgill (PI RECORDINGS)  2018

 

現代ジャズのキングオブキング、ヘンリー・スレッギル74、もちろん今年も新譜出ます、前作はブッチ・モリス Lawrence D. “Butch” Morris に捧げられていた、

この痙攣とうねりと複雑骨折が重なった推進するリズムのありよう、ヘヴィ級黒人ボクサー並みの鍛錬とパワー、

これを現代ジャズの到達と断ぜないで何をもってジャズジャーナリズムだと言うつもりなのか、これを乗り越えるという視線と矜持をもってしかジャズは更新できない、そしてオレはその先をまったくもって想像ができない、目が離せない、飾りですき間を埋めていても仕方がないのだ、

Curtis Robert Macdonald – alto saxophone
Roman Filiu – alto saxophone, alto flute
Christopher Hoffman – cello
Jose Davila – tuba
David Bryant – piano
Luis Perdomo – piano
David Virelles – piano, harmonium
Craig Weinrib – drums, percussion


<track 421> Code Girl / Mary Halvorson  2018

 

Amirtha Kidambi – voice
Ambrose Akinmusire – trumpet
Mary Halvorson – guitar
Michael Formanek – bass
Tomas Fujiwara – drums

英WIRE誌表紙のメアリー、米ダウンビート誌批評家投票でビルフリ、ジョンスコ、パット、カート全部おさえて大差1位、という”現象”をいまだに信じられないわたくし、

今年ついにアキンムシリやフジワラ、フォーマネクを従えたスーパー・グループで2CD新譜登場、

トランペットの若き大御所アキンムシリの華やかさ、そしてティム・バーンらの重量級パワーインプロジャズを支えていたベースのフォーマネクの推進、この二つの要素がライブではさらに相当な展開が期待されるところだ、

タダマス(益子博之×多田雅範四谷音盤茶会)のリーダー、益子博之はこの7月、メアリー、トーマス、フォーマネクのサンバースクリュー Thumberscrew @ヴィレッジ・ヴァンガードを目撃しに渡米する、

そのようなわけで、次回タダマスは7月ではなく、8月26日(日)に順延になります、

 


<track 422> David Sylvian

 

デヴィッド・シルヴァイアンが、キース・ロウを、ビリアナ・ヴァチコヴァを、スティーヴ・テイベッツを、

前号タガララジオ49、

タガララジオ49「子と手をつないだ様子が、あ、ち、こ、ち、歩いてる、」

track 406 Blurred Music / Biliana Voutchkova, Michael Thieke  (elsewhere 001-3)  2018

 

Violin/Voice ビリアナ・ヴァチコヴァ Biliana Voutchkova 1972-
Clarinet ミヒャエル・ティーケ Michael Thieke 1971-
produced by David Sylvian and Yuko Zama
artworks by David Sylvian

”新しいレーベルが誕生する、それは3都市でのライブ録音、CD3枚組で、クラシックのレーベルという打ち出しなのだが、かつてECMレーベルが84年にニューシリーズを発足させ、第一弾のアルヴォ・ペルト『タブラ・ラサ』によって”現代音楽の風景を一変させた”という史実の、21世紀ヴァージョンがここに登場したのだとまずは宣言しておきたい、”

実況録音そのままに近いラフミックスから、倍音にフォーカスをあてた仕上がりへと変貌した、インプロ耳としては空間性の把握という命綱が弱まったきらいもあるが、デヴィッド・シルヴァイアンの「鋼の鉄より、木の温もり」という感覚のありように示唆があるもの、


ハンパないのは経済評論家の上念司、

上念司がスゴ過ぎ!冒頭から国会議員にケンカを売りまくり映像?最強に面白い、日本経済再生論から民主党無能論まで! 2012年6月4日

 

AMラジオ、文化放送「おはよう寺ちゃん」の朝6時から月曜日のコメンテーターが上念司、

おれは3年前から聴きはじめてるけど、You Tubeであとからでも聴けます、

上念司を日銀総裁に、総理大臣に、

多田雅範

Masanori Tada / 多田雅範 Niseko-Rossy Pi-Pikoe 1961年、北海道の炭鉱の町に生まれる。東京学芸大学数学科卒。元ECMファンクラブ会長。音楽誌『Out There』の編集に携わる。音楽サイトmusicircusを堀内宏公と主宰。音楽日記Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review。

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