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Interviews~No. 201R.I.P. ミシェル・ルグラン

Interview #63 ミシェル・ルグラン Michel Legrand

ミシェル・ルグラン (composer/pianist)

Interviewed by Nobu Stowe(須藤伸義)@Birdland, NYC, March 1, 2008
Photo by Eisuke Koya (古谷英介)@Birdland, NYC, March 1, 2008
Questions by Nobu Stowe/ Kenny Inaoka

取材協力:Pat Phillips (Stratta-Phillips Productions)/ Birdland/Jim Eigo (Jazz Promo Services)

 

ミシェル・ルグランpは、ニューヨーク在住のプロモーター夫婦エットレ・ストラッタ氏とパット・フィリップス氏の招待で、去年(2007年)より年1回のペースでバードランドに定期出演する予定とのこと。(注1)1960年代以降の映画音楽を代表する作曲家である(注2)と同時に、アレンジャー/ピアニストとして優れたジャズ作品を残している彼のピアノを堪能できる良い機会だと思い、出かけてみた。去年と同じく今年も大御所ロン・カーターbと中堅のルイス・ナッシュdsを従え、2月26日〜3月2日の5日間のコンサートすべてが大盛況だったらしい。僕が訪れた3月1日のファースト・セットも前売りでソールド・アウトの状態で、ルグランの一般的な知名度、人気の程がうかがい知れた。

注1:ストラッタ・フィリップ夫妻とルグランとの付き合いは、1988年まで遡るそうです。この年にカーネギー・ホールで行われたステファン・グラッペッリvlnの80歳記念のコンサートの特別ゲストとして招待したとの事。この二人のフランスを代表するミュージシャンは、『ルグラン=グラッペッリ』(VERVE)というアルバムを1992年に制作・発表している。ストラッタ・フィリップ夫妻は、NY近郊でジャンゴ・ラインハルト・フェスティバル等を主催しているので、興味のある方はホーム・ページ(www.strattaphilips.com)を参照されたし。

注2:ルグランの映画音楽の代表作品を一通り挙げると、『シェルブールの雨傘』(ジャック・デゥミ監督/カトリーヌ・ドヌーブ出演:1963年作品)、『はなればなれに』(ジャン=リュック・ゴダール監督:1964年作品)、『ロシュフォールの恋人たち』(ジャック・デゥミ監督/ジーン・ケリー、カトリーヌ・ドヌーブ出演:1967年作品)、『華麗なる賭け』(ノーマン・ジェイソン監督:1968年作品)、『思い出の夏』(ロバート・マリガン監督:1971年作品)、『火の鳥』実写版(市川崑監督:1978年作品)、『ベルサイユのばら』実写版(ジャック・デゥミ監督:1979年作品)、『愛と哀しみのボレロ』(クロード・ルルーシュ監督:1981年作品)、『愛のイエントル』(バーバラ・ストライザンド監督/出演:1983年作品)、『レ・ミゼラブル』(クロード・ルルーシュ監督/ジャン=ポール・ベルモンド出演:1995年作品)等という錚々たるリストになる。ジャズファンには、ビリー・ホリデイの生涯を綴った『レディー・シングス・ザ・ブルース』(シドニー・フリー監督/ダイアナ・ロス出演:1972年作品)やマイルス・デイヴィス出演の『ディンゴ』(ロルフ・デ・ハー監督:1991年作品)が忘れ難いと思う。

コンサートはすべてオリジナル曲で通し、3分の1程の曲で弾き語りを披露。ルグランのヴォーカルは、決して上手くないがそれなりの “味わい” があると思う。ピアノに関しては  “剛直” といったイメージで、彼の創る甘美なメロディーと多少受けるイメージが異なるが、結構個性的なプレイだと思う。全体的にかなりエンターテインメント性の高いライヴだったが、2月24日に76歳の誕生日を迎えて、精力的にさらなる青春を楽しんでいる趣が良く伝わってきた。この事実は、70分にも及んだ異例に長い演奏時間に顕著に反映されていたと思う。

セット・リストは、以下の通り:

1. Watch What Happens; 2. Once upon a Summertime (w. vocal); 3. You Must Believe in Spring; 4. What Are You Doing the Rest of Your Life?; 5. Yentl (w. vocal); 6. unknown (Baroque-esque instrumental); 7. Dingo Lament (w. vocal); 8. Dingo Rock; 9. Summer Knows; 10. I Was Born in Love with You; 11. How Do You Keep the Music Young? (w. vocal duet); 12. Les Parapluis de Cherbourg (I Will Wait for You); 13. Wind Mills of Your Mind (w. vocal)

ご覧の通り、ルグランの代表作品をほぼすべて網羅する選曲だった。僕は10代でビートルズに目覚めるまで、クラッシック・民族音楽の他、映画音楽を中心に聴いて育ったので、かなり満足の行くライヴだった。観客のノリも最高の部類だったと思う。カーターとナッシュも “仕事的” だが堅実なプレイで場を盛り上げ、ジャズのピアノ・トリオとして一定水準以上のレベルを軽くクリアーしていたと思う。(注3)個人的には、12曲目 “シェルブールの雨傘”(I Will Wait for You)と唯一タイトルが分からなかったバロック調の6曲目(同じフランスでも、ジャック・ルーシェpというより、クロード・ボリングp/arrに近い曲・演奏)が特に印象に残った。しかしインタビューの方は、パット・フィリップス氏の前もっての尽力にも関わらず、クラブに着いた後も出きるか否か、分からない状態だった。

注3:ルグランの他のジャズ・ピアノ・トリオとしての作品には、パリに因んだシャンソン曲を取り挙げた『パリ・ジャズ・ピアノ』(PHILIPS:1959年作品)、レイ・ブラウン/シェリー・マンと組んだ人気版『アット・シェリーズ・マンホール』(VERVE:1968年作品)、日本製作版である『パリジャン・ブルー』(ALFA JAZZ:1991年作品)や『ザ・ウォーム・シェイド・オブ・メモリー』(ALFA JAZZ:1995年作品)等がある。

 

僕とのインタビューは、ルグラン・サイドと1ヶ月以上も前から第1セットと第2セットの間の休み時間に執り行う旨を予定済みだったが、急遽フランスからやって来る  “フィルム・クルー” とのインタビューを優先したいとの申し出。この事実を知らされたのは、何とコンサート1日前の事。しかも、キャンセルを持ち出されたが、結果的には、“5分間だけ” なら僕の方に時間を回してくれるという事になった。

演奏後すぐルグランは、その “フィルム・クルー” と観客席の隅で食事を取りながら会話を始めた。パットさんが、僕を彼らの席まで連れて行ってくれて紹介し、バーの方で待っている旨を伝えてくれた。その時 “フィルム・クルー” に “見覚え” のある顔が認められたが、誰だか分からなかった。この謎は、インタビュー中に解けるのであるが...。

待つこと30分強、やっとルグラン氏本人が現れてくれ、バードランドのオフィスの中でインタビューという事になった。

♩ 『ヌガロ』はクロードのメモリーのために制作した

須藤伸義 (以下NS):まず初めに、子供の時から憧れの存在で在ったルグランさんの “ジャズ” ピアノ・トリオのライブを体験出来た上に、インタビューできて光栄です。

ミッシェル・ルグラン(以下ML):(気難しげに)時間が無いから質問どうぞ。

NS:分かりました。先ず始めに、次の “ジャズ” アルバム制作の予定はありますか?

ML:何時だって、ジャズを演奏する気持ちはあるさ。

NS:分かりました。では、2005年発表のアルバム『ヌガロ』(BLUE NOTE)について質問したいと思います。

ML:(驚いた様子で)そのアルバム聴いた事があるのかい?

NS:はい、もちろんです。

ML:(少し嬉しそうに)ロン・カーターも参加しているだろう。(注4)

注4:ロン・カーターが参加している、ルグランのアルバムとして他に『アフター・ザ・レイン』(PABLO:1982年作品)がある。これは、ズート・シムズts、ジョー・ワイルダーtp、フィル・ウッズas、ジーン・ベルトンチーニg、グラディー・テイトds参加の秀作。

NS:フィル・ウッズas、アンドレ・チェカレッリdsやケニー・ワーナーpも参加していますね。

ML:そうなんだよ!

NS:このアルバムは、2004年に惜しくも亡くなられたクロード・ヌガロへのオマージュだと思います。(注5)しかし、ヌガロもルグランさんもジャズとポピュラー音楽の垣根を自在に飛び越した活躍をした “同士” だったと思います。そういった意味で、単なる追悼版以上の作品だと思いますが?

注5:クロード・ヌガロ (1929-2004年)は、フランスのシンガー=ソングライター。シャンソン界の巨匠ジョルジュ・ブラッサンス(1921-1981年)に師事しつつ、ジャズからも多大な影響を受けた独自の作風を確立した。“アームストロング”や“ハービー・ハンコック”などジャズ・ジャイアンツに捧げたオリジナルの他、ジャズ・スタンダードである“セイント・トーマス”(ソニー・ロリンズtsの代表曲)や“ブルー・ロンド・アラ・ターク”(デイヴ・ブルーベックpの曲)にフランス語歌詞をつけてヒットさせた。ルグランを始め、モーリス・ヴァンデールp、エディー・ルイスorgやアルド・ロマーノds等フランス・ジャズ界を代表するミュージシャンとの共作も多数制作した。

ML:そうなんだ。クロードが亡くなってすぐ、彼の“メモリー”のために是非に作品を創りたいと思った。僕とクロードの共作曲を中心にね。でも、ただの懐古趣味の “焼き直し” にはしたくなかった。新しいアレンジを使い、未来に向けた作品に仕上げたかった。

♩ ルルーシュは今夜、このクラブに居るよ,,,

NS:次の質問は、映画音楽についてです。今までに、何人かの映画監督と重点的かつ長期間における協調関係を持たれてきました。例えば、ジャック・デゥミ監督やジャン=リュック・ゴダール監督との関係が良い例です。最近では、クロード・ルルーシュ監督(注6)との協力が目を引きますが、新作の予定は?

注6:クロード・ルルーシュ(1937年― )は、勿論『男と女で』(フランシス・ライ/バーデン・パウエル音楽:1966年作品)、『白い恋人たち』(1968年作品)で高名なフランスの映画監督。ルグランが音楽を担当したルルーシュ作品として『愛と哀しみのボレロ』(1981年作品)や『レ・ミゼラブル』(1995年作品)等がある。

ML:ルルーシュは、今夜、このクラブに居るよ。さっき、一緒に食事をしたばかりだよ。

NS:えっ!一緒に座っていらした方がルルーシュ監督?

ML:そうだよ。

NS:いや、何処かで見た方だなと思っていたのですが...。恥ずかしながら、ルルーシュ監督本人だとは、気づきませんでした。(注7)

注7:ルルーシュ監督の若かりし時の映像・写真なら見見た事があったのだが...。勉強不足でした。

ML:フランスからこのコンサートを、聴きに来てくれたんだ。次回作の案を話し合ったところさ。

NS:どの様な映画になるのでしょうか?

ML:ミュージカル映画を創る予定なんだ。(注8)

注8:ルグランのミュージカル映画としては、ジャック・デゥミ監督/カトリーヌ・ドヌーブ他出演との大ヒット作『シェルブールの雨傘』(1963年作品)や『ロシュフォールの恋人たち』(1967年作品)等がある。

NS:ミュージカル映画?それは、非常に楽しみです!上映の予定は何時ですか?

ML:9月に撮影で、上映は来年の春の予定さ。

NS:期待して待っています。次の質問ですが、手塚治の『火の鳥』実写版を一緒に創られた市川崑監督の事を憶えていますか?

ML:憶えているけど、もう長い間会っていないな。

NS:実は先日(2008年2月13日)に亡くなられてしまいましたが、何か思いでは?

ML:それは知らなかったよ。一緒にいる期間が限られていたから特別な思い出は無いけれど、映画を一緒に創れたのは良かった。

NS:市川監督・日本サイドからの要請で、『火の鳥』を手がけられたのですよね?

ML:そうだよ。日本からの要請で、ジャック・デゥミ(監督)と『レディー・オスカー』(ベルサイユのばら)も創ったよ。

♩ 今年の夏に『ルグラン・ジャズ VOL.2』を制作予定...

NS:存じています。前の質問に戻りますが...“ジャズ”アルバム制作の予定は?

ML:今年の夏に『ルグラン・ジャズ VOL.2』を制作予定だよ。

NS:『ルグラン・ジャズ VOL.2』ですか!?

ML:そうだよ。オリジナルの方の『ルグラン・ジャズ』(PHILIPS:1958年作品)は、知っているかい?マイルス(デイヴィスtp)や(ジョン)コルトレーンtsと創った作品だが。

NS:もちろん、知っていますよ。

ML:『ルグラン・ジャズ VOL.2』もベテラン・若手ミュージシャンを色々組み合わせて、ファンタスティックな作品にしたいんだ。沢山のアイディアがあるんだ。

NS:それは、本当に楽しみです!そこで、オリジナルの方の『ルグラン・ジャズ』制作秘話を知りたいのですが...。このアルバムには、マイルス/コルトレーンを始め豪華メンバーが多数参加しています。(注9)このアルバムは、仏フィリップスが、ルグランさんのアルバム『アイ・ラブ・パリ』(PHILIPS:1954年作品)(注10)が大ヒットした “ご褒美” として制作を許可してくれたと聞いていますが?

注9:その他の『ルグラン・ジャズ』参加ミュージシャンは、ビル・エヴァンスp、ベン・ウェブスターts、ハンク・ジョーンズp、フィル・ウッズas、ドナルド・バードtp、アート・ファーマーtp、ポール・チェンバースb、ハービー・マンfl、エディー・コスタvib、ジョー・ワイルダーtp、ジョージ・デュヴィヴィエb、ジェローム・リチァードソンreeds、オジー・ジョンソンds、テオ・マセロbs等とまさに超豪華!

注10:『アイ・ラブ・パリ』は、ルグランのファースト・リーダーアルバムで、タイトル曲を始めパリに因んだ曲をイージー・リスニング的にオーケストレーションしたアルバム。思っても見ない大ヒットに。その後、同様の手法で『ローマの休日』(1956年作品)や『ルグラン・イン・リオ』等 “紀行” を基にしたアルバムを仏PHILIPSに数枚残した。

ML:その通りさ。

NS:分かりました。映画音楽制作について質問です。フィルムを見ながら音楽を作曲されるのですか?それとも、音楽を最初に映画監督に提供されるのですか?もっともミュージカル映画は、音楽が完成していないと映画は制作できないと思いますが?

ML:そうだよ。ミュージカルは勿論音楽をフィルムより先に完成させるさ。でも、そうじゃない映画の場合は、フィルムを見ながら作曲するよ。

NS:次に、ルグランさんの先生でもある、ナディア・ブーランジュ(注11)について質問です。彼女は、アルゼンチン出身のアストーラ・ピアツォラ(注12)やブラジル出身のエグベルト・ジスモンチg/pに対し西洋音楽より自分の国の民族音楽を優先して勉強しろと諭したそうですが、ルグランさんに対しての教えは?

注11:ナディア・ブーランジュ(1988-1979年)は、フランスの作曲家。パリ音楽院の教授として、ルグラン他、多数の教え子を育てる。

注12:アストーラ・ピアツォラ(1921-1992年)は、アルゼンチン出身の現代タンゴを代表する作曲家にしてバンドネオンの大家。

ML:ナディアは、僕がクラッシックの作曲家になることを希望したよ。彼女の教えの通り、僕はクラシックの作曲家になったのさ。

NS:ジャズをプレイしだしたのは?

ML:若い時からだ。ナディアに教えを受ける前からさ。つねにジャズにパッションを持っていたんだ。

NS:次の質問ですが...えーと。

ML:(僕の手元の質問用紙を覗き見して)ゲイリー・マクファーランドarr/vibには会った事ないな。NS:そうですか。では、ジェリー・マリガンbs、フィル・ウッズやジョン・ファディスtpが参加した『ル・ジャズ・グランド』(GRYPHON:1977年作品)をプロデュースしたノーマン・シュワルツの思いでは?

ML:『ル・ジャズ・グランド』は満足しているアルバムだが、彼の事は、もう余り覚えていないな。

NS:JT編集長の稲岡が指摘するように、ルグランさんとギル・エヴァンスarr/pのオーケストレーションに、ある種の共有点を聴くことができますが...。(注13)

注13:『ルグラン・ジャズ』や『ル・ジャズ・グランド』と同系統の作品として前述の『アフター・ザ・レイン』やアルトゥーロ・サンドバルtp、バド・シャンクas、バディー・コレットas/fl、ヒューバート・ローズfl、ピーター・アースキンds他参加の『ミシェル・プレイズ・ルグラン』(LASER LIGHT:1993年作品)、ドイツ制作の『インストゥルメンタル・マジック』(UNIVERSAL MUSIC:2003年作品)等がある。

ML:ギル・エヴァンスの事は大好きさ。

♩ ルイス・エサとは仲の良い友達だった

NS:最後の質問です。僕は、ルグランさんのブラジリアン系作品のファンでもあります。例えば、ペドロ=パウロ・カストロ=ナベスg/vo(注14)とのアルバム『ルグラン&カストロ=ナベス』(IRIS MUSIQUE:1987年作品)やルイス・エサp(注15)に捧げた『オメナジェン・ア・ルイス・エサ』(BISCOITO FINO BR:2004年作品)等です。

注14:ペドロ=パウロ・カストロ=ナベスは、有名なブラジル人ギタリスト、オスカー・カストロ=ナベスの弟。

注15:ルイス・エサ(1936-1992年)は、ボサ・ノヴァを代表する名グループ “タンバ・トリオ”(中期はタンバ・クァルテット)のピアニスト。近現代のクラッシックの技法 とジャズと結びつけ、ボサ・ノヴァのエキゾチックさで包んだ数々の作品を残した。代表曲に『ドルフィン』他。

ML:(少し驚いたように)その “ルイス・エサ” のアルバムを持ってるのかい?

NS:はい。

ML:イヴァン・リンズなんかと一緒に創ったんだ。良い作品だろう?

NS:そうですね。これは、やはりルイス・エサへのトリビュートですよね?

ML:そうさ。ルイス・エサとは仲の良い友達だったんだ。彼の創った音楽は素晴らしいよ。

NS:お陰さまで、用意してきたすべての質問をカバーできました。大変ありがとうございました。

ML:こちらこそ。

インタビューを終えて:

お察しの通りルグランは、当初かなり乗り気では無かった。しかし、こういう事態を想定して考えた(ヌガロ他についての)質問のおかげで(?)何とかインタビューを終える事ができ、ホッとしました。しかし、あの『男と女』のルルーシュ監督に自己紹介・質問をする絶好の機会を逃した事実を凄く後悔しています。それはさておき、ルグランが、ミュージカル映画を手掛けるのは久方ぶりだと思うので楽しみです。

それにもまして、やはり『ルグラン・ジャズ VOL.2』には絶対の興味が湧きます。参加メンバーについて聞きそびれてしまったので、後日パットさんに聞いてみました。オリジナル『ルグラン・ジャズ』にも参加のフィル・ウッズが、多分参加するだろうという事。しかし、他のメンバーについては、分かりませんでした。

とにかく、70歳代後半を迎えても、尚かつ精力的な活動をする巨匠ミシェル・ルグランの動向に注目です。

追記:稲岡編集長の要望で追悼を込めて、もう10年以上も前のこのインタビューを再掲載することになりました。嬉しそうに話してくれた、ルルーシュ監督とのミュージカル映画及び『ルグラン・ジャズVol.2』は、2019年1月現在、ともに実現できてないようです。残念!彼の訃報をインターネットで知った日は、『シェルブールの雨傘』を聴いて過ごしました。(須藤伸義 2019年1月28日)

*Originally published in Jazz Tokyo #94, May 04, 2008

須藤伸義

須藤伸義 Nobuyoshi Suto ピアニスト/心理学博士。群馬県前橋市出身。ピアニストとして、Soul Note(イタリア)/ICTUS (イタリア)/Konnex(ドイツ)の各レーベルより、リーダー作品を発表。ペーリー・ロビンソンcl、アンドレア・チェンタッツォcomp/per、アレックス・クラインdrs、バダル・ロイtabla他と共演。学者としての専門は、脳神経学。現在スクリプス研究所(米サンディエゴ)助教授で、研究室を主宰。薬物中毒を主とするトピックで、研究活動を行なっている。

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