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このパフォーマンス2016(国内編)No. 225

このライヴ/コンサート2016(国内アーティスト)#04 「山中千尋/クリスマス・ジャズ・コンサート」

2016年12月21日 東京オペラシティコンサートホール

山中千尋 (p)
ラズロ・ガードニー (p)

井上陽介 (b /1~3)

演奏曲目:

山中千尋:モーメント・オブ・イナーシャ **
リー・ハーライン:星に願いを **
山中千尋:リヴィング・ウィズアウト・フライデイ **

アルバン・ベルク:ピアノ・ソナタ op.1 より ★ *
フレデリック・ジェフスキー:《不屈の民》変奏曲 より ★ *
サー・ローランド・ハナ:シーズンズ *
武満 徹:死んだ男の残したものは ★ *
コーネリアス・カーデュー:ブラヴォーグ より ★ *
八木節 *

★ 山中千尋によるジャズ・アレンジ

クリスマス・ジャズ・コンサートというより内容的には、中山千尋リサイタル、という趣。もっとも、リサイタルでは全曲デュオにはならないだろうけど..。意欲的、かつ挑戦的なプログラミング、大ホールを満員にする集客力、その満員の聴衆に有無を言わせず自分の世界に引きずり込む技量と説得力、たいしたものだ。予告から見落としていた井上陽介の登場は嬉しい驚きだったが、井上とのデュオ3曲にもっともジャズらしいグルーヴを感じた。ジャズ、クラシックのジャンルを問わず聴衆にいちばん知られていると思われる<死んだ男の残したものは>(武満徹)、テーマに続く圧倒的なインプロの展開にジャズの何たるかを知らしめる意図があったのだろうか。2台ピアノの相方、ラズロとのバランスにやや疑問が残ったが。

稲岡邦彌

稲岡邦彌 Kenny Inaoka 兵庫県伊丹市生まれ。1967年早大政経卒。2004年創刊以来Jazz Tokyo編集長。音楽プロデューサーとして「Nadja 21」レーベル主宰。著書に『新版 ECMの真実』(カンパニー社)、編著に『増補改訂版 ECM catalog』(東京キララ社)『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)。2021年度「日本ジャズ音楽協会」会長賞受賞。

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