#05 CLUB JAZZ屏風 クイーンズ伊勢丹前(2日目)

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2018年9月16日(日)CLUB JAZZ屏風 クイーンズ伊勢丹前

text by Keita Konda 根田恵多
photo by Keita Konda 根田恵多

池澤龍作、落合康介、佐々木香織、田井中圭、高岡大祐、中川恭太、林加奈、BUN Imai、山㟁直人、吉田隆一、佐藤正治、三田超人、子どもetc.

 

2018年で第11回を迎えた即興音楽イベントJAZZ ARTせんがわ。初めて来日したピーター・エヴァンスを観るために行ったはずだった。お目当てのエヴァンスも素晴らしい演奏を聴かせてくれたが(→本誌掲載のクロス・レビュー参照)、それ以上に強く印象に残ったのは、日曜の昼下がりの公園に広がっていた、自由に満ち溢れる光景だった。

 

※プライバシーに配慮して画像をぼかしています。

 

東京都調布市仙川。駅前にある小さな公園は、家族連れで賑わっていた。少しすり鉢状になっている広場のど真ん中にはドラムセットが置かれ、その周りには紙製の円柱のようなものがいくつか置かれている。サックス、トロンボーン、チューバ、ギター、鍵盤ハーモニカなど、さまざまな楽器を持ったミュージシャンたちが入れ替わり立ち替わりやってきて、切れ目なく音楽が続いていく。

興味深いのは、あの公園で展開されていた音楽が、「即興演奏を聴きにきた」観客にのみ向けられたものではなかったことだ。大勢いた子どもたちの反応は実に多様で、ミュージシャンの近くでじっと演奏を見つめる子もいれば、演奏を完全に無視して全力で遊んでいる子もいた。おそらく初めて聴いたであろうバリトンサックスの咆哮に耳を塞ぐ子、嬉しそうな表情でドラムセットの周りを踊り狂う子、公園内に設置された屏風の障子を一心不乱に破く子……。終盤には、10人ほどの子どもがドラムセットを囲んでひたすら乱打する場面もあった。

その場にいる人間すべてを取り込むようにしてどこまでも自由に展開した音楽は、あっという間に過ぎ去っていった。
あれはいったい何だったのだろう。JAZZ ARTせんがわは2018年限りでの打ち切りが検討されているとのことだが、あの公園のような自由な空間がまたどこかに現出することを願ってやまない。

 

 

根田 恵多

根田恵多 Keita Konda 1989年生まれ。大学院生。専門はアメリカ憲法、とくに政教分離、精神的自由権。主な著作に『平等権と社会的排除 ―人権と差別禁止法理の過去・現在・未来』(共著、成文堂、2017年)など。ただのジャズファン。ブログ http://zu-ja.hatenablog.com/

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