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このディスク2018(国内編)No. 249

#07 『板橋文夫オーケストラ FUMIO 69 Rock & Ballade』

text by Yumi Mochizuki 望月由美

『板橋文夫オーケストラ FUMIO 69 Rock & Ballade』

MIX DYNAMITE RECORD  MD-021  2,500円

板橋文夫(p,per)  林栄一(as)纐纈雅代(as)片山広明(ts)吉田隆一(bS)類家心平(tp)山田丈造(tp)後藤篤(tb)高岡大祐(tu)  太田恵資(vln)  瀬尾高志(b)  竹村一哲(ds)  外山明(ds)  レオナ(tap dance)

1. Dancin’Madam 2018(板橋文夫)
2,産褥マタニティブルース(レオナ)
3. Lady’s Blues(R.Kirk)
4. Dream in Dream(板橋文夫)
5. 手からこぼれるように(吉田隆一)
6. DOKOMADEMO((板橋文夫))
7. 冬のワルツ(纐纈雅代)
8. PAKA! ((板橋文夫))
10. Mary Hartman Mary Hartman (Barry White)
11. Lonely Lonely (板橋文夫)
12. FUMIO 69・Rock(板橋文)
13. I can`t stop loving you(Don Gibson)
14. 七夕(板橋文夫)

録音:2018年7月23日、24日、25日 公園通りクラシックス
エンジニア:小川洋
プロデューサー:板橋文夫

 

レヴュー原稿の締めの言葉として、これを聴けば10歳若返ると書いたがその通り、聴けば聴くほどに元気がでる作品である。

https://jazztokyo.org/reviews/cd-dvd-review/post-32654/

とにかく14名全員が元気で勢いが良い。

オーケストラといっても中身はソロありデュオあり、トリオあり様々な編成で構成されていて正に「オールアバウト板橋文夫」となっており、様々な局面で板橋文夫の人となりが浮き彫りにクローズアップされ板橋文夫の“今”にふれることの出来る作品である。

常に青年の熱きロマンを音楽の基軸に据え、原動力にしてきた板橋も今年の夏で69歳になったというが今なお青春がよく似合う。
あのがっしりとした体躯、丸太のような二の腕からたたき出される骨太の音は変わらず鍵盤の上を嬉々として飛び跳ねている。
溢れるエネルギーと飾らない人柄、音に向き合う姿勢が潔い。

エリントン楽団のようにサウンドから一人一人の顔が見える板橋文夫オーケストラの最も充実した姿が刻まれていることから「2018年私のこの一枚  国内制作の部」に選ばせていただいた。

(付)
レコーディングは今年(2018)の7月、それからわずか4か月余りで片山広明(ts, 1951~2018 67歳没)が急逝した。
本来ならば新宿ピットイン恒例、年越しのオールナイト・コンサート“2018〜2019”で新年を祝う予定であったがそれがかなわず、本人も心残りであったであろう。(望月由美)

望月由美

望月由美 Yumi Mochizuki FM番組の企画・構成・DJと並行し1988年までスイングジャーナル誌、ジャズ・ワールド誌などにレギュラー執筆。 フォトグラファー、音楽プロデューサー。自己のレーベル「Yumi's Alley」主宰。『渋谷 毅/エッセンシャル・エリントン』でSJ誌のジャズ・ディスク大賞<日本ジャズ賞>受賞。

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