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このディスク2018(国内編)No. 249

#08 『TRISPACE  /  The Circle』

text by Ring Okazaki 岡崎 凛

『TRISPACE  /  The Circle』(AGATE 2018)

林祐市(p)
大村守弘 (b)
山下佳孝 (ds)

ピアニスト林祐市を中心に2008年に結成され、名古屋を拠点に東京、大阪など各地でライヴ活動をしてきたTRISPACEの4枚目のアルバム。前作の『Night Fall』に続き、日本のトリオでありながら、ヨーロッパのジャズ・ピアノトリオを聴くように楽しめる作品である…と説明しても、たぶん間違いではないのだが、本作はさらなる発展を遂げたと断言できる。

梅田アクトスリービルのJazz On Top というライヴハウスに出演する彼らを2回聴きに行ったが、トリオの3人は全員が世界のジャズの流れを敏感に追うタイプだと感じる。初期はE.S.T.の影響を大きく受けた作風だったが、それが何段階も変化していったように思う。現在の彼らは、ヨーロッパ・ジャズの流れは受けながらも、どんどん新しい要素を加えて独自のスタイルを確立しつつある。彼らの志の大きさはずっと感じていたが、実に丁寧にステップを積み上げるトリオで、音響面でも最大限の工夫を心がけていると感じる。

心地よい風に吹かれるような爽快感と、聴き応えのある楽曲を心から楽しませてくれる、名古屋発のピアノトリオTRISPACE(トライスペース)に、今後も期待したい。

TRISPACE(トライスペース)の情報はこちら:
http://yuichihayashi.com/band/

岡崎凛

岡崎凛 Ring Okazaki 2000年頃から自分のブログなどに音楽記事を書く。その後スロヴァキアの音楽ファンとの交流をきっかけに中欧ジャズやフォークへの関心を強め、2014年にDU BOOKS「中央ヨーロッパ 現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイド」でスロヴァキア、ハンガリー、チェコのアルバムを紹介。現在は関西の無料月刊ジャズ情報誌WAY OUT WESTで新譜を紹介中(月に2枚程度)。ピアノトリオ、フリージャズ、ブルースその他、あらゆる良盤に出会うのが楽しみです。

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