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1/20 ECMから新年を飾る新旧アーチストの4タイトル リリース

2018年の劈頭を飾ってECMから4タイトルがリリースされた。ジョン・サーマン、ボボ・ステンソンのヴェテランふたりとトーマス・ストローネン、キット・ダウンズの新鋭ふたり。来年の創立50周年に向け、ECMは正月から全力疾走だ。

ジョン・サーマンの新作『インヴィジブル・スレッズ(見えない糸)』(ECM2588)は、ブラジルのピアニスト ネルソン・エアーズとアメリカからオスロに移住したヴィブラフォン/マリンバ奏者ロブ・ウエアリングによるトリオ。ジョン・サーマンはソプラノとバリトンサックス、バスクラリネットを演奏している。サーマンのオリジナルを中心に、1曲だけエアーズの<サマー・ソング>を採り上げている。録音は、2017年7月、オスロのレインボウ・スタジオで。

昨年11月に来日したばかりのボボ・ステンソン・トリオ6年目の新作は『コントラ・ラ・インデシジャン(卑劣な歌)』。アンデルス・ヨルミン、ヨン・フェルトとのスェーデン・トリオはビル・エヴァンス・トリオ以来のひとつのピアノ・トリオの典型と称賛されている。メンバーのオリジナルに加え、キューバのシンガー・ソングライター シルビオ・ロドリゲスやバルトーク、サティ、モンポウなどクラシックの楽曲を織り交ぜたユニークなプログラミング。録音は、2017年5月、スイスのルガーノにて。

こちらも昨年9月に来日したトーマス・ストレーネンのユニット「Time Is A Blind Guide」(デビュー・アルバムのタイトルがバンド名になった)の2作目『ルーカス』(ECM2576)。来日した編成と同じクインテットに絞り込まれているが、チェロ奏者が来日時に変更になったようだ。最大の注目はオリジナル・メンバーのキット・ダウンズに代わってオスロに留学中だった田中鮎美が参加したこと。ストレーネンの田中に対する評価は既出のインタヴューに詳しい。録音は、2017年3月、スイスのルガーノにて。

新鋭のもう1枚は「Time Is A Blind Guide」のピアニストだったキット・ダウンズのオルガン・アルバム。ダウンズは英国きっての俊英ジャズ・ピアニストと目されていたが、出自は教会のオルガニスト。本作『オブシディアン(黒曜石)』(ECM2559)は、教会のオルガンに戻り、サフォークとロンドンの3教会のオルガンから新しい響きを抽き出すことに挑戦している。1曲だけ、パートナーのテナーサックス奏者が参加。プロデューサーは、サン・チョン。

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