1/26 ミシェル・ルグラン逝く

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R.I.P. Michel Legrand (1932.2.24 – 2019.1.26)
フランスの作編曲家・ピアニスト・ヴォーカリストのミシェル・ルグランが、2019年1月26日、パリの自宅で亡くなった。

父は指揮者・作曲家のレイモン・ルグラン、母はアルメニア出身で楽譜出版社を経営するマルセル、姉はスウィングルシンガーズの初代リードソプラノを務めた歌手のクリスチャンヌ、という音楽一家に生まれ、11歳でパリ高等音楽院に学び、ナディア・ブーランジェに師事(彼女の弟子にレナード・バーンスタイン、アーロン・コープランド、アストル・ピアソラ、フィリップ・グラス、キース・ジャレット、エグベルト・ジスモンティがいる)。1954年『I Love Paris』は世界中で大ベスト・セラーに。1958年にはマイルス・デイヴィスやビル・エヴァンスらを従え『Legrand Jazz』をリリース。それ以降もさまざまなミュージシャンと名演を残して来た。特に「シェルブールの雨傘」をはじめ200以上の映画・ドラマ音楽を手がけ、20世紀後半の映像音楽に圧倒的な実績と影響を残し、日本映画にも音楽を提供してきた。公式Facebookでの死去の告知記事に多数の写真が紹介されているのでごらんいただきたい。
2019年4月には、リシャール・ガリアーノらをゲストにパリでコンサートを予定していた。

1972年以来たびたび来日し、2018年7月6日〜9日にブルーノート東京で行ったのが最後の来日公演となった。音楽を的確に仕切りながら心身と音楽の健在ぶりを見せつけたばかりだった。演奏曲目は以下の通り。ピアノトリオでの演奏なのに、オーケストラの音が浮かび上がるような色彩と広がりをもち、映像も浮かんで来るようで、まさにミシェル・ルグラン本人にだけできる素晴らしい演奏を魅せてくれ、日本のファンへの最後の贈り物となった。

1.RAY BLUES
2.ONCE UPON A SUMMERTIME
3.YOU MUST BELIEVE IN SPRING
4.WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFE
5.FAMILY FUGUE
6.DINGO LAMENT
7.DINGO ROCK
8.LES PIANISTES DE JAZZ
9.LES PARAPLUIES DE CHERBOURG
EC.THE WINDMILLS OF YOUR MIND

Photo by Yuka Yamaji 山路ゆか

Le Monde: Michel Legrand en six musiques de film inoubliables

2018年にリリースされた『Norma Winstone / Descansado – Songs for Films』 (ECM2567)では、ECM Recordsのプロデューサー、マンフレート アイヒャーが”映画”にオマージュし、特にジャン=リュック・ゴダール監督、ミシェル・ルグラン音楽の『Vivre Sa Vie: Film en douze tableaux 女と男のいる舗道』にオマージュして、珍しく自らを編曲にクレジットしている。その<Vivre sa vie>を聴きながら、巨匠ミシェル・ルグランを想い、見送りたい。

Vivre sa vie
Jean-Luc Godard, Vivre sa vie (1962)
Music: Michel Legrand
Arr.: Glauco Venier, Klaus Gesing, Manfred Eicher
Norma Winstone Voice,
Glauco Venier Piano
Klaus Gesing Soprano Saxophone, Bass Clarinet
『Norma Winstone / Descansado – Songs for Films』(ECM2567)

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの”共演”を果たしたらしい。

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