#1275 この一枚2015(国内編)#01『近藤秀秋/Asyl』

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Text by 伏谷佳代 Kayo Fushiya

PSF Records PSFD210

近藤秀秋(guitar, 12 strings guitar, biwa)
中溝俊哉(oboe)
神田晋一郎(piano)
河崎純(contrabass)
ヒグチケイコ(voice)

1. Points (H.Kondo)
2. Repetition (H.Kondo)
3. 漂泊者の歌 (詞:萩原朔太郎/英訳:ヒグチケイコ/曲:近藤秀秋)
4. Night Club 190 (Astor Piazzolla)
5. Red (H.Kondo)
6. Rain (H.Kondo)
7. Hier ist Friede (Alban Berg)
8. Blue in Green (Miles Davis)

Producer:生悦住英夫(P.S.F RECORDS)
Director:近藤秀秋
Recording Engineer:菊地健太郎 近藤秀秋
Mixing:近藤秀秋

Recorded@クレッセントスタジオ、シアタートラム、Bishop Records プリプロルーム、東京、2014年


殊に即興音楽や前衛の界隈においては、海外よりも日本のミュージシャンがユニークさや「キレ」の具合で群を抜くというのが率直な感想だ。だが、いくら奇抜なことをやっても、音楽として耳に残らないようではどうしようもない。そういった意味で、多彩な要素がアマルガムのように溶接された近藤秀秋の『アジール』は、行き着くところが「たとえようもなく耳や脳裏、心に染み付いて離れない」という音楽の特性の根本中の根本、を押さえている稀少な成功例。優れたエンジニアでありギタリスト、コンポーザー・アレンジャー、挑戦的な音楽学者、といういくつもの近藤の顔が垣間みえ、みごとに融け合いながらも、精緻なアルバム構成は極めてスリリングで感覚的な歓びに満ちている。神田晋一郎、ヒグチケイコ、河崎純、中溝俊哉、と参加ミュージシャンも無二の個性派揃い。イメージ喚起力がずば抜けて高いアルバム。朔太郎からピアソラへのシークエンスで毎回覚える、時空が撹拌される感覚がたまらない。(*文中敬称略)

<関連リンク>
http://bishop-records.org/musicians/musicians_KHideaki.html
http://blog.goo.ne.jp/jk50654396
http://www.geocities.jp/cleokkk/
http://bishop-records.org/musicians/musicians_KShin-Ichiro.html


<関連レヴュー>
http://www.archive.jazztokyo.org/column/oikawa/column_237.html

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伏谷佳代

伏谷佳代

伏谷佳代 (Kayo Fushiya) 1975年仙台市出身。早稲田大学卒業。幼少時よりクラシック音楽に親しみ、欧州滞在時 (ポルトガル・ドイツ・イタリア) に各地の音楽シーンに通暁。欧州ジャズとクラシックを中心にジャンルを超えて新譜・コンサート/ライヴ評、演奏会プログラムの執筆、翻訳などを手がける。

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