#1496 『John Surman, Nelson Ayres & Rob Waring / Invisible Threads』

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text by Masanori Tada 多田雅範

ECM2588

John Surman : Soprano Saxophone, Baritone Saxophone, Bass Clarinet
Nelson Ayres : Piano (2)
Rob Waring : Vibraphone, Marimba

1. At First Sight
2. Autumn Nocturne
3. Within The Clouds
4. Byndweed
5. On Still Waters
6. Another Reflection
7. The Admiral
8. Pitanga Pitomba
9. Summer Son
10. Concentric Circle
11. Stoke Damere
12. Invisible Threads
All music composed by John Surman except M9 by Nelson Ayres

Recorded July 2017
Rainbow Studio, Oslo
Engineer: Jan Erik Kongshaug, Peer Espen Ursfjord
Produced by Manfred Eicher

まるで”ジョン・サーマン、ミーツ、コリア=バートン”の夢の競演、8曲目「Pitanga Pitomba」からの曙光にも似た展開だ、ジャケそのままだと言うつもりか、

そんなんじゃないよ、と、ECMベテラン孤独の旋律マイスター英国の誇るジョン・サーマン翁は不満をあらわにするだろうか、でもさECMジャケ史の水平線傑作デザイン列伝に加わっているじゃないか、アイヒャーと一緒にメンバーはインナーフォトに収まっているじゃないか、わたしのような古いECMファンには、こういう作品が耳を和ますことは明らかなのです、

かつてはリアルタイムにそれなりに尖っていたECMサウンドは、このように優雅に成熟をまとって耳のプレイグラウンドに遊ばせてくれる安定したスタイルとなった、のだ、

10曲目「Concentric Circles」のピアノが高音で点描的につぶやかれる楽想には、ECMファンは弱い、弱すぎる、

ジョン・サーマンの音色はどうしてこう孤独で切ないのか、シンセに乗せて独白するだけのソロ『Withholding Pattern』(ECM1295)1985の「Changes of Seasons」を聴いているだけで人生は終わってしまいそうだよ、ECMサーマンの最高傑作は『Such Winters of Memory』(ECM1254)1983なのだわ、これで人生の階段を踏み外した多くのファンたちのために、

サーマンが参加したECM盤では、ホランドとブラヒムとの唯一のトリオ作『Thimar』(ECM1641)1998、ポール・ブレイの『Fragments』(ECM1320)1986、クローグとリピダルとの『Nordic Quartet』(ECM1553)1995、この3枚は外せないだろう、いやほかにもある、それは、あれとあれと、

新作『Invisible Threads』8曲目以降の、孤独で切ないサーマンという被り物を脱ぎつつあるような美意識でもって、そうさなあ、2CDライブ盤を制作してみてはどうだろう、なあにクリステンセンとの『Invisible Nature』(ECM1796)2002なんてハイスペックなライブ盤を録れたんだから可能だろう、

多田雅範

多田雅範

Masanori Tada / 多田雅範 Niseko-Rossy Pi-Pikoe 1961年、北海道の炭鉱の町に生まれる。東京学芸大学数学科卒。元ECMファンクラブ会長。音楽誌『Out There』の編集に携わる。音楽サイトmusicircusを堀内宏公と主宰。音楽日記Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review。

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