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及川公生の聴きどころチェックNo. 230

#348『タエコ・クニシマ(国島妙子)/にじ色の雲』

「及川公生の聴きどころチェック」今月の8枚

 

33 JAZZ 258J ¥1,400

タエコ・クニシマ (piano)
クライブ・ベル (尺八, khene, Cretan pipes)
ポール・モイラン (double bass)
カミロ・タイラド (tablas, percussion)
一川響 (津軽三味線)
ジェレミー・ホーキンス (フィールド・レコーディング)

1. Blue Clouds(青い雲)
2. In Search Of Time Lost(時を探し求めて)
3. Iridescent Seashell(にじ色の貝)
4. Secret(秘密)
5. Lighthouse in Winter(冬の灯台)
6. Oak Tree Leaf Rustles In My Mind(樫の木の葉のざわめく音が私の気持ちの中から、聞こえてくる)
7. Everything Is In The Air(すべてが空中に浮いている)
8. Volcanic Rocks(火山石)
All compositions by Taeko Kunishima

Recorded, mixed and mastered by Nick Pugh at Session Corner, Luton, UK between December 2015 and March 2016
Produced by Clive Bell and the Lost Time team

 

主たるピアノのサウンドが、重厚に音像の壁を形成。他のトラックでは周辺を漂う音質。その陰影がディスクの構成となる。距離感を持たせたオンマイク処理が印象的。意図的なのか低音部の重厚さはオンマイク。中音部以降に距離感を感じさせ、此の表現はマジック。重厚なベースがセンターの音像を確たる存在感で表現。これを囲むタブラが、実に重要なサウンドをもたらす。タブラは録音の困難な楽器。その経験から、この録音は最大現に評価。尺八、三味線、に強調がない工夫。録音、ミックスの裏技か。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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