#367 『アストル・ピアソラ&ザ・ニュー・タンゴ・クインテット/タンゴ・ゼロ・アワー』

閲覧回数 1,663 回

「及川公生の聴きどころチェック」今月の9枚

American Clave/Muzak MZCA-1349 ¥2,300(税抜)
高音質UHQCD*オリジナル・デザインE式ダブル紙ジャケット仕様

アストル・ピアソラ&ザ・ニュー・タンゴ・クインテット:
アストル・ピアソラ (bandoneon)
フェルナンド・スアレス・パス (violin)
パブロ・シーグレル (piano)
オラシオ・マルビチーノ (guitar)
エクトル・コンソーレ (bass)

1.タンゲディアIII*
2.天使のミロンガ*
3.五重奏のためのコンチェルト
4.ミロンガ・ロカ
5.ミケランジェロ‘70
6.コントラバヒシ
7.ムムキ*

All music written and arranged by Astor Piazzolla
Recorded and mixed May 1986 at Sound Ideas Studios, NYC
Engineer: Jon Fausty
Mastered at Sterling Sound, NYC
Engineer: Greg Calbi
Produced by Kip Hanrahan

 

タンゴ魂が音響空間に怒濤の展開。音像の迫力と各楽器の輪郭線が鮮やか。
UHQCDが、音源の持つ鮮やかさと切れ味の感触を増強したと評価。
ベース低音の重力さえ感じる音質に支えられて、バンドネオンが浮かび上がる。
録音の状態が緻密で開放的。各楽器の勢いをうまく処理して演奏の風景が浮かぶ。マスターの優れた録音素材が、この様な形で紹介される事に喜びを感じる。従来のCDでも得られる楽器の躍動感と、余韻に輪郭線を感じ、サウンドの完成度が一段と整った録音手法が、一際光沢をイメージする音の感覚に変化する。

Hear, there and everywhere #8
by Kenny Inaoka 稲岡邦彌

言わずと知れたアストル・ピアソラとザ・ニュー・タンゴ・クインテットの最高傑作。クインテットとプロデューサーのキップ・ハンラハンがNYのスタジオにこもって一切の妥協を排し徹底的に磨き上げた作品。何度か再発されたが、今回はUHQCD=Ultimate High-quality CD、究極の高品質CDでの再発、ということで、おそらくCDというメディアでは最後のリリースになるのではないだろうか? ハイ・エンドのネットワーク・オーディオの話題に事欠かない昨今だが、このUHQCDを抱いた妖しくも鈍い光を放つ最高の美意識に貫かれたE式ジャケットを手にした時、果たしてCDを捨てネットワーク・オーディオに走る誘惑に駆られるリスナーがいるだろうか?(本誌編集長)

Share Button
及川公生

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

↓ ロボットでないかお知らせください。 * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.