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及川公生の聴きどころチェックNo. 250

#494 『ポール・ブレイ・トリオ/禅パレスの思い出』

text by Kimio Oikawa 及川公生

SpaceShower  AWDR/LR2

ポール・ブレイ(p)
スティーヴ・スワロウ(b-g)
ポール・モチアン(ds)

1. Deviation
2. Almost Persuaded
3. Ah-Ha
4. Latin Ideas
5. Zen Palace
6. Where Is Paul?

Recorded by Tom Mark @Sound on Sound, NYC, March 1993
Produced by Kenny Inaoka for Transheart


力強いドラムの迫力と定位の工夫が音像を大きく形つくる。ピアノの豊かな響き、ベースギターの豊かな音色、空間の透明さを味わいながら聴いているようだ。特にベーゼンドルファーの響きは秀逸。特有の響きと空間表現の素晴らしさ。ベースギターの倍音から発生する音色に装飾が感じられ、味わいを加える。録音はTom Mark。自身のサウンド傾向が力強く現れた作品である。録音された1993年当時の録音システムが持っていた分厚いサウンドが懐かしい。


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及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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