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Concerts/Live ShowsNo. 222

#914 LAND FES vol.8

2016年9月17日(土) 18:00〜19:20 仙川駅周辺
Reported by 剛田 武 Takeshi Goda
Photos by 木村 雅章

 

街からはじめるクリエイティブ

これまでに吉祥寺、西小山、高円寺、中延にて街をツアーしながら、ダンサーとミュージシャンによるライブセッションを体験するウォーキング形式のパフォーマンスイベント「ランドフェス」を開催。2014年&15年には、調布市せんがわ劇場主催、巻上公一(ヒカシュー)が総合プロデューサーを務める「JAZZ ART せんがわ」の同時開催イベントとして仙川の街に出現!
非日常へと移り変わる街の景色、そしてそこに生まれるドキドキ&ワクワクを楽しんで♪

(公式サイトより)

 

政岡由衣子(ダンス)×清水博志(パーカッション)
伊東歌織(ダンス)×高原朝彦(10弦ギター)
小暮香帆(ダンス)×橋本孝之(サックス)

 

第9回 JAZZ ARTせんがわ 2016同時開催イベント「ランドフェス」に参加した。実はどういうイベントか把握しておらず、せんがわ劇場でのライヴが終ってから受付に行くと、既にイベントが始まっているとのことで、指示されるままに商店街の中の広場へ向かうと、甲高いサックスの悲鳴が聴こえて、人だかりができていた。

●小暮香帆(ダンス)×橋本孝之(サックス)@ピボット
買い物客や通行人も見守る広場の中にアルトサックスを持った橋本が立ち、その周りを女性ダンサーが踊っている。階段の上や建物の中まで風のように駆け回りクルクル回転する小暮の後ろを2,3歳の女の子がついて回って真似するのが可笑しい。野外に鳴り響く鋭いサックスとスピード感のあるダンスが融合して、スラップスティックコメディを見ている気分になる。終ると係員の後について商店街を次の会場へと移動する。

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●伊東歌織(ダンス)×高原朝彦(10弦ギター)@ビアバー AZI
ファッションブティックのショーウィンドウでダンサーが無言のパントマイムを演じ、そのまま隣のビアバーへ招き入れる。暗い店内にアコースティックギターを持った高原が座っている。狭い空間での伊東の踊りはダンスというよりパフォーマンス。障りの多い12弦ギターのサウンドは地を這うような舞踏劇の伴奏には申し分ない。テーブルとカウンターの上のコミカルなダンスで終了。バーを出て暫く歩き踏切を渡った道の右手の八百屋に向かう。

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●政岡由衣子(ダンス)×清水博志(パーカッション)@阿部青果店
プラスチックケースにスネアを乗せた簡素なドラムキットで清水が演奏。ビートに乗せて政岡がエネルギッシュなダンスを踊る。コンクリートの床に裸足。野菜ケースを背景に飛んだり跳ねたりのダイナミックな動きが日常と非日常の境界を越える。幼児が二人飛び入りしてのユーモラスな即興劇から、最後の5分は本気のダンス。息を切らして床に倒れ込む政岡のやり切った清々しい笑顔が観客全員に共有された。

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生活の中に生きる芸術を最も楽しんだのは子供たちだったに違いない。

(剛田武 2016年9月20日記)

剛田武

剛田 武 Takeshi Goda 1962年千葉県船橋市生まれ。東京大学文学部卒。サラリーマンの傍ら「地下ブロガー」として活動する。著書『地下音楽への招待』(ロフトブックス)。ブログ「A Challenge To Fate」、DJイベント「盤魔殿」主宰、即興アンビエントユニット「MOGRE MOGRU」&フリージャズバンド「Cannonball Explosion Ensemble」メンバー。

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