#929 ジョシュア・レッドマン&ブラッド・メルドー Joshua Redman and Brad Mehldau

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2016.10.13 21:00 Blue Note Tokyo ブルーノート東京

Text by Hideo Kanno 神野秀雄
Photo by Takuo Sato 佐藤拓央

Joshua Redman (Tenor Sax, Soprano Sax)
Brad Mahldau (Piano)

2016 10.13

1st 18:30 (参考)
1. ALWAYS AUGUST
2. MEHLSANCHOLY MODE
3. LET’S CALL THIS
4. AIREGIN
5. DARN THAT DREAM
6. THE DISTANCE

2nd 21:00
1. JEDEDIAH
2. HIGH COURT JIG
3. LIKE SOMEONE IN LOVE
4. UNTITLED
5. MY IDEAL
6. ORNITHOLOGY

EC. THE NEARNESS OF YOU

ジョシュア・レッドマンは1969年生まれ、ブラッド・メルドーは1970年生まれと同世代で、20代前半から20年以上にわたって共演を重ねて来た。現レーベルもともにNonesuchと近くにいる。まずブラッドがジョシュアのカルテットにクリスチャン・マクブライド(b)、ブライアン・ブレイド(ds)とともに参加して、1994年に『Joshua Redman / MoodSwing』(Warner Brothers)を録音。いまにして思えば、なんと豪華な新人グループだったのだろう。少し間が空いて2010年にジョシュアがブラッドの『Highway Rider』(Nonesuch)に参加、2013年にブラッドがジョシュアの『Walking Shadows』(Nonesuch)に参加とより近づく。今回の来日は、デュオアルバム『Nearness』(Nonesuch)の9月リリースを受けてのもの。これには2011年のヨーロッパツアーでのライブ録音で、11月にスペイン、スイス、オランダ、ドイツ、そして7月にノルウェーで行ったライブからの音源が6曲収録されている。もともと6曲のアルバムに対して、10月13日だけで1stと2ndでダブりのない13曲、うちアルバムから4曲なので、多少の準備はあるもののスタンダードをその場その場で選んで演奏し、アルバムはその瞬間の一部を切り取ったと考えるべきだろう。

ピアノとサックスの楽器としての構造と基本に立脚したシンプルかつ美しい最高の音色と、巧みなダイナミクスのコントロール、それに基づくピアノとサックスの”完璧な”インタープレイに圧倒された。このフォーマットは珍しくないし、まして、クラシックのサックスリサイタルでは基本だが、サックス主役+ピアノ伴奏の整った演奏であったり、逆にピアノの楽器としての圧倒的な表現力からいって、結果的にピアノがサウンドの主導権を握ったりという非対称になりがちだ。いまどきのジャズサックスプレーヤーなら、無伴奏でも複雑なコードとリズムを明確に表現できてあたり前だが、ジョシュアの場合はその最高の技と感性を持っていて、結果、ジョシュアとブラッドは楽器の構造的能力と制約を超えて同等の表現能力を持つに至り、親密な会話をつないで行く。音量も控えめだが、静かに音楽の炎が燃えている。ブラッドはOttawa Citizenによるインタビューの中で、二人の関係を「すごく久しぶりに会っても、前にあった時とまったく同じ感じで付き合えるような友人関係だ」(It’s like one of those friendships where you don’t see someone for a long stretch and then you fall right back where you left off.) と述べている。実際、かつての共演といまの共演を聴き比べても、その根本にあるものは変わらないことに気付く。現代最高かつ特別なインプロバイザー二人による、最高のサウンドとインタープレイを前にして、その空間と時間を共有できる喜びをかみしめるひとときだった。

【関連リンク】

“Ornithology” from “Nearness” (Nonesuch Official YouTube)

Joshua Redman official website
http://www.joshuaredman.com
http://www.joshuaredman.com/album/nearness

Brad Mehldau official website
http://www.bradmehldau.com

Nearness – Nonesuch Records
http://www.nonesuch.com/journal/joshua-redman-brad-mehldau-nearness-new-duo-album-out-now-2016-09-09

 

【JT関連リンク】

MEHLIANA featuring Brad Mehldau & Mark Guiliana
http://www.archive.jazztokyo.org/live_report/report808.html

Charlie Haden “A Memorial and Celebration of His Life”
http://www.archive.jazztokyo.org/live_report/report776.html

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神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの”共演”を果たしたらしい。

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