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「The Real Group」の検索結果

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説No. 304

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #93 Chris Potter<Got The Keys To The Kingdom>

お気に入りのChris Potter(クリス・ポッター)の、待望のVillage Vanguard(ヴィレッジ・ヴァンガード)のライブ録音三作目が出た。選曲といい、それぞれの曲の料理方法といい、バンドの完成度といい、全てが素晴らしい出来なのだが、なんと言ってもポッターの演奏の進化ぶりに驚いた。実直な会社員風の、アーティスト然としていない彼のインタビューをネットから拾って、彼の音楽の解説を試みた。

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R.I.P. スタンリー・カウエルNo. 274

On Stanley Cowell and the Bobby Hutcherson Ensemble by James Armstrong
スタンリー・カウエルとボビー・ハッチャーソンのアンサンブルについて by ジェームス・アームストロング

われわれはカウエルの作品を徹底的に検証する必要があるということです。そこには今後何十年間にもわたって世界中のミュージシャンに資する高度に先進的な宝の山があるということです。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説R.I.P. マッコイ・タイナーNo. 264

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #53 R.I.P. McCoy Tyner <Search For Peace>

偉大なマッコイ・タイナーが死んでしまった。コルトレーンの陰に隠れて過小評価されていた感が否めない。マッコイの名作のひとつ、美しいメロディと奇抜なコード進行と斬新な構成でスタンダード化した<Search For Peace>を取り上げてみた。そのほかにもマッコイのシグネチャーであるペンタトニック・ボイシングも解説。数多く残されたマッコイの名言もかき集めて紹介。

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Concerts/Live ShowsNo. 243

#1016 田崎悦子ピアノリサイタル/三大作曲家の愛と葛藤 2回シリーズ-前編-/Etsuko Tazaki Piano Recital “Love and Conflict of Three Great Composers-first part-

曲へと結実するまでの作曲家の人生の化身ともいえる演奏。全方位的に己を賭さずして到達できない、うち震えるような濃艶さと鋭さがある。聴き手が皮膚感覚で打ちのめされるのはそのためだ/ Her performance can be described as the embodiment of the composer’s life until the fruition of this musical work; it has a trembling-like sensuality and sharpness, which cannot be attained without the artist risking herself in every direction. That is why the listener is overwhelmed by the auditory sensations playing on their skin.

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Concerts/Live ShowsNo. 240

#1004 『喜多直毅クアルテット:呪詛〜沈黙と咆哮の音楽ドラマ/Naoki Kita Quartette: Curse—A Music Drama of Silence and Roaring』

うたかたの酔い、澄みゆく空気の推移から氷塊のクラッシュまで、組んず解れつ切り替わるシーンの連結。個々の演奏家のエッジィな部分が共振しては勃興する音の気配、香気。彼らの音楽は全員の総和でなく相乗で成り立っている。/From the intoxication of effervescent bubbles, the quiet shift of crisp air, to the crash of a heavy block of ice, we experience the dramatic interconnection of changing scenes locked in a fierce and powerful struggle. Each musician’s edgy parts resonate and rise to power, hinting at the signs and fragrances within the sound. Their music is a synergy, rather than the simple sum total of all members.

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Concerts/Live ShowsNo. 231

#960 喜多直毅クアルテット〜”Winter In A Vision 2”リリース記念コンサート』
Naoki Kita Quartette: celebrating concert of the release “Winter In A Vision 2”

高い演奏力を要するスコアがもたらすストイシズム、それに練達し破ることでのみ拓けてくる突き抜けた自由、静謐なパノラマ。脱領域的な音楽だが、ふとした瞬間にふわりと舞うペーソスは、まさに日本人のDNAが呼応せずにはおれない原風景。超現実的でありながら強烈に懐かしい。/ Scores requiring high-level performance resulting in stoicism; only mastery and breaking through them can lead to absolute freedom; and a tranquil panorama. This is extra-territorial music, but the pathos gently fluttering in unexpected moments is certainly an archetypal image that the DNA of the Japanese cannot help but respond to. It may be hyper-realistic, but it is at the same time intensely nostalgic.

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説No. 228R.I.P. ミシャ・メンゲルベルク

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #17 『Hypochristmutreefuzz』

エリック・ドルフィーの<Last Date>でしかミシャ・メンゲルベルクの名を知らなかった筆者、訃報をきっかけにミシャのフリー・インプロバイザーとしての実力やICPなどでの活躍を知るが、フリー・インプロバイザーとジャズとを両立できる数少ないアーティストとして感銘を受け、ジャズ・プレーヤーとしてのミシャを解析して見た。

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CD/DVD DisksNo. 226

# 1371『Donauwellenreiter / Euphoria』

ひとえに言語や文化的な縛りを超えたところを、音符やリズムの型のその先にあるものを志向する、フィーリングへの徹底した求心性。プレイにおける即興的な醍醐味は少なくなるが、静謐さや削ぎ落とした美には共感する人は多いだろう。サウンドがシェイプされる毎に、モノをいうのはメロディそのものの強度である。

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