#118 『ロジャー・ターナー&マリ・カマダ / Junk Percussion – Notes for the Future』
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英国の極めてユニークな打楽器奏者ロジャー・ターナーがパートナーのマリ・カマダとともに書き上げた本であり、ターナーが演奏に使う道具がひとつひとつ紹介されている。だからといって本書が「謎解きロジャー・ターナー」になるわけではない。なぜならば、ターナーは「パーカッショニスト」だからだ。
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英国の極めてユニークな打楽器奏者ロジャー・ターナーがパートナーのマリ・カマダとともに書き上げた本であり、ターナーが演奏に使う道具がひとつひとつ紹介されている。だからといって本書が「謎解きロジャー・ターナー」になるわけではない。なぜならば、ターナーは「パーカッショニスト」だからだ。
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ギタリスト・秋山徹次は独特極まりないスタイルを持っているようでいて、その一方でスタイルなるものとは対極にいるようにも思える。かれの演奏を予めイメージすることは困難であり、まさにそのことが秋山徹次という個性を特徴づけているようだ。
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はじめての手合わせに近い面々、そしてこの人数での集団即興は噛み合わない結果となるか空中分解するかという不安がなくもなかったが、実のところ、それが杞憂に終わるだろうことははじめからわかっている。
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何年もの間、東京のシーンにおいてギタリスト・細井徳太郎の名前をみない日はほとんどない。かれの活動は多岐にわたっており、バンドも、デュオも、ソロでの弾き語りもある。そしてかれをジャズギタリストと呼ぶことは難しいかもしれない。それは活動領域ではなく指向性のゆえである。
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驚かされるのは、録音媒体を繰り返し聴くと、その都度異なる印象が「やってくる」ことだ。長沢哲の研ぎ澄まされた打音、齋藤徹の広く豊穣な弦の震え。音の力ということだろう。
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すぐれたフリー・インプロヴィゼーションの演奏は、演奏技術だけでなく、他者の感知能力、それを他者に伝達する能力、自身のふるまいに反映する能力を伴っている。
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「りら」はコントラバス奏者の故・齋藤徹によるワークショップなど齋藤との縁から実施されてきた表現の場であり、異なる領域のメンバーが模索を続けてきた。この日ゲストを加え、齋藤へのオマージュとして3回目のステージが実現した。
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フリー・インプロヴィゼーションとひとことで括ることは土台無理な話であり、なにがその場で行われているかについては演者自身にしか解らないことも、演者の自覚を超えて開かれた結果こそがものがたることもあるだろう。前者が後者の条件であるとは限らないが、少なくとも三者には明らかにそれがあった。
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ドラマー・パーカッショニストの外山明は形式にまったくとらわれないプレイを行い、ポップスやジャズだけでなくフリー・インプロヴィゼーションのライヴも行っている。だが、外山自身の演奏に対する考えに照らすならば、この説明は本質的なものではない。仮に外部からフリー・インプロヴィゼーションを演っているように見えたとしても、外山にはそのつもりがないからだ。
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まずはタイショーン・ソーリーのサウンドの驚くべき大きさに魅了される。そして剛に柔に演奏を駆動するウィリアム・パーカー、かれらと対等に渡り合うスティーヴン・ガウチの個性と戦略。
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ジャズを出発点としながら一触即発のフリー・インプロヴィゼーションや遊び心満載の演奏まで実に幅広いサウンドを展開するピアニスト・高橋佑成。ジャンルがなんであれ、自身の根底は変わることがないと話す。
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ジェイミー・ブランチの『Fly or Die』連作を聴いていれば耳に残るいくつものメロディが、ノエル・アクショテの歪んだ時空間の中で立ち現れ、そうだ、この生命力の奔流がジェイミーの音楽だったのだと、あらためて気付かされる。もう彼女の新しい音を聴くことはできないが、再発見を続けることはできる。
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ピーター・エヴァンスは、フルートとピアノとの組み合わせがおもしろいと思ったんだと平然と言ってのける。この途方もないポテンシャルは次にどのような形をとってあらわれるのか、想像などできようはずがない。
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日本どころか宇宙を代表するサックス奏者・林栄一。「以前は、曲を演るときとインプロやフリーを演るときとで、スイッチを切り替える感じだった。今は一緒にしようと思っている」と林は言う。
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フィンランドのレーベル・We Jazz Recordsのリリースしたアルバム10枚を音源として自由に使ってよいというルールに基づいた作品であり、レーベル内の宝さがしの試みだと言うことができる。その意味でカール・ストーンにとっても新たな刺激発見の過程だったのではないか。掘り出された個々の要素がストーンの音楽の中で新たに手足を伸ばしてゆく可能性だってないとは言えないのだ。
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サックス・クラリネットのリューダス・モツクーナス(リトアニア)、ピアノのアルナス・ミカルケナス(リトアニア)、ドラムスのホーコン・ベレ(ノルウェーからデンマークへ移住)の3人から成るMMBトリオ、日本ツアー。初日は神田綾子・ルイス稲毛と、2日目は林栄一をゲストに迎えた。
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音楽だけでなく映画や書物も作ること、旅を愛することが、ブライアン・アレンという不思議なトロンボニストの思想を形成しているように思えてならない。このアルバムも、旅の途中のスイスでゲオルグ・ホフマンと会い、持ち歩いていたプラスチックの軽いトロンボーンで初めて手合わせし、なにかのプロセスの音として作ったものだ。
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協和と不協和の間の緊張に身を晒し続けるカール・ベルガーの音。この巨匠の音に、ひとまわり下のビリー・ミンツが繊細さを与え、若いマックス・ジョンソンは柔らかくも太くもあるコントラバスでふたりのヴェテランの紐帯となっている。
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インプロヴァイザーの演じる領域を用意したコンポジションであり、あるいは逆にコンポジションにインプロヴァイザーが自身の表現のために介入したものでもある。結果としての折衷ではなく、両者せめぎ合いの過程が音の緊張感となって刻み込まれている。
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時間の流れに沿った相互作用だけでなく時間軸を伸縮させる縦波を前提としたふるまい、三者ではなく自分自身の影をメンバーに呼び込んだ共演。それによる予期せぬ現象は三者の力量によって平衡を獲得するが、さらにそこから次の相と新たな現象・平衡へと移行する。驚くべきダイナミクスだ。
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このトリオはテザード・ムーンよりも意志の力で抑制されており、それでいてテザード・ムーンに匹敵する音の強靭さを保っている。
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マルチリード奏者・松風鉱一(1948年、静岡市生まれ)。現在は自身のカルテット、渋谷毅オーケストラ、エッセンシャル・エリントン、サックス・ワークショップ、今村祐司グループなどで活動している。あまりにも独創的なサウンドの魅力は昔もいまもまったく色あせていない。
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中国語圏で中国語によるジャズを歌う試みはさほど多くはなかった。本盤はその新世界に向けた一里塚となるにちがいない。
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ゾウ・アンバ(Zoh Amba)は2000年4月27日、アメリカ・テネシー州の生まれ。昨年(2021年)の9月にニューヨークに越してきて活動を開始し、大きな話題になっている。
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ロンドンのサックス奏者マッシモ・マギー、ドイツ・カッセルの三味線奏者ヨシュア・ヴァイツェル、日本のエレクトロニクス奏者の池田謙は、打楽器奏者エディ・プレヴォ主宰のワークショップで知り合った仲である。プレヴォも、また最近帰国した池田も、長い間ロンドンが活動の拠点だった。したがって、このときヴァイツェルのみが海を渡り、ロンドンのCafe Otoに集まったことになる。
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歴史的な記憶と想像力によって豊かな世界を提示する「ユーラシアン・オペラ」。コロナ時代にまた素晴らしい作品を作り上げた。
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パーカッションの山㟁直人、笙の石川高、尺八のアンドレ・ヴァン・レンズバーグによるトリオ。40分強のサウンドのどの時点もプロセスとして大事なものであり、ときにぞくりとさせられる瞬間がある。
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ニューヨークでもパンデミックの隙を見つけて演奏活動が続けられている。サックスの石当あゆみ、ピアノのエリック・プラクス、ベースのザック・スワンソン、ドラムスのジョン・パニカー、それにマルチ・インストルメンタリストのダニエル・カーターが加わった。自然体にして遠慮することのないおもしろさがゆっくりと伝わってくる演奏だからこそ、この続きもまた聴きたくなるというものだ。
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ブライアン・アレンが雑誌、アート、音楽、映像を組み合わせた手作りの作品を出した。かれのことを旅する音楽家と呼ぶだけでは不十分だ。かれの視線や表現が旅そのものなのだ。
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2019年に鬼籍に入った齋藤徹に捧げられた、大いなる響きの音楽。
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緻密さとダイナミクスにひたすらに圧倒されるヘンリー・スレッギルのズォイド新作。ややサウンドの音繊維がほぐれ、スレッギルのアルトの魅力を堪能できるものとなっている。
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アルフレート・23・ハルトが韓国移住後に崔善培と吹き込んだデュオの希少な演奏が発掘された。ゲッベルス=ハルトの流れを受け継ぐハルト=崔のサウンドである。
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高木が小杉の音に野心的に近づいた。高木のソプラノサックスが管を共鳴させる息を感じさせる形勢もあるのだが、それ以上に、ヴァイオリンの擦音に憑依し、あるいはエレクトロニクスと化し、高木の並々ならぬ力量をもって小杉の音領域で重なってみせていることは驚きである。
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リズムやテンポの変化が複雑で目まぐるしく、絶えず体制変更をみごとに行うことを前提とした先鋭的な音空間であり、前作と比べ、先鋭からやや内省へとヴェクトルを転じた。背景には後述するようにコロナ禍があった。
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師のヘンリー・グライムスがときに恐竜の足踏みのような轟音をもつ剛の者だとすれば、マーク・ルワンドウスキは柔の者である。きめ細かな和音をもつアディソン・フライのピアノ、目が覚める繊細さと速度をもつクッシュ・アバディのドラムスとともに提示されるサウンドはシンプルでありながら複雑な変化やグラデーションがあり、少なからず陶然とさせられてしまう。
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台湾のギタリスト・陳穎達(チェン・インダー)、カルテットからトリオへ。サウンドは複層的なものに変貌した。
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強靭にして互いに異なる4人が共存した、貴重なドキュメントである。金剛督+竹内直『アワー・トライバル・ミュージック』と高木元輝トリオ『LIVE at Airegin』とをつなぐリンクでもある。
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間合いと響きの可能性をこっそりと拡げる悪巧みのようなサウンド。
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サックスの石当あゆみ、ギターのフェデリコ・バルドゥッチ、エレクトロニクスのトレイ・クリーガンのトリオにより、気が遠くなるほど大きな宇宙空間に漂い、その音風景が次第に変わっていくようなおもしろさを実現している。
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生きる伝説的ドラマー・豊住芳三郎へのインタビュー第2弾。おもに1970年代までの音楽活動を中心とした初回に続き、欧米やアジアのインプロヴァイザーたちとの共演などに焦点を当てた。
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北海道を拠点に活動する11人編成のビッグバンド「Total Knock Out Orchestra」のファーストアルバム。T.K.O.、すなわち立花泰彦、小山彰太、奥野義典というヴェテランの個性のみならず、中島弘惠、吉田野乃子ら精鋭たちの驚くほどの勢いを体感することができる。
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この数年間で登場してきたギタリストの中でも耳目を集めるひとり、ジェシカ・アッカリーによるひさしぶりのソロ作品。それは内省と試行のプロセスを経て、これまでよりも自然な雰囲気をもつものとなった。
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1986年から2000年まで活動したグループ・フェダインの貴重な再発2枚。『ファースト』には活動初期の「とにかく演る」という臭気と力が漲っている。『ジョイント』は南正人らとのマッチングによる情マシマシの奇怪な雰囲気が聴きものだ。
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達人ふたりの共演は聴き手にとって饗宴であり、どの料理に注目しようとも、並行世界でまた別の料理が供されている。しかも、いたずらに贅沢でもストイックでもない手仕事のプロセスとして。
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クリス・ヴィーゼンダンガーのピアノ演奏は指先にも思索のフィルターがはりめぐらされており、凡庸からかけ離れていながら乱暴さのまったくない音に驚かされる。ヴァルネラブルであっても隠そうとせず、それによる豊かなグラデーション、共演者や周辺世界との相互浸透を、大きな個の力として確立しているかみむら泰一のサックスとの例外的なデュオ。
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リトアニアのサックス奏者リューダス・モツクーナスが2018年末に来日し、Bitches Brew(横浜市)において4日間連続のライヴを行ったときの記録である。迎える音楽家たちは「日本の最強インプロヴァイザー軍団」との宣伝文句に恥じない面々だった。
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スウェーデンの教会における大きな響きを友としたピアノソロ演奏。即興演奏だからといって構えることはない。結果としての物語性があり、各章での語りがとても素敵な音楽だ。
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HTK Trioは福岡を中心に活動を行う武井庸郎、波多江崇行、コーチK(河内和彦)によるトリオである。本盤は、コロナ禍を奇貨として、閉塞感からエネルギーを生みだそうとした録音であるという。たしかにそのエネルギーは演奏中に漲っている。
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豊住もグスタフソンも、そのプレイは独自の身体の方法論に基づくものであり、アスリート的なものでも、音楽の職人的なものでもない。本盤を聴くと、ふたりが互いの音に呼応しあうプロセスを追体験することができる。
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淡々と演奏していながらも底知れないユーモアと機微を含み持つ音楽である。3人とも自然体そのものだ。余計な力など何も感じられなかった。
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三者とも、そのサウンドを「このような」と一言で説明することができない。それがかれらの音楽性の深さと広さを物語っている。
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「息のかさなり」の繊細さが、大胆に、遊び心とともに伝わってくる。器楽的なアンサンブル感覚よりも、ここちよい社交空間で信頼する友人とやさしく話しているナチュラルな感覚。
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旅と開かれた共演とを前提とした即興演奏グループ。底知れない遊びの感覚もばら撒かれており、とても魅力的だ。
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ヴォイスの神田綾子と箏のマクイーン時田深山。ふたりともシンプルなものをコアに置いて表現を拡張しており、デュオの即興演奏がその模索にふさわしい形のひとつだということを示すライヴとなった。
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またピーター・エヴァンスが異色作を発表した。変わった編成のカルテットであり、特にトランペットとヴァイオリンとの共存のヴァリエーションは刮目にあたいする。
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佐々木久枝の墨と花、岡川怜央のエレクトロニクス、矢部優子のピアノが、喫茶茶会記という独特の場において、いちど限りのみごとな世界を創出した。
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時間の魔術師ラス・ロッシングが、良寛と道元の歌をもとに新しい音世界を作り上げた。異色作にして注目作。
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三者が「らしさ」からいったん離れて一音ごとの響きと他との重なりを試してみるプロセス。それは即興演奏の共有空間を手探りし、演奏前には予想できなかった音世界へと発展させるふるまいでもある。
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フルートという不思議な楽器を通じて、カエターノ・ヴェローゾ、エルメート・パスコアール、ジョアン・ドナート、そしてオリジナルと、ブラジル音楽への愛情が息遣いとともに愉しく伝わってくる。
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英国ロンドンのマッシモ・マギー(リード)、ドイツ・カッセルのヨシュア・ヴァイツェル(三味線、ギター)、豪州ブリズベンのティム・グリーン(ドラムス)が組んだライヴ録音。1990年前後に生まれた世代による即興シーンの厚みを示すサウンドだ。
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ピアノの藤井郷子とヴァイブの齊藤易子との異色のデュオ。本盤を聴くことは、音や意識の境界領域に身を置く追体験をするということである。
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コーリー・スマイスがまた刮目すべき作品を発表した。緻密かつ自由な5人のヴォイス・アンサンブルと即興を展開するとともに、自身は鍵盤とエレクトロニクスで演奏に参加している。大きな広がりも有機的な重層性もあり、全体として意思を持つようなサウンドである。
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アルトサックスの柳川芳命が、かれと同様に東海地方を中心とした音楽活動を展開している5人のギタリストとのデュオ演奏を行った記録。それぞれの個性とともに、柳川のアルトがギターの違いを受けて呼応するありようにも注目すべきだ。
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既存のカテゴリーに当てはまらない<パーカッショニスト>の高音質ソロアルバム。聴いていると、音への意識のヴェクトルがいつの間にか逆になって、音のほうが自分を視ているような錯覚を抱く。
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ガトー・リブレはひとつひとつの楽器の音が尊重され際立つユニークなグループである。シンプルにして豊饒、淡々としながらも変貌を続ける音世界。
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ハーブ・ロバートソン、デイヴ・バルーというふたりの対照的なトランぺッターは、トム・レイニーの叩き落とすがごときドラミングによるリズム、ドリュー・グレスのベースが創るプラトーの上で遊泳する。
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このアルバムは、コンポジションの中に個性的なプレイヤーの出番を与えるという一方向のものだけではない。各プレイヤーの音色を前提とした曲作りを行い、多くの異なる声からなるざわめきに形を与えているという点で、きわめて独創的であるように思える。
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関東のジャズシーン最注目の3人、永武幹子(ピアノ)、マーティ・ホロベック(ベース)、松丸契(アルトサックス)の邂逅。
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「存在と生成」というタイトルの通り、多くの者に共有されるジャズ的な音要素を使ったサウンドから、よりシンプルで強靭な音要素をいちから使ったサウンドへの変貌。ジョエル・ロスら若い才能の突出にも注目すべき作品である。
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音色の連続的な変化をひたすらに追求するトランぺッターのジョー・モフェットがチューバのダン・ペック、パーカッションのカルロ・コスタとともに組んだトリオ。そのサウンドは楽器を演奏する個人の音の足し算にとどまらない。聴く者の内奥空間と現世とをつなぐ橋が現れ、音の断片がそのつど聴く者に個人的なものを幻視させる。
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箏、能楽の小鼓、ヴァイオリンと、それぞれ異なる音楽的背景をもった三者が即興演奏のギグを行った。しかしそれは奇抜なものではなく、これまでの積み重ねと縁による必然でもあった。
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追悼・齋藤徹さん。亡くなる直前に、詩人やダンサーとのコラボレーションを模索していた。世界に生きる誰もが<この身体で/身体だけで>旅を続けなければならない。それが世界に向けられた齋藤徹さんの最後のメッセージではなかったかと思っている。
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マタナ・ロバーツによる「Coin Coin」シリーズの第4作。これまでよりもさらに語りの力を強めた印象深い作品である。記憶は語りなおされ、言葉と音楽とがその都度新たな意味を持って浮上する。
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デイヴィッド・マレイが、パワープレイとそれゆえの繊細な音色を身上とするノルウェーの実力者ふたりに突き上げられ、本来のあらあらしさを取り戻している。
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本公演のコンセプトは、今年他界した齋藤徹(コントラバス)が皆藤千香子に提示したものだ。それは、日本とドイツのアーティスト、ダウン症ダンサーの矢萩竜太郎とともに、「今、ここ、私」を考えながら即興をする、というものであった。
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台湾のギタリスト・陳穎達によるカルテット作品第三弾、コンセプトはロード・ミュージック。このような良作が架け橋となって、日本と台湾の実力あるミュージシャンの交流がさらに進むことを望む。
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「Sound of the Mountain」のサウンドをはじめて聴いたときから幻視していたのはマックス・エルンストのフロッタージュだが、それは故なきことではない。上下と前後左右の運動、それによる摩擦と突破、予想できない事件。極めて独自性の高いサウンドである。
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ノイズ/アヴァン系のひときわユニークなミュージシャンたちと共演してきたトム・ブランカートとルイーズ・ダム・エッカート・ジェンセンが旅人のように来日した。いくつもの縁があって、この日、箏の今西紅雪、三味線の田中悠美子との共演が実現した。
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安らかな心地で聴くことができることは、その刻その刻の音空間を得て柔軟に次の音を繰り出してゆくジャズのスリリングさとは相反しない。一音一音に集中して聴き、音の流れ自体に憑依するならば、高田と安ヵ川のその場限りでの振る舞いを追体験できるだろう。
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国内外のインプロシーンにおけるヴォイス・パフォーマーは少なくはない。だが、これほどまでに多彩なヴォイスを提示できる者はそうはいないに違いない。それは自身の体躯との対話を突き詰めて得られた世界である。
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新世代ギタリストのジェシカ・アッカリーが満を持して出した新作は、これまでより躊躇なく独自のリズムを作り出しており、奇妙に構造的なものにもなった。サックスのサラ・マニングの変貌も含めて要注目。
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日本フリージャズの勃興時から活躍したドラマー/パーカッショニスト、豊住芳三郎(通称サブ)。その活動領域は日本にとどまらない。若き日から世界を旅し、シカゴではAACMと行動を共にし、またヨーロッパ即興シーンの猛者たちと国内外で共演を積み重ねてきている。2019年7月20日、埼玉県の山猫軒において照内央晴(ピアノ)、庄子勝治(アルトサックス)との演奏を行う前に、豊住にインタビューを行った。
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激して震える声、耐えしのんで絞り出す声、むせび泣き、嗚咽、絶望の吐露、裏返しの喜悦。ベタとも思える歌謡と民謡の通俗的音世界が、カバーを超えてこのようにまで昇華され、一周して再び情念の世界に戻ってきている。とても面白いことではないか。
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ヴォイスの山崎阿弥、笙の石川高、サックスのフローリアン・ヴァルター。はじめての手合わせは、三者おのおのの力量とポテンシャルにより、インプロヴィゼーションというコミュニケーションが様々なかたちとなって表出するものとなった。それは大きな驚きをともなっていた。
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東京都町田市の和光大学で第9回の「特殊音樂祭」が行われた。すぐには評価が定まらない独自性を掘り下げる共同作業を、大学特有の場の力と化してゆくあり方は刮目にあたいする。
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シカゴ生まれで現在はニューヨークを拠点に活動する作曲家・サウンドアーティスト・アルトサックス奏者のマタナ・ロバーツ Matana Robertsは、『Coin Coin』と題した音楽作品のシリーズに取り組んでおり、これまでに、チャプター1『Gens De Couleur Libres』(2011年)、チャプター2『Mississippi Moonchile』(2013年)、チャプター3『River Run Thee』(2015年)が発表されてきた。このたび、最新作のチャプター4『Memphis』のリリース(2019年10月)を控えた彼女にインタビューを行った。
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