#1292 『ジャック・ディジョネット/イン・ムーヴメント』
こういう紹介文を書くと、年寄りが能書きを垂れるから若者がジャズから離れていく、としたり顔で若者寄りの意見を吐く御仁がいるが、ジャズはもともと社会と密接な関係を持ちつつ発展してきた音楽だ。ロックやフォークだってそうだった。バーミンガムの教会爆破事件やコルトレーンを知らずにこのアルバムを聴くとその意義は半減するだろうし、ミュージシャンが意図するメッセージも充分に受け取ることができないだろう。
続きを読むJazz and Far Beyond
こういう紹介文を書くと、年寄りが能書きを垂れるから若者がジャズから離れていく、としたり顔で若者寄りの意見を吐く御仁がいるが、ジャズはもともと社会と密接な関係を持ちつつ発展してきた音楽だ。ロックやフォークだってそうだった。バーミンガムの教会爆破事件やコルトレーンを知らずにこのアルバムを聴くとその意義は半減するだろうし、ミュージシャンが意図するメッセージも充分に受け取ることができないだろう。
続きを読む帰り際、さすがに申し訳ないと思ったのか僕に靴とフランネルのパンツをくれた。新品ではなく菊地さんのお古。当時、菊地さんは最新流行のReebokのスニーカーを愛用していた。靴は茄子紺といったら良いのか本革のセミブーツ。お洒落好きの菊地さんらしい逸品である。
続きを読むウィリアム・パーカー、ケン・フィリアノらとともに、現在のニューヨークのダウンタウン・ジャズ・シーンを代表するベーシストのひとり。
続きを読む日本のトップ・ジャズ・ベーシストのひとり、鈴木良雄が語り下ろしたジャズ名盤55選
続きを読む仕事柄、海外のミュージシャンとの付き合いは多い方だが、なかでもポール・ブレイとの付き合いは僕のキャリアと心に大きな痕跡を残している。
続きを読む僕ら(原田和男、故丸茂正樹、稲岡邦弥)が旧トリオレコード(後にケンウッド・レコード)をホームグラウンドに、70年代初期から約10年間にわ たって自主制作、あるいは海外から取得したアルバムのなかから15作を「Rebel Jazz=反逆のジャズ」のコンセプトの下に選び出し、シリーズとして11月5日にCD発売されることになった。
続きを読むヴァイオリニストの和波孝禧(わなみ・たかよし、1945~)さんが楽団デビュー50周年を迎え、去る6月9日紀尾井ホールで「我が心のブラームス」と題した記念コンサートを催された。
続きを読むジャズに深く関わってきた瀬川昌久氏と柴田浩一が史実や文物(とくにレコード類)を丁寧に繙(ひもと)いて、戦前から戦後の日本のジャズの歴史を改めて見極めようとする
続きを読むマイルスの愛奏曲のアレンジにあたっては、「新しいことに挑戦せよ」とのマイルスの教えを守り、ブラジルのネイティヴなリズムに乗ってジャズのインプロヴィゼーションを展開する手法をさらに進化させた。
続きを読むいわき市は東日本大震災の被害の中心ではなかっただろうが、原発事故では少なからず影響を受けたはずである。不破の胸には沈む市民の心を鼓舞したい気持ちが少なからずあったに違いない。その心情と行動がいわき市民を動かし大きなうねりとなりつつある。
続きを読む今年で14年目を迎える「東京JAZZ」。調布の味の素スタジアムでスタートしたこの大型ジャズ・フェスはビッグ・サイトを経て国際フォーラムに落ち着いた。
続きを読む2013年と2014にグラミー賞を受賞したアルバムを通じて獲得したヒップホップ/R&B系のファンに「ジャズ・トリオを紹介するために」、それもジャズの曲ではなく、「彼らがよく知っている曲を通じてジャズを好きになってもらう」ことを意図して制作されたのだ。
続きを読む赤い着流しにモヒカン刈り、70年代フリージャズの残影色濃いサックスとトランペットの庄田次郎。対するはヴォイス・パフォーマンスの一匹狼 蜂谷真紀、加えてノイズマシンのTommyTommyとヴォーカルの赤い日ル女からなるユニット「あうん」。
続きを読む織茂の演奏はどれも静かで鎌倉の古刹の竹林を渡る風の如し。大地と自然と共存する織茂ならではの境地である
続きを読むKyの演奏はあえてカテゴライズするならワールドミュージック的といえようが、「生きるという営み」というシリアスなテーマにヒューマンな温もりを与え、「それでも生きる」という悦びを引き寄せることに成功していたと思う
続きを読む日米の有力ジャズ人名辞典はいずれもあなたのトリオがエリック・ドルフィーと公開の場で共演した最後のバンドであった事実に触れていません。
続きを読むジャズの世界では、黒人を中心とするイースト・コースト・ジャズを得意とするルディ・ヴァン・ゲルダーと白人を中心とするウエスト・コースト・ジャズのロイ・デュナンが東西を二分する名エンジニアとしてながらく名を馳せていたが、じつは日本にはある意味では彼らを凌ぐ録音制作家菅野沖彦が存在していたのである。
続きを読むところで、当夜の参会者のほとんどは知らない彼女の第4の顔がある。彼女はECMファンにはおなじみのピアニスト、マイク・ノックのパートナーなのだ。
続きを読む消え行く小学唱歌をビッグバンドで。幸い楽譜もダウンロードできるようなので、大流行の社会人ビッグバンドが積極的にレパートリーに取り上げてくれると嬉しいのだが。
続きを読むニコラス・ローグの映画『ジェラシー』から<ケルン・コンサート>をシングル・カット。
続きを読む高柳がギターを弾(はじ)き、叩き、引っ張り、締め上げ、擦(こす)る。ギターが断末魔の悲鳴を上げる。さて、この音世界こそわれわれのリアルな生き様の反映ではないのか。蔓延する不条理に苦しみのたうち回る..。
続きを読むとくに、パーカーはモダン・ジャズの源流であるビ・バップの創始者的存在であるだけに、音楽的な解析は避け得ず、菊地成孔、大谷能生、矢野沙織、濱瀬元彦らミュージシャンの対談やインタヴューを通した発言に傾聴すべき内容が多い。
続きを読む老若男女、クラシック・ファンもジャズ・ファンも等しく楽しめるジャズのエッセンスがたっぷり詰まった痛快なアルバムである。素材は小中学校の音楽鑑賞の時間に必ず聴かされる<ボレロ>と<展覧会の絵>。
続きを読むヴォカリーズ、しかもインプロヴィゼーションは苦手、という喰わず嫌いも、タイトル・チューンのブルースを聴けば彼らのすばらしさに魅了されるはずである。
続きを読む“あの時代の [黒ジャズ] にもっとも相応しい言葉――自主、独立、自立、独自をキーワードに、地域性/民族性/音楽性を限定した結果 ”生まれたのが“ インディペンデント・ブラック・ジャズ・オブ・アメリカ”というわけだ。
続きを読む半世紀にわたってバックステージで日本のジャズを支えてきた功労者、「ジャズ批評」発行人松坂妃呂子の目を通した日本のジャズとジャズシーン。
続きを読むこのアルバムこそCDを買わないと関根の全貌や仕掛けを楽しめないわけで、あるいは、iTunesなどを通した曲買い風潮に対するアンチテーゼという深謀遠慮なのかもしれない
続きを読む4日間で3つの異なるシチュエーションで彼らの演奏を聴いたが、どの環境でも共通していたのは、どっしりと地に足を付け、身に着けた高度なテクニックを表現の手段として駆使し、非常に密度が濃く広大な音楽世界を展開してくれたこと。
続きを読む「セ~シル・テイラー・ユ~ニット!!」。レコードに針を下ろすといきなりMCの絶叫する声が耳に飛び込んでくる。悠 雅彦氏の壮年の声である。そして、その声にかぶるようにしてピアノが、アルトサックスが、そして、ドラムスが雪崩を打って出てくる。
続きを読む高田馬場のBigBoxでアルト、ピアノ、ハーモニカを録音した。この時の写真が何枚か収録されている。初めて父親になる期待と不安がないまぜになったような表情が見てとれないだろうか。
続きを読むカンザス・シティ・ネイティヴ、しかも、膨大な資料を収集、管理、分析するアーカイヴィストの手になるチャック・ヘディックスの著書。この新著で明かされた新事実、既刊書の誤謬の訂正もある
続きを読むこのアルバムにはミシャとサブの他にもう一匹(!)共演者が登場する。コオロギである。コオロギはミシャのピアノに限って共演を買って出る。なに、サブのドラムが入ってくるとコオロギの声がマスキングされて聞こえないだけなのだが。
続きを読む「ジャズの過去を振り返る歴史書はあっても現在のジャズ・シーン、とくにフリージャズ・シーンを切り取ったガイドブックがなかったんです」
続きを読む素晴らしい楽器と素晴らしい環境(ホール)を与えられたミュージシャンはそれらの相乗効果によって期待以上の結果を生む、即興を旨とするジャズならではの醍醐味である。
続きを読む彼(菊地雅章)は崇高ともいえるほど美しいテクスチュアを紡ぎながら、それを一瞬の内にぶち壊すことも厭わない。
続きを読む今では、音楽が私の存在を証明するものではないが、他の方法では表現し得ないことを表現するための素晴らしい手段であることに違いないと思っている。
続きを読む宮澤賢治の没後80年を契機に発表された作品だが、富田の中では何十年にもわたって育まれてきた思いの集大成である。300人に及ぶオーケストラとコーラスを駆使した壮大なドラマの展開を予想されがちだが、初音ミクというヴァーチャル・シンガーを起用したことにより一挙に浮力が付いた。
続きを読む菊地 雅章(きくち・まさぶみ、1939年
続きを読む普段ジャズ若しくは音楽を聴かない方から専門家やミュージシャンなどすべての人に楽しんでもらいたい、というのが全体のコンセプトとしてあります。
続きを読むこの第2作でも神野の朗読と小曽根の音楽がひとびとの創造力を強く刺激することだろう。その源泉は共に稲吉紘実のメルヘンである。
続きを読む東京生まれ。桐朋学園大学演奏学科ピアノ科卒業。エコール・ノルマル・ミュージック・ド・パリ卒業。1990年タングルウッド・ミュージック・センター奨学生。3年のパリでの留学後、東京で全曲20世紀のピアノ作品によるデビュー・リサイタルを行った。1997年、京都賞でクセナキスの「ミスツ」を演奏、1998年には現代音楽の分野への優れた業績に授与される「第16回中島健蔵音楽賞」を受賞。
続きを読む2年有余をかけて『ECM catalog』は完成した。ECM本社のマンフレート・アイヒャー、スティーヴ・レイク、ハイノ・フライバーグからそれぞれ祝辞が届いた。ECMのオフィシャル・サイトを通じて海外発売もスタートした。
続きを読む一流のアーティストが誠意を込めて制作したものだけに大人にも充分鑑賞に耐え得る作品に仕上がっている。
続きを読む(モチアンの音楽で惹かれるのは)エモーションとスペースだ。エモーションは彼の楽曲に共通した魅力で、しかもうまくバランスが取れている。
続きを読む初めて耳にするアストラッドのハスキーではかなげな歌声とゲッツのサブトーンを伴うソフィスティケートされたサックスにすっかり痺れ、ドーナッツ盤を買ったのであった。
続きを読むたしかに、スケール感もあれば、突破力もある。ピュアネスはいうまでもない。しかもそのどれもが並外れたレヴェルに達している。
続きを読むこの演奏は、NYの老舗ジャズ・クラブ「バードランド」が60周年を迎え、60年前のオープニング・ナイトに出演したリー・コニッツ(もうひとりの現役はロイ・ヘインズ)にカルテットを組ませて1週間の公演を企画したもの。
続きを読むこの愛らしい5羽の鳩を見ながら、あのときの黒田征太郎の奔出する情念を思い出している。
続きを読む「憂歌団」のヴォーカリスト(だった?)木村充揮の新作である。ナット・キング・コールの世界を予測させながらいつのまにか完全に木村充揮の世界に取り込まれていた楽しいひとときだった。
続きを読む直近の4作のうち録音エンジニアはNY制作の3作がジェームス A.ファーバー、残り1作はイタリアのステファーノ・アメリオ。
続きを読む人口三百数十万の小国とはいえ、一国のジャズの全貌を一枚のCDで伝えきれるはずはないが、少なくともリトアニアというバルト三国の一つの現在のジャズ・シーンの精髄を切り取ったものであることは間違いない
続きを読む最近僕はミュージシャンをアメリカ人、ヨーロッパ人、アジア人などと区別しなくなりました。国籍ではなく、個々のミュージシャン同士が演奏し、コミュニケーションを図っていると考えています。
続きを読むマンフレートはあの時点では普通のプロデューサー以上のことはしていない。僕らのやりたい音楽をやりたいように演奏した。
続きを読む場所はどこであれ、どのように生きるかが音楽に反映すると思っています。
続きを読むノルウェーのミュージシャンやグループはこれまでさまざまな形で来日しているが、新旧3世代のリーダー率いるバンドの演奏をひとつのステージで披露するのはこれが初めてであり、ある意味でノルウェー・ジャズの隆盛を象徴するイベントであるといってよい。そして、キーワードは“ECM”である。
続きを読む3本指を使うベーシストを初めて目の当たりにしたのはセシル・マクビーだった。1967年だったかな、チャールズ・ロイドのカルテットで北欧に来たときのことだ。とにかく驚いた。
続きを読む1枚の写真がじつに多くのことを語り、多くのことを暗喩しているが、本書に掲載された多くの写真に共通するその事実は筆者がフォト・ジャーナリストであることに由来する。
続きを読むバーンの最新作は、商品としての形式は旧来のものですが、 もしかしたら新しい何かの萌芽を秘めているのかもしれません。ぼくが期待したいのは、そこなのです。
続きを読む終演後、さっそく来場者のふたりから公演の申し出を受けたが、このギターと詩吟とフラワー・アレンジメントというユニークなコラボレーションが聴衆にアピールできたことを物語っているようだ。
続きを読むところで、氏の音楽観が一挙に大きく拡がったのはひと夏のNYでのアウトドア・コンサートの体験だったという。
続きを読む「3ヶ月ほどの間に、様々な音楽が展開される一夏のNYの音楽シーンを時系列に並ぶ横軸で捉えた」もの。
続きを読む2010年5月12日、僕はふたりの友人、小林洋一さんと芳賀紹八郎さんを同時に失った、
続きを読む7年後の1989年、ジャズ・ベーシストとなった新婚の永田はサックス奏者の早坂紗知を伴って再びその地に立った。人生の伴侶であり、音楽の同志でもある早坂にジャズ・ミュージシャンとしてのスピリットの原点を共有させたかったのだろう。
続きを読むヨーロッパ・ジャズに対する誤解や偏見を正そうとする著者の強い義務感に思わず襟を正したくなるファンも多いのではないだろうか。
続きを読むベテラン三上クニのアレンジとリード、小松誠司のサポートで新進ヴァイブラフォン奏者有明のぶこが120%の快演を果たしたアルバムと聴きましたが如何でしょうか。
続きを読む未発表音源を交えて新旧12曲ずつからなる2枚のコンピ案を送信した。「Good!」の朗報。ただし、最終的には音楽を聴いて確認したいのでCD-Rを焼いてFedExで送付せよとのお達し。
続きを読む清水さんが剽窃をしたということは「あとがき」で記されている以上、動かし難い事実である。理由が何であれ文筆家として決して許されるべきことではない。その責は自ら負うべきだ。
続きを読むこの1979年の来日公演に立ち会った世代を「レゲエ・ファン第一世代」と呼ぶらしいが、僕も栄えある「第一世代」というわけだ。時代としては、「レゲエ」という音楽スタイルがボブ・マーレーを中心に確立されてまだ10年足らずの歴史しか経ていなかった。
続きを読むSJ: 思うに実入りはかなり良かったのでは?
DB: そうだね。帰国してから自分の車を買ったからね。そう、たしかに実入りは良かった。だけど、あの国が本来負担すべき内容からいうとそれほどでもなかったと思う。
「音楽は演奏するもので、語るものではない」というのがセシルの口癖でした。
続きを読む7ヶ国40数名のミュージシャンから提供された音源を基に2枚組のチャリティCDが制作され、神戸では被災高校生のための「World Music Festival」が開催された。
続きを読む僕もいろいろなプロジェクトを手掛けてきたけど、本命はGG-CJBなんだ。世界中から優れたプレーヤーを集めてオリジナルを演奏してもらう。これ以上のぜいたくがあるかい?
続きを読む俺もそうだけど、ゲイリー(ピーコック)もポール(モウシャン)もチャレンジが好きだからね。新しいテーマを決めてそれの達成のためにチャレンジしていく。
続きを読む中上の青春はジャズと共にあった。しかもアイラーの<フリー・ジャズ>と共に。
続きを読むスタジオ内におけるミュージシャンとの攻防などCDの裏に隠された制作現場の緊張など、リスナーにとっても鑑賞の新たな楽しみになるだろう。
続きを読むベルリンの壁崩壊から半年後、壁際のスタジオでCD『シンフォニックBUCK-TICK・イン・ベルリン』をオノ・セイゲンの録音で制作した。
続きを読むプロとしてデビュー15年目になる彼が人生とジャズについて語り尽くしたこの著書からも彼の誠実さが溢れ出ている。
続きを読むこれは、1988年8月、癌を宣告された著者が再発を経て余命を意識した頃、勧められて音楽鑑賞教育委員会に入会、機関誌『音楽鑑賞教育』に92年3月から足掛け6年にわたって連載した「ジャズの歴史」である。
続きを読む「ハーレム・ルネッサンスの中心人物、詩人ラングストン・ヒューズの自伝(3部作)の第1巻。
続きを読む本物のブルース、その真の意味を極めたい向きは「ハーレムの詩人」による本書にあたるべし。
続きを読む『インスピレーション&パワー14』収録にあたって主催者側と合意したのは、全14日間を完全に録音すること。その中から8アーティスト/グループをピックアップ、2枚組のアルバムとして発売することであった。
続きを読む80年代のジャズがどう展開してきたか?
続きを読む「文は人なり」というが「音も人なり」で、そこが音楽の制作や鑑賞の楽しみのポイントでもある。
続きを読む私の音楽ビジネスのキャリアはこのようにクラシックとの関わりからスタートしている。
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