JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

投稿者: 細川周平

Concerts/Live ShowsNo. 308

#1278 エルメート・パスコアルと彼のグルッポ

白いもじゃもじゃ髭のエルメートが、助手に助けられて舞台に登場した。楽譜を描いた革の帽子をかぶっている。魔法使いの別名で知られるのはもちろんこの外見からだが、魔法はそれよりも演奏ぶりにあった。

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Concerts/Live ShowsNo. 304

#1270「吉村弘 風景の音 音の風景」

静けさの本』のなかで書いている。「音は出合いであり、すぐに消えてしまう。記憶のなかにしか残らない」。記憶があやふやになって音は消えていくが、心配するな。後知恵だが、こんな安堵に浸れるのは彼の特別な存在(不在)ならではのことだ。

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GUEST COLUMNNo. 301

アーマッド・ジャマル追悼 
R.I.P. Ahmad Jamal (July 2, 1930 ~ April 16, 2023)

未発表録音がこれから続々公開されるだろうが、彼自身の「次のアルバム」が出ることはない。白い鳩とセッションしているのを瞼に浮かべながら、もう一度このアルバムを聴き直したい。

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特集『ECM: 私の1枚』

細川周平『Egberto Gismonti / Dança dos Escravos』
『エグベルト・ジスモンチ/ダンサ・ドス・エスクラーヴォス(奴隷のダンス)』

ジスモンチの音楽はクラシック的洗練の極致を行くが、見てきたばかりのラテンアメリカの華やかな色合いの民衆芸術に連想は向かう。

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Concerts/Live ShowsNo. 299

#1250 「感じる―鈴木昭男と宮北裕美のありかた」オープニング・パフォーマンス

目と耳が呼応するのはいつものことだが、空間の物語・感覚的構成と共鳴して特別細やかに感じられた。場所作りから始めて時間をかけて対等なパートナーとして共同制作する経験はこれまでになく、互いの発見があったそうだ。私たち観客は二人の見かけ以上に親密な世界に招き入れられた。

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Concerts/Live ShowsNo. 297

#1245 【コンポステラ〜星の広場で(Fiesta de Compostela)vol.2】
~篠田昌已没後30年~ 2days

生活向上委員会、じゃがたら、コンポステラ、東京チンドンなどで活躍したが、1992年に早逝したサックス奏者篠田昌已の命日(12月9日)と誕生日(12月8日)に合わせた30周忌に、協演した楽士と、後から知った若い世代合わせて20数名が、大熊ワタルの呼びかけで集まった。

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Concerts/Live ShowsNo. 293

#1231 高瀬アキ+岡登志子「キッチン」

『キッチン』は神戸を拠点におくダンサー岡登志子と高瀬アキの共同作品。コロナ禍のために3年間延期のうえの上演である。食べることは生きることをモットーに、子どもに観客を広げた演出で、素敵な衣装のスパイス娘のトリオが軽々と飛び回ったり、つまみ食い小僧のトリオが…

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CD/DVD DisksNo. 283

#2142 『松田美緒/セルヴァ』

松田美緒とウーゴ・ファトルーソのアルバムは10年ぶり、三枚目。彼女に歌わせたいと願って集められた彼の曲、それにウルグアイとアルゼンチンの曲で統一されていて、この間に築かれた信頼と敬意の絆が前二作より強く感じられる。

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Concerts/Live ShowsNo. 283

#1185 アートオブリスト2021「鈴木昭男 | 音のみちくさ「点 音」in 大府」

屋内のパフォーマンスと屋外の点音とは連続している。どちらも聴こえる音に耳を傾け、そのずっと先にある世界に自分を投げ出してみたら、音に身をゆだねてみたら、と呼びかけている。

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Concerts/Live ShowsNo. 281

#1173 久保田成子展

『Viva Video! 久保田成子展』(於大阪国立国際美術館)は彼女の30年ぶりの個展、没後初の回顧展で、これまでパイク(や小野洋子)の陰に隠れがちだったアーティストの復活が意図されている。良い監修を受けたというのが見終わって最初の一言だった。

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GUEST COLUMNR.I.P. ミルフォード・グレイヴスNo. 277

【ミルフォード・グレイヴズ追悼】 ひとつの音、一人の人

ミルフォード・グレイヴズ(1941-2021)の訃報を聞いて、「世界からひとつ音が消えた」という感慨に襲われた。気取った言い方かもしれないが、それだけ強烈な印象を残した音と人だった。

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R.I.P. チック・コリアNo. 276

1972年、チック・コリアに夢中 by 細川周平

今、流転を経たうえで「かもめ」を聴いている。生活の各方面で負の力にめげそうになるなか、フローラの声とチックのフェンダー・ピアノは、懐かしさ以上に、深く心に響く。ラブではなくピースを歌っている。ただし何か行動を促すメッセージはない。この絶対的な平安は涅槃の境地ではないかと近頃思う。

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GUEST COLUMNNo. 265

アマルコルド・ハル・ウィルナー

コロナウィルスの犠牲者のなかにハル・ウィルナーの名を発見して愕然とした。プロデューサーとして紹介されるが、その名から想像される業務とは別格のアーティストとして敬意を払ってきたからだ。

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Concerts/Live ShowsNo. 258

#1102 アブドゥーラ・イブラヒム @京都上賀茂神社

上賀茂神社の庁屋(ちょうのや)、高床式の細長い倉庫のような場所。当年84歳のアブドゥーラ・イブラヒムは、スタッフの懐中電灯に導かれてゆっくりとピアノに向かった。

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R.I.P. ジョアン・ジルベルトNo. 256

ジョアン・ジルベルトへの想いあふれて

ついにジョアンが亡くなった。愛聴するデビュー時の三枚を集めたCD『ジョアン・ジルベルトの伝説』をかける。この歌い手がこの世にいないと思って聴くと、いつもと違う寂しさが湧きあがってくる。

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R.I.P. ランディ・ウェストンNo. 246

ランディ・ウェストン追悼

ランディ・ウェストンを追悼する場所として、京都のジャズ喫茶Lush Lifeほどふさわしい場所はない。マスターの哲ちゃんご夫妻は4度の招聘の中心にあったからだ。店でランディのLPを向こうの通夜の日取りでかけてもらいながら訊いた話を混ぜ、三人分の弔意を送りたい。

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Concerts/Live ShowsNo. 242

#1012 エルメート・パスコアールとグループ
FRUE – Universal Music Japan Tour – feat. Hermeto Pascoal e Grupo

万物の音楽の出発点は生まれ育ったブラジル北東部にあるという小さな誇りが感じられた。初めて見るエルメート・パスコアルのライブは、その場にいたことを何年先になっても思い出せるような幸福感を残した。

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Concerts/Live ShowsNo. 238

#999 Winter Song book with Miwazow
みわぞうと冬のソングブック~みわぞうブレヒトを歌う

生誕120周年を祝って今年は「ブレヒトを歌う」が他にも企画されるかもしれないが、彼女には名曲アルバム以上に、現代日本で彼の仕事を振り返り歌い直す意味を即興と逸脱の余地を広げて発想したのに動かされた。

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Concerts/Live ShowsNo. 237

#997 Sicilian Dream:
映画上映会 『Sicily Jass – The World’s First Man in Jazz』
フランチェスコ・カフィーソ・デュオ・コンサート

カフィーソのたくましいうえに優しい最初の低音で釣り込まれた。「自分の音」を最初の一秒で響かせた。こんな突き飛ばすような一撃はめったにない。一発目で切り札のような「これ」を聴かせ、後は自在な音色とフレージングで走り切る。爽快な波に乗せられ遊ばれているような時間をすごした。

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