
このディスク 2018(国内編)
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#11『Miggy Augmented Orchestra(宮嶋みぎわ)/COLORFUL』
この1作を聴く機会に恵まれて、初めて宮嶋みぎわという名の作曲家を知り、その作品にアプローチする幸運を得たことを改めて感謝したい。
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#10『Megumi Yonezawa – Masa Kamaguchi – Ken Kobayashi / Boundary』
このピアニストは魔法を奏でる柔らかい精神と倫理を持っている、まったく稀有な才能だ、
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#09 『廣木光一・渋谷毅/Águas De Maio 五月の雨』
渋谷毅の、包み込むような、余裕をもってノンシャランとした呼吸のピアノ。それに対して、気持ちよく別の音色で並走する廣木光一のギターは、清冽な湧き水のようだ。何気なさを装いつつも、圧倒的に強靭な音を出すふたりのデュオである。
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#08 『TRISPACE / The Circle』
心地よい風に吹かれるような爽快感と、聴き応えのある楽曲を心から楽しませてくれる、名古屋発のピアノトリオ
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#07 『板橋文夫オーケストラ FUMIO 69 Rock & Ballade』
エリントン楽団のようにサウンドから一人一人の顔が見える板橋文夫オーケストラの最も充実した姿が刻まれている
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#06 『佐山雅弘/ブリッジ』
佐山ならではの“極めて美しいピアノ技“が激しくも心優しく弾む感涙作
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#05 『石田幹雄 / 時景』
ピアニスト石田幹雄の約7年ぶりのリーダー作。この1年間、事あるごとにこの盤を手に取り、そのたびに「素晴らしい…」と心の中で呟きながら聴き入ってしまった。
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#04 『福盛進也トリオ / フォー・トゥー・アキズ』
ミュンヘン在住のドラマー福盛進也のECMデビューアルバム。優れたオリジナルに加え、日本の懐かしいメロディーとECMの出会いが心に響く。
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#03 『Cubic Zero / Flying Umishida』
筆者が2018年の1年間に最も多くのライブに接し、最も記憶に残る、北海道在住ミュージシャンたちによる傑作
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#02 『藤井郷子オーケストラ東京』
還暦記念『月刊 藤井郷子』第12弾
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#01 『Naoki Kasugai(春日井直樹)/ DADA1981』
地下音楽の澱みの奥底で人知れず熟成された創造物が、40年近い時を経て初めて世の中に芽を出した奇跡と言って間違いない。
このディスク(海外編) 2018
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#15 『ザ・リアル・グループ・シングス・ウィズ Kicks&Sticks BigBand』
この①と②がすべてを物語る。この2曲だけで勝負すれば、さすがのマンハッタン・トランスファーも降参するかも。
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#14 『Alexander von Schlippenbach – Globe Unity Orchestra / Globe Unity – 50 Years』
2016年11月、ベルリン・ジャズ祭でのグローブ・ユニティ・オーケストラ50周年記念コンサートのライヴ盤。
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#13 『Ask For Chaos / Gilad Hekselman』
ジム・ホールから始まる、コンテンポラリー・ジャズ・ギタリストの系譜。その正統な後継者に君臨し、ジャズ・アメリカーナを体現するジュリアン・ラージ。イスラエル出身のギラッド・ヘクセルマンは、その牙城に肉迫するニュー・アルバム『Ask For Chaos』を、発表した。ニューヨークのSmallsでのリリース・ライヴは、ギラッドのポテンシャルを100パーセント発揮するものだった。コンテンポラリー・ジャズ・ギターを牽引するこの2人の今後に目が離せない。
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#12 『Steve Tibbetts / Life of』
『Life of』が発する東洋的な達観のオーラは難解な読書の友として頭脳の澱をときほぐす最適な音楽。
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#11『Tyshawn Sorey / Pillas』
菊地雅章のスタジオで化けたミュージシャン、トーマス・モーガン、トッド・ニューフェルド、タイション・ソーリー、たちが、放つ光、
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#10 『Barre Phillips / End to End』
バール・フィリップスが、「サイクルの最後」に位置付けるものとして、最後のソロベース・アルバムを吹き込んだ。バール・フィリップスという人の気配が、消しようもなく、本盤全体に充満している。
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#09 『ボボ・ステンソン・トリオ』
気がついたら彼はアンデシュ・ヨルミンという、とてつもないベーシストとのトリオで次々と傑作を生んでいた
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#08 『Night People』
ヴォーカルの肉質感の素晴らしさは特筆すべき録音。
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#07 『ダフニス・プリート』
その目配りの細かさ・確かさ、またラテン・ジャズ特有の悦楽性と躍動感、先進性などが見事にマッチングしている点など、今年のベスト
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#06 『Subtle Degrees / A Dance That Empties』
NYを拠点に活動するサックス奏者トラヴィス・ラプランテと、現代ジャズ界で八面六臂の活躍を見せるジェラルド・クリーヴァーの麻薬的デュオ。
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#05 『シャイ・マエストロ/ザ・ドリーム・シーフ』
今、最も注目すべきイスラエル出身31歳のピアニスト、シャイ・マエストロの待望のECMデビューリーダーアルバム。クリス・ポッター&シャイ・マエストロのデュオライブ動画も紹介する。
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#04 『Eric Dolphy / Musical Prophet (The Expanded 1963 New York Studio Sessions)』
エリック・ドルフィーのファンにとって2018年は、現在進行形のどんなジャズよりも、この歴史的音源リリースによって記憶される年となるだろう
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#03 『Alexander von Schlippenbach & Aki Takase / Live at Café Amores』
アレックス80歳、高瀬70歳、『Iron Wedding』を誇るふたりにとっては記念すべきリリースとなった。
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#02 『R+R=Now / Collagically Speaking』
やはり筆者にとってグラスパーはマイルスだ。「Robert Glasper Experiment」の頃からマイルスを感じて興味を持っていたが、『Everthing’s Beautiful』で彼がいかに本髄からマイルスを継承しているか確信した。そしてこのアルバムは筆者にとって心の底に食い入るようなインパクトを与えた。
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#01 『Fuji Yuki – Michel Henritzi – Harutaka Mochizuki / Shiroi Kao(白い顔)』
装丁も含め和テイストが溢れる作風は、現代版ジャポニズムであり、現代日本地下音楽のエキスをヨーロッパ視点で捉えたものである。
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Jazz Right Now 2018年ベストアルバム
アメリカJazz Right Nowが選んだ2018年ベストアルバム。
このパフォーマンス(国内編)2018
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#10 大野えり
字義通り生きた音楽が聴けるのがライヴだ。
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#09 バッハ・コレギウム・ジャパン
20年を経て同じ年々積み重ねられてきた成果が現在がひとつのピークに達していることは明らかで素晴らしい体験だった
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#08 永武幹子×齋藤徹
即興とジャズ、創出と曲、それらの意味を問う一期一会。
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#07 日吉直行トリオ
これ以上の顔合わせはあるだろうか、と喜んだが、この気持ちを分かってくれそうな人はまだ少ないかもしれない。
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#06 TAMAZILLE
これからのジャズ・シーンをけん引するぞという宣言がホール一面に響き渡った。
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#05 CLUB JAZZ屏風 クイーンズ伊勢丹前(2日目)
日曜の昼下がりの公園。その場にいる人間すべてを取り込むようにしてどこまでも自由に展開した音楽は、あっという間に過ぎ去っていった。
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#04 te-te-Yuka、ひゅむたん
2018年に注目していた日本のミュージシャンとして、ベーシスト伊東祐季がいる。その参加ライヴを追っていくと、同じく現在、中堅として美しい音を創っている仲間たちに出会う。その中から山本玲子、柳原由佳との「te-te-Yuka」と、栗林すみれ、黒沢綾に、ニラン・ダシカが加わった「ひゅむたん」を紹介する。
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#03 JazzArt せんがわ 2018」
願わくば新たなスペースにおいて「Jazz Art」が継続されんことを。
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#02 ヒカシュー × ・・・・・・・・・ 2マンライブ『ヒカ・』
「行き過ぎることを恐れない」という地下音楽のテーゼを今一番継承しているのは地下アイドルに違いない。
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#01 喜多直毅クァルテット二日間連続公演『文豪』—沈黙と咆哮の音楽ドラマ—第二日
国内屈指といえる4人のアーティストのもつ高度かつ個性的な技倆(ぎりょう)が見事に開花。
このパフォーマンス(海外編)2018
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#13 『Ask For Chaos / Gilad Hekselman』
ジム・ホールから始まる、コンテンポラリー・ジャズ・ギタリストの系譜。その正統な後継者に君臨し、ジャズ・アメリカーナを体現するジュリアン・ラージ。イスラエル出身のギラッド・ヘクセルマンは、その牙城に肉迫するニュー・アルバム『Ask For Chaos』を、発表した。ニューヨークのSmallsでのリリース・ライヴは、ギラッドのポテンシャルを100パーセント発揮するものだった。コンテンポラリー・ジャズ・ギターを牽引するこの2人の今後に目が離せない。
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#11 カート・エリング
今年も、というべきか。とりわけこの数年は、ライヴの現場に足を運ぶことが多くなり、その分CDを聴く機会が極端にといっておかしくないほど減った。
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#10 アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ ・トリオ+高瀬アキ「冬の旅:日本編」
3者それぞれ、名匠にふさわしい技量があればこそ、超越した音楽観があればこその演奏だった。
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#09 マタナ・ロバーツ
初来日のマタナ・ロバーツが、1回かぎりのステージで、圧巻のアルトソロを披露した。そのブロウには血や情や泥が溢れんばかりに詰まっていた。
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#08 エルメート・パスコアール」
雑多なものが混ざり込み、降って沸いたようなアイデアがすんなりと演奏につながっていく。
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#07 マタナ・ロバーツ
初来日のマタナ・ロバーツは、アルトサックス1本を抱えて満員の観客の前に登場し、実に生々しい音楽を聴かせてくれた。
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#06 ルイス・フェルナンド・ペレス アルベニス<イベリア> 全曲演奏
マドリッド出身のピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレスによる、アルベニスのピアノ作品の集大成、遺作にして難曲の<イベリア>全曲演奏。その力強さと繊細さとグルーヴに圧倒され、スペインの魂が伝わるような名演だった。
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#05 ASHITA NO OTO #2
2018年、数々体験した来日ミュージシャンのライブの中で、ひときわ鮮烈な印象を残したのはケヴィン・コーコランのパーカッションプレイだった
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#04 リューダス・モツクーナス 4番勝負
リューダスは4日間を通じ気力、実力ともに充実し切っており胸を借りるつもりの日本勢をインスパイアしつづけ、それに応えた日本勢と素晴らしい演奏を展開した。
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#03 R+R=Now: ロバート・グラスパー @Blue Note NYC
この10月に経験したグラスパーのライブは、涙が溢れたというような感動を味あわせてくれるものではなかったが、筆者にとって多分一生忘れないであろう数少ないライブ体験になったことと思う。グラスパーは確実にマイルスを継いでいる。つまり、その時代を包括して次に進む音楽を構築するという作業だ。しかもマイルス同様ライブでのクリエイティビティーが実にスリル満点だ。
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#02 CPユニット @ メールス・フェスティバル2018
濃いコーヒーで眠気と闘いながらパソコンの画面で眺めた異物感たっぷりのパフォーマンスは、間違いなく今この瞬間の生のライヴ体験だった。
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#01 Schlippenbach Trio+Aki Takase『Winterreise in Japan』@座・高円寺
過激さの呪縛を超越した、芳醇と円熟による凄みの境地。