#1992 『The Dorf / Phill Niblock - Baobab / Echoes』
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かねてよりドローン・ミュージックは究極のストイシズムだと感じていたが、ザ・ドーフによるエネルギーあふれる解釈により、究極のハードコアでもあることを実感した。単なるジャンルの越境や融合に留まらず、音楽の本質を露わにするザ・ドーフの思索的諧謔精神が今後世界にどんな影響を与えるのか、興味は尽きない。
続きを読む創刊号~2014年9月28日更新201号
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かねてよりドローン・ミュージックは究極のストイシズムだと感じていたが、ザ・ドーフによるエネルギーあふれる解釈により、究極のハードコアでもあることを実感した。単なるジャンルの越境や融合に留まらず、音楽の本質を露わにするザ・ドーフの思索的諧謔精神が今後世界にどんな影響を与えるのか、興味は尽きない。
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ジェイ“フーティー”マクシャン(1916.1.12〜2006.12.07)。若きチャー リー・パーカーの異才を見出したカンザス・シティを代表するミュージシャン。
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ヴァイオリニストの和波孝禧(わなみ・たかよし、1945~)さんが楽団デビュー50周年を迎え、去る6月9日紀尾井ホールで「我が心のブラームス」と題した記念コンサートを催された。
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マイルスの愛奏曲のアレンジにあたっては、「新しいことに挑戦せよ」とのマイルスの教えを守り、ブラジルのネイティヴなリズムに乗ってジャズのインプロヴィゼーションを展開する手法をさらに進化させた。
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若き前衛アルト・サックス奏者クリス・ピッツィオコスがニューヨークに新たな波を起こしている。弱冠24歳のピッツィオコスは既に、サックス演奏と作曲能力に於いて自分自身の語彙を発展させ身に着けている。2015年前半、彼はとてもアクティブに活動し、3作もの新作をリリースした。
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エヴァンスからベネット、ジョー・ヘン、ハンコック、マイルス等々永年ジャズにかかわって知った喜びを自らのものにして鍵盤から導き出したもので辛島文雄の人生の重み、人格が詰まっている。そして、なによりも一音一音に沖縄の空気の中でピアノを弾く喜びが音の端々から活き活きと伝わってくるのがうれしい。
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赤い着流しにモヒカン刈り、70年代フリージャズの残影色濃いサックスとトランペットの庄田次郎。対するはヴォイス・パフォーマンスの一匹狼 蜂谷真紀、加えてノイズマシンのTommyTommyとヴォーカルの赤い日ル女からなるユニット「あうん」。
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日米の有力ジャズ人名辞典はいずれもあなたのトリオがエリック・ドルフィーと公開の場で共演した最後のバンドであった事実に触れていません。
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消え行く小学唱歌をビッグバンドで。幸い楽譜もダウンロードできるようなので、大流行の社会人ビッグバンドが積極的にレパートリーに取り上げてくれると嬉しいのだが。
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佐藤允彦の戯楽シリーズの3枚目は子供の頃に聞いた唄。軽快にピアノを弾く佐藤、ベースの加藤真一もドラムの村上寛も手慣れた捌き、淡々と楽しげな演奏。難しいこともさりげなく弾きこなし、さらにインプロヴァイズしてしまうスゴさ。まさに「戯れ」「楽しむ」、すなわち「戯楽」である。
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封印された音塊が解放されることで、創造主である演奏家自身の魂もその先へ解き放たれることは確かだろう。日本地下音楽の秘められた至宝、陰猟腐厭の「その先」を見届けたい気持ちが無性に高まっている。
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30年以上昔に記録された演奏だが、その独自性は現在、いやさらに30年後に聴いても失われることはないだろう。音楽ジャンルは勿論、時代からもはみ出した異端の演奏行為と意志の記録である。
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終演の挨拶で巻上はJazz Artせんがわの目的は「分かり易い音楽、つまり強度が強くてすぐに判る音楽を届け、出会いの場を作る」ことだと語った。昨年言っていた「ひと言で判られないフェスティバル、楽しくない音楽」とは対照的に見えるが、まったく同じものを指していることは、一度でも会場に足を運べば即座に理解出来る。
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3つのステージを観終えたとき、ふと、伊藤キム、センヤワ、坂田明の声の多彩が一本のテーマとして浮上していたのに気付いた。翌日のトリは友川カズキだという。言わずもがな、な、声と歌だ。「生きているって言ってみろ」の絶叫が締めなら、出来すぎ君である(実際、そうだったという)。
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「JAZZ ARTせんがわ」も今年で7回目、バラエティに富んだプログラムで、目を耳を五感を楽しませてもらった。継続することは意味がある。来年もまたこのイベントで「出会い」があることを期待したい。
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延べ70分に亘る長時間演奏は、橋本にとっては初体験だったという。三者が一歩も譲らず語り合い、諍い、睦み合った芳醇な時間は、紛うことなく明日への糧 として、演者・聴者いずれにとっても、類い稀な経験になったことは間違いない。
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山下にとっては2年に1度相まみえるメンバーとのこの邂逅は、まるで牽牛と織女の逢瀬ならぬ、待ちこがれた一夜なのではないだろうか。あるいは私自身がそうだったように、当夜が待ち遠しくてならなかったのはむしろSBBの熱烈なファンの方だったかもしれない
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肉体は滅びても魂は残り、それを継承する者が新たな命を吹き込む。サン・ラという神話(Mythology)を永遠に伝授し、あらゆる音楽と人生を融合し発展させる理想的な方法論を実践するのがサン・ラ・アーケストラなのだと実感した。
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僕のソロを “作曲” として見て一作選べと問われれば、僕は『ラディエンス』を推す。
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ニコラス・ローグ監督の映画『ジェラシー』(Bad Timing/1979) に挿入されたキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』(ECM) からの抜粋。
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だから「インプロヴィゼーションを最優先して、これからの人生を過ごそう」と誓ったんだ。年を取りすぎて演奏できなくなるまでね(too old to play)。
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高柳がギターを弾(はじ)き、叩き、引っ張り、締め上げ、擦(こす)る。ギターが断末魔の悲鳴を上げる。さて、この音世界こそわれわれのリアルな生き様の反映ではないのか。蔓延する不条理に苦しみのたうち回る..。
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5月26日のマイルスの誕生日に会わせて、ニューヨーク市がマイルスの住んでいたブロックをMiles Davis Wayと命名した。
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とくに、パーカーはモダン・ジャズの源流であるビ・バップの創始者的存在であるだけに、音楽的な解析は避け得ず、菊地成孔、大谷能生、矢野沙織、濱瀬元彦らミュージシャンの対談やインタヴューを通した発言に傾聴すべき内容が多い。
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松風鉱一は、アルト、テナー、バリトン、クラリネット、バスクラ、そしてフルートにいたるまでそれぞれの楽器の特性にあわせて自らの語り口を変えうる稀有な個性の持ち主であり、ドルフィーと肩を並べるマルチ・リード奏者である。
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老若男女、クラシック・ファンもジャズ・ファンも等しく楽しめるジャズのエッセンスがたっぷり詰まった痛快なアルバムである。素材は小中学校の音楽鑑賞の時間に必ず聴かされる<ボレロ>と<展覧会の絵>。
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ピアノ・テクニシャンやエンジニアをはじめピットインミュージックのスタッフが沖縄まで出かけてホール録音したもので、これまでのピットインでのライヴとは空気感が違う。沖縄でのツアーの際、何度かこのホールで演奏した辛島がピアノやホールの響きが素晴らしく、心に残っていて、地元の関係者の協力もあって今回実現したのだそうだ。
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身体そのものを楽器とするローレン・ニュートン、幅広い音域、色彩に例えるならば淡く仄かな色あいから濃く濁った色調まで豊かな音色を持ち、変幻自在にその響き、表情を操りながら、ヴォイスの限界を超えるように時に音響的に時に演劇的に即興パフォーマンスを行う。ノイジーでダーティなサウンドを発する時も決して品格を失わない。彼女が創り上げたパーソナルな音空間には、いつも毅然とした美しさが保たれている。
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ヴォカリーズ、しかもインプロヴィゼーションは苦手、という喰わず嫌いも、タイトル・チューンのブルースを聴けば彼らのすばらしさに魅了されるはずである。
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沈黙が常にあり、透明の空気がそこにある。3人は「沈黙」の感覚を共有し、巧みに音を使うことにより「沈黙」を表現しているというのが正しいかもしれない。
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“あの時代の [黒ジャズ] にもっとも相応しい言葉――自主、独立、自立、独自をキーワードに、地域性/民族性/音楽性を限定した結果 ”生まれたのが“ インディペンデント・ブラック・ジャズ・オブ・アメリカ”というわけだ。
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海外アーティストを交えた異なるユニットの演奏を同時期に体験することで、1970年から一貫して日本のみならず世界の音楽シーンの極北に身を置く灰野が、40年以上経った現在も表現の新たな地平に挑み続ける秘密を垣間見ることができたような気がする。
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半世紀にわたってバックステージで日本のジャズを支えてきた功労者、「ジャズ批評」発行人松坂妃呂子の目を通した日本のジャズとジャズシーン。
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現代ジャズの扉は開かれた。ジャズ評論の21世紀はようやく始まった。
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このトリオに絶句するのは演奏に接したことが無い者だけだろう。誰でも一度ライヴを経験すれば、類い稀な「絶頂感」(Z)と「悦楽」(E)と「感動」(K)に包まれることは間違いない。
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約2時間の演奏には英国ジャズが辿り着いた表現の高みが示されている。この2年後にエルトン・ディーンは惜しくも帰らぬ人となり、デレク・ベイリーとロル・コクスヒルも天国へ召されてしまったが、歴戦の闘士が不在でも英国ジャズの前途には希望の光が差している。
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このアルバムこそCDを買わないと関根の全貌や仕掛けを楽しめないわけで、あるいは、iTunesなどを通した曲買い風潮に対するアンチテーゼという深謀遠慮なのかもしれない
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4日間で3つの異なるシチュエーションで彼らの演奏を聴いたが、どの環境でも共通していたのは、どっしりと地に足を付け、身に着けた高度なテクニックを表現の手段として駆使し、非常に密度が濃く広大な音楽世界を展開してくれたこと。
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私たちはセシル・テイラーの音楽をどう聴けばよいのか。トニー・オクスレーはかつてこう言った。「セシルの音楽をモダーン・ミュージックのように決してシリアスに捉える必要はない。とても自由でエナジーに満ちていて、僕は演奏していてもとても楽しい」。そして付け加えた。「ただココロを開いて聴けばいいのだ」と。
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2013年10月に新しく出版された、チャック・ヘディックス著『バード:ライフ&ミュージック・オブ・チャーリー・パーカー』(University Of Illinois Press)をカンザス視点で読む。
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大坂の即興音楽ユニット.es(ドットエス)の橋本孝之の初のソロ・アルバム(2014.2)。暗闇に白い煙のように立ち上るアルトサックスが無数の色彩を描き出す渾身のアルバム。
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大坂の即興音楽ユニット.es(ドットエス)が、日本ノイズ界の重鎮、美川俊治(Incapacitants/非常階段)と共演したライヴ・アルバム。それは即興演奏の未来への希望の光を見出す一期一会の三者が描き出した結晶となった。
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セシル・テイラーはエリントン同様に音楽家として屹立した存在だ。今回再びそのステージを観て、彼が追求してきたのは、あくまでもパーソナルな音楽であり、世界だということを強く感じたのである。
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フリージャズ・ファンのアメリカ人コレクターを経由して入手したセシル・テイラーの海賊版。1983年のスイス、ヴィリザウでのライヴ録音だ。
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「セ~シル・テイラー・ユ~ニット!!」。レコードに針を下ろすといきなりMCの絶叫する声が耳に飛び込んでくる。悠 雅彦氏の壮年の声である。そして、その声にかぶるようにしてピアノが、アルトサックスが、そして、ドラムスが雪崩を打って出てくる。
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今現在、すでに夢を生きています。
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高田馬場のBigBoxでアルト、ピアノ、ハーモニカを録音した。この時の写真が何枚か収録されている。初めて父親になる期待と不安がないまぜになったような表情が見てとれないだろうか。
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カンザス・シティ・ネイティヴ、しかも、膨大な資料を収集、管理、分析するアーカイヴィストの手になるチャック・ヘディックスの著書。この新著で明かされた新事実、既刊書の誤謬の訂正もある
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近年、目にすることの多い北欧勢だが、なかなか知られることのない若手ミュージシャン(ソフィア・イェルンベリ、キム・ミール、エスペン・ライナーセン、アイヴィン・ロンニング)、またスーパーサイレントのメンバーであるストーレ・ストーレッケンが参加しているエレファント 9 + レイネ・フィスケ、そしてヘルゲ・リエントリオの久しぶりの来日ということで二つの対照的なイベントへ出かけることにした。
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チャック・へディックによるバード(チャーリー・パーカー:1920年8月29日~1955年3月12日)の生き様と音楽を綴った新刊が2013年8月30日に刊行された。パーカーに関する従来の著作が主としてパーカーの音楽とレコーディングに焦点を当てていたのに対し、ヘディックスの新刊では、16才で溺れたドラッグがどのように彼の人生や音楽に影響を与えたかについて、新たに発見した資料や見過ごされて来た資料を丹念に読み直す事によって解き明かしている。
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SABUもミシャもモンクがとても好きなのだ。そりゃー、好きなんてもんじゃないですよ。初来日(1963年)の時から言っているもんね。ミシャはモンクの後継者だよ。コピーやらずにあれだけモンクのスピリッツを出せる人ってほかにはいないでしょ、世界でいないよ。
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2011年、内橋和久はポーランド人ミュージシャンを招聘し「今 ポーランドが面白い」というイベントを行った。今年(2013年)10月、その第二回目が東京、大阪、その番外編が京都で行われる。
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竹田と山崎の著作が既出記事のアーカイブであるのに対し、関西アンダーグラウンドを代表するノイズ・バンド、非常階段のリーダーJOJO広重の『非常階段ファイル』は全編書き下ろしのドキュメンタリーである。
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一番楽しめたのは『ハノン』であった。というのも、筆者自身、子供の頃、嫌でたまらなかった機械的な指の練習曲ハノンがこんなにウキウキと楽しく弾けるなんて!というリアルな驚きが大きかったからだろう。
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このアルバムにはミシャとサブの他にもう一匹(!)共演者が登場する。コオロギである。コオロギはミシャのピアノに限って共演を買って出る。なに、サブのドラムが入ってくるとコオロギの声がマスキングされて聞こえないだけなのだが。
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ジャズかどうか、クラブ系かどうか、などジャンルは関係なく、ここに刻まれた演奏は、ふたりの求道的表現者が全身全霊をかけて交感した、紛れもない真の即興演奏の記録に他ならない
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「ジャズの過去を振り返る歴史書はあっても現在のジャズ・シーン、とくにフリージャズ・シーンを切り取ったガイドブックがなかったんです」
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フェスティバルの大団円は、ジョン・ゾーンが1984年に考案したゲーム理論に基づいた即興演奏スタイル、ジョン・ゾーンズ・コブラ。当時から日本の即興音楽家を魅了し、数々の日本人演奏家により実践されてきた。現在も巻上公一を中心に継承されている。
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「JAZZ ARTせんがわ」のように、ジャズのメインストリームではなく、周辺のエッジな部分を取り上げるフェスティヴァルは貴重だ。そこにこそ次代に繋がる創造活動の芽があるからである。ジャズ祭は文化事業であり、ひとつのメディア。継続させることでさらに音楽と人とのさまざまな出会いをもたらしてほしいと願う。
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素晴らしい楽器と素晴らしい環境(ホール)を与えられたミュージシャンはそれらの相乗効果によって期待以上の結果を生む、即興を旨とするジャズならではの醍醐味である。
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彼(菊地雅章)は崇高ともいえるほど美しいテクスチュアを紡ぎながら、それを一瞬の内にぶち壊すことも厭わない。
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今では、音楽が私の存在を証明するものではないが、他の方法では表現し得ないことを表現するための素晴らしい手段であることに違いないと思っている。
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宮澤賢治の没後80年を契機に発表された作品だが、富田の中では何十年にもわたって育まれてきた思いの集大成である。300人に及ぶオーケストラとコーラスを駆使した壮大なドラマの展開を予想されがちだが、初音ミクというヴァーチャル・シンガーを起用したことにより一挙に浮力が付いた。
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大阪のコンテンポラリー・ミュージック・ユニット.es(ドットエス)。21世紀も10年過ぎてこれほど生々しく自己主張する激しい音の渦が生まれるとは、まさに驚異的である。さらにこのエモーションの塊のような演奏が、現代美術ギャラリーから生まれてきたという事実が興味深い。
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初めて生の演奏に接したピンカスその人は、エネルギッシュで軽妙、という勝手な思い込みとは別次元の、圧倒的な貫禄と音の豊穣を感じさせる巨匠であった。
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左手の音楽、というとあたかも両手で奏される音楽とは異質の音楽に聞こえるかもしれないが、エネルギー放出の量は両手のそれをも凌ぐ。要はエネルギー分配の問題であり、むしろ左手に集約されることで「舘野泉その人」がより一層のマグマのような濃度をもって迫ってくるのだ。
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普段ジャズ若しくは音楽を聴かない方から専門家やミュージシャンなどすべての人に楽しんでもらいたい、というのが全体のコンセプトとしてあります。
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アヴァネシアンとマイスキー。27歳と26歳といううら若きふたりながら、ステージから発散する成熟した、匂いたつようなオーラ。
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ジャズ評論家副島輝人が1970年代後半から『ジャズ批評』、『パイパース』などに寄稿した文章が集成され、一冊の本になった。現代ジャズの広がり、その発展と変容に迫った内容でリアルタイムの現場を伝える貴重な著作集。
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この第2作でも神野の朗読と小曽根の音楽がひとびとの創造力を強く刺激することだろう。その源泉は共に稲吉紘実のメルヘンである。
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早坂紗知はまさに日本のジャズにおける女性管楽器奏者の草分けである。今でこそ女性の管楽器奏者は珍しくないが、25年前は違った。音楽ビジネスとは無関係に、演奏家として我が道を突き進んできた姿は寧ろ爽々(すがすが)しくみえる。
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待てど暮らせど彼女たちに対抗する若い才子が現れないとなれば、潮目が男性側に来ていないのだと思うしかないか。あきらめかけていたところに飛び込んできたのがこのオカベ・ファミリー(Okabe Family)を名乗るユニットのデビュー作である。といえばいかにも恰好いいが、実際、このユニットの音楽は目をみはらせるほど新鮮だった。
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僕は、自分自身の音楽的成果に対し、すごく満足しているし、ロスに留まっていたからこその成果だと思っている。ロス在住のミュージシャンが、東海岸中心のジャズ・メディアに軽んじられているのは事実だと思う。
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斬新で清新,豊かな質感を持つ上質音楽であると同時に、ジャズ・ファンのブラジル音楽入門盤としてもハナマルと言えそうで、ワイン等を片手に、一人で寛ぎながら愉しむのにも好個の作品とお勧めしたい
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年が改まってはや3ヶ月。時の流れは予想を超えて速い。早くも鞭が入ったかと錯覚するほど、2013年の幕が開いてほどなく、次々とジャズの威勢のいい演奏と出会った。そこで、その幾つかをピックアップすることから本年最初の<食べある記>を始めることにしよう。
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音楽を演奏するということをスピリチュアルなイベントと捉えているというランディ・ウェストン、スピリチュアルという言葉がぴったりとくる音楽家はそんなにいるものではない。その数少ないひとりが彼なのである。
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実際に全曲を繰り返し聴くことで、ここでの高度なオーケストレーションとアンサンブルの磁力に次第に引きつけられる、そんな快感を私は久し振りに体験した。
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音楽の引出しは無限大のふたりが、限られた時間とスペースでもち得る限りを出そうとする。徹底して聴かせるための音楽。そうした情熱がときに過剰なまでの濃い味となって押してくる、実に手応えと腹もちのよいデュオであった。
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_電源は? 「完璧なソーラー電源を用いました」
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このDVDはミャンマー国内を対象としており、ここ数十年のポップスの大人気はそれはそれでかまわないが、古典音楽にももっと気軽に親しんでほしいという願いをこめてあります。
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現代音楽界の重鎮、高橋悠冶が企画する「風ぐるま」は、そのサブ・タイトルである「時代を超えて音楽の輪を回す」が示すとおり、エンドレスに輪が回転する現在(いま)の豊かな在りようを、さまざまな切り口で見せてくれる。
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今年で第18回を迎えた「阿佐谷ジャズストリート2012」、今年は杉並区制80周年にもあたり、ジャズストリートと区政80周年記念パレードとのジョイントとなり杉並区全体が大いに盛り上がりこのイヴェントを楽しんでいた。
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絵画や音楽は、人間が創り出したものかのように見えるが、それらが生まれた土地や空気、自然が人を使って形にしたものではないだろうか。
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田崎の音楽が、とてつもない集中力と没入のうえに成り立っていることは今さらいうまでもないが、そこで展開される世界は、何と誠実でピュアで、人生がまとった成熟のすべてが総動員されての、飾らない暖かさに満ちていることか。
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僕の音楽は絵にたとえるとクイック・スケッチのようなものだ。アウトラインははっきりしているけど、細かい部分までしっかり塗り込むタイプじゃない。
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ジャズなどの音楽が人々の暮らしの中でとても親しみやすい所にあり、どんな人でも気軽にフェスティバルを楽しめる環境がノルウェーのとても良い所だ。
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東京生まれ。桐朋学園大学演奏学科ピアノ科卒業。エコール・ノルマル・ミュージック・ド・パリ卒業。1990年タングルウッド・ミュージック・センター奨学生。3年のパリでの留学後、東京で全曲20世紀のピアノ作品によるデビュー・リサイタルを行った。1997年、京都賞でクセナキスの「ミスツ」を演奏、1998年には現代音楽の分野への優れた業績に授与される「第16回中島健蔵音楽賞」を受賞。
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ピアニスト矢沢朋子の活動は、これまではエレクトロニクスを用いた新しいメディアを使った実験的傾向の作曲家とのコラボレーションが多かったが、本作でとりあげているのは近現代ヨーロッパの神秘主義的傾向を示す作品群である。
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ここに来てちょうど1年が経つ今、日本人である自分自身を見つめ直す必要があるように感じる。ノルウェーの人々や自然がそう感じさせてくれた。
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この日の目玉ともいえる中村紘子によるグリーグ。やはり「スター」の演奏である。ステージにおける圧倒的な華やかさと貫録は、聴き手の意識を鷲掴みにするものをもっている。「コンサート・ピアニスト」としての根本的要素について、今さらながら納得させられるのだ。
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2年有余をかけて『ECM catalog』は完成した。ECM本社のマンフレート・アイヒャー、スティーヴ・レイク、ハイノ・フライバーグからそれぞれ祝辞が届いた。ECMのオフィシャル・サイトを通じて海外発売もスタートした。
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