#96 宮澤縱一著『傷痕』に寄せる黒沼ユリ子さんの思い

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日本を代表するヴァイオリニストの黒沼ユリ子氏が、今日の若い人びとの必読書の触れ込みで「かけ替えのない文字と行間に詰められた貴重な思いを、後世の日本人に残してくださったことには、感謝以外の言葉を私には何も見つけられません」と推薦の言葉を送っている。

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悠々自適 #95 田村夏樹と藤井郷子のデュオCD『PENTAS』について

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日本のジャズ・ファンにはにわかには信じ難いかもしれないが、この田村夏樹=藤井郷子の演奏と音楽を愛し、熱心に応援する熱狂的ファンが世界中に大勢いることは余り知られていない。

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#21 阿部薫について

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即興音楽が最高のエゴの音楽、サウンドの主観性に立つ音楽だったとするならば、まさしく阿部は当時の即興演奏家の中でも最高峰のひとりだったと言える。阿部にまつわるエピソードには事欠かないし、彼についての言説もまた多い。しかし、いったん雑念を取り払って、純粋にそのサウンドに向きあって聴くことが、21世紀の今求められていると思う。

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悠々自適#94 チャーリー・パーカー生誕100年と新刊『バード チャーリー・パーカーの人生と音楽』に思うこと

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そのためパーカーのニックネームの由来をはじめとする多くの点において通説を否定する新たな事実が示されている点などを含めてすこぶる興味深い。

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#20 不確実性の中で
〜”SAVE THE CLASSICS FOR THE NEW ERA”を見ながら

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公園通りクラシックスのような小規模なヴェニューが実は音楽活動の現場では重要な役割を果たしてきていることは中々認識されていない。しかし、ライヴ・ミュージシャンにとっては演奏する場があってこその音楽なのである。この状況下、苦境に立たされているところも少なくないと思う。事情が許すのなら、出来るだけライヴに足を運ぶということ、それはヴェニューにとってもミュージシャンにとっても助けになるということだけは確かである。

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#19 音楽活動の現場は変わり得るのか?

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ライヴの現場がコロナ以前に戻るにはまだまだ時間がかかるだろう。ライヴストリーミングやオンライン上での音楽活動の試行錯誤はこれからも続くといえる。実演の代替としてのオンライン・セッションよりも、オンラインで現代のテクノロジーだから制作出来る音楽、あるいはバーチャル空間でしか出来ないミクスト・メディア的なものを含めた新たな試みが行われることを寧ろ期待したい。

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新型コロナウィルスの出現で露見した諸問題

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少なくとも新型コロナの出現で、様々な問題に風穴が開いたことについては大いに喜びたい。

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#18 続コロナ禍の中で 〜 プランBとしてのストリーミング

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渡辺白泉のよく知られた句に「戦争が廊下の奥に立ってゐた」というのがある。それを今に例えるならば廊下の奥に立っていたのはコロナだが、その向こうのポストコロナはまだ見えない。その全ては現在の試行錯誤なくしてあり得ないだろう。それも生き延びてこそ、なのである。

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悠々自適 #93「ジャズ・ミュージシャンの死と新型コロナウイルス」

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エリス・マルサリス、ウォレス・ルーニーのコロナ禍による死亡が伝えられた。この分ではあと何人の犠牲者がジャズ界から現れるかもしれず、この事態を深く憂慮せざるをえない。

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悠々自適 #91「角田健一ビッグバンドと小曽根真 feat. No Name Horses」

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新年早々の巻頭文では2つのビッグバンドが今回、いかなる興味尽きない演奏を行ったかに絞って報告することにしたい。

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#16 フェスティヴァル in 2019
〜 フリージャズ、即興音楽 and beyond…

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2019年はフェスティヴァルによく足を運んだ年だった。6月7日〜10日に開催されたドイツ、メールス ・フェスティヴァルに行ったのを皮切りに、結果的に11月までの間に野外フェスから小規模なものまで7つのフェスティヴァルに出かけた。それを振り返る。

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悠々自適 #90 龝吉敏子 ~ the 90th  Anniversary ~

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穐吉さんも北村さんももしかすると100を越えてもプレイしているのではないかと思うと何やらワクワクしてくる。

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#15 【祝30周年!】
「渋さ知らズ」という舞台装置

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私は「渋さ知らズ」をジャズや日本のアンダーグラウンド文化に深い根をもつ舞台装置だと表したい。出入り自由の(側から見ればかもしれないが)風通しのいい空間であればこそ、これほどの創造的パフォーマンス集団を維持出来たのだと思う。もちろん、ダンドリスト=段取り屋さんとしてこの集団を仕切る不破大輔の器量と才覚があってこそだが。

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悠々自適 #89 「恐るべき女性音楽家たちの活躍」

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現在、私が大きな注目を払っている女性作編曲家が3人いる。1人は宮嶋みぎわ、そして、挾間美帆と藤井郷子である。

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#14 姜泰煥という異能

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『姜泰煥+高田みどり/永遠の刹那』(NoBusiness Records)がリリースされた。1995年の姜泰煥と高田みどりとのデュオのライヴ録音である。今年4月来日時に姜泰煥の演奏を観ているだけに、90年代半ばの彼の姿を懐かしく思い起こしながら聴いた。

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悠々自適 #88『新生東京キューバンボーイズを聴いて在りし日が甦った』

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東京キューバンボーイズは1980年に解散し、栄光の歴史の幕を閉じた。その名門バンドを復活させたのが直照氏の子息、和照氏である。

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#13 Moers Festival 2019
メールス・フェスティヴァル 2019

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メールス・フェスティヴァル現音楽監督ティム・イスフォートの「フェスティヴァルを当初の精神をもって続けていきたい」という言葉に背中をおされ流ように十数年ぶりにそこに足を運んだ。

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悠々自適 #87「花盛りのビッグバンド・ジャズに咲いた極上の一輪」

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ジョナサン・カッツがこれら日本の古い童謡や古謡を愛し、これら作品の上品な抒情性と風味を決して損ねることなくビッグバンド用にオーケストレーション化した。

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#12 「JAZZ ART せんがわ」存続を願う!

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11年継続した「JAZZ ART せんがわ」がこのまま終了してしまうとしたら非常に残念である。「JAZZ ART せんがわ」存続に向けてJAZZ ART 実行委員会が立ち上がり、4月17日にイベントを行い、現在Web上で署名活動を行っている。

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悠々自適 #86 Obituaries(訃報)をめぐって~名士達の死を悼む

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その児山さんがかつて大腸癌の大手術を経験した私より先に死出の旅に発つとは。人の運命とはまったく分からないものだ。

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悠々自適 #85「TOKYO TUCから巣立った才媛を、驚嘆ついでに、もう一度讃える」

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滝沢さんご夫妻と連れ立って私は TUC へと向かい、 TUC 最後の一夜を宮嶋みぎわグループの音楽を聴いて過ごした。

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#10 ジャズ史を著した2冊の本〜ヨーロッパ、日本
『The History of European Jazz』と『Free Jazz in Japan』

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今年出版された数多いジャズ関係の書籍の中でも特に注目に値する2冊の本について、英語での出版物であるが画期的な出版物だったので、敢えて取り上げることにした。

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悠々自適 # 84 秋のコンサートから

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このアイディアがひらめいたのは、ジャズの演奏家が普段は決して演奏しないクラシックの楽曲を演奏した聴きごたえのあるコンサートが幾つかあったからだ。

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#09 時代と共振しながら〜架空の物語の同時代性
多和田葉子『地球にちりばめられて』、ユーラシアンオペラ東京2018

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日常生活に溺れていると、混沌とした時代に生きていることを忘れがちだが、本を読んだり、ライヴやステージを観たりした時にふと様々なことを思い巡らすことがある。そのようなきっかけになった小説と舞台について、今回は取り上げたいと思う。

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悠々自適 #83「東京ジャズ祭 2018」

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ジャズが様式の呪縛から解放された清々しさを謳歌する一方で、様式の拡散がもたらした ”何でもあり” の自由な息吹がかえってジャズの誇り高い進行を阻害することもむしろあるのではないかと思ったりする。

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悠々自適 #82 「コンサートあれこれ〜バッハを巡って」

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ハービー・ハンコック、チック・コリア、キース・ジャレットがピアノ界を支配した時代にピリオドが打たれ、とりわけ21世紀はゴンサロ・ルバルカバ、小曽根真、そしてブラッド・メルドーの時代となった。

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#08 ミーティング・スポットとしての東京
〜JazzArtせんがわと秋のイベント/ツアー・シーズンを前に

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9月が刺激的な月になることは間違いない。来日ミュージシャン情報と冒険的な試みを行っているプロジェクトなどについて紹介したい。

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悠々自適 #81「The Lost Album  よみがえったジョン・コルトレーン」 

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いかに辛口の評価を下そうと、ジョン・コルトレーンの残した音楽は不滅であり、半世紀以上も前の演奏がこうして世界中のジャズ・ファンの注目を浴びる彼の偉大さをいま改めて思わずにはいられない。

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#07 『マシン・ガン』から50年

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ペーター・ブロッツマンがヨーロッパのフリージャズにおける最重要作のひとつ『マシン・ガン』を録音してから半世紀経つ。「怒り」を象徴するかのような攻撃的なサウンドといい、『マシン・ガン』はこの時代を表象するアルバムだ。そして、表現スタイルこそ違えど現代のオルタナティヴ音楽へのとば口を開いたのも彼らなのである。

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悠々自適 #80 「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」聴きある記

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これまで名前しか知らなかったアーティストやオーケストラの、それも思いもよらぬ素敵な演奏に触れて、事前にはまさに思いもしなかった感激に浸った3日間ではあった。

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#06 セシル・テイラーとベルリン、FMP

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ベルリンで接したテイラーはリラックスして自然体だった。周囲に彼の音楽の理解者が多くいるベルリンの空気に馴染んでいたのかもしれない。偉大なるモダニストの死に、心から哀悼の誠を捧げたい。

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悠々自適 # 79 「ニューハードと日本フィル」

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それも、ジャズのビッグバンドと、クラシックの方はフル編成のオーケストラという、このJazz Tokyoでも過去に一度も試みたことのなかった異色の顔合わせ。

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#05 現代ジャズの諸相の中で

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ヴィジェイ・アイヤー、ルドレッシュ・マハンザッパ、レズ・アバシ、フリー系ではジョン・イラバゴンなどアジア系アメリカ人の名前をジャズ・メディアで目にすることが近年多くなった。

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#04 コトバが伝えるもの ~ 詩:白石かずこ、音楽史/音楽批評:リチャード・タラスキン

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ここでは個人的に印象に残った2つの出来事を挙げたい。ひとつは白石かずこの全詩集『白石かずこ詩集成』と翻訳詩集『Sea, Land, Shadow』の出版とそれを祝う会、もうひとつは第33回京都賞思想・芸術部門(音楽)を受賞したリチャード・タラスキンの講演会である。

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悠々自適 #72「コンダクションと表現の自由について」

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それにしても、ジャズにおける表現の自由にはあらためて驚く。いや驚くのみならず、深い敬意を抱かずにはいられない。

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#76 第16回 東京JAZZフェスティバル

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クラブ(WWW、WWWX)演奏も注目を集めたことなどを含めて、渋谷に移転しての東京JAZZフェスティバルは第1回としては成功裏に再出発したといってよいだろう。

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悠々自適 #75 地歌ライヴに賭ける藤本昭子の闘志と偉業

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かくして第85回記念をうたった藤本昭子の<地歌ライヴ>は成功裏に終演した。この先どのくらい長く続くかは、言わずもがな彼女の健康と気持次第だが、みずからは冒頭の挨拶の中でにこやかに意中を披瀝していたのが頼もしくもあった。

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#03 アーカイヴ、未来へ遺していくもの

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日本ではどのくらいアーカイヴというものが認識されているのかわからないが、ジャズの研究は音盤のみで出来るものではない。それにまつわる様々な資料も含め、今後の歴史考証なり、文化研究等々のためにも遺していかなければいけないものなのである。

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#75 音楽的熟成度を達成したマリア・シュナイダー・オーケストラ

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オーケストラ・リーダーとして、オーケストラル・コンポーザーとして、この道一筋に歩んできたマリアだが、昨年の第58回グラミー賞では最優秀作曲家賞と最優秀ラージ・ジャズ・アンサンブル賞の2部門でベストの栄誉に輝いたことで、ある意味では長年にわたる彼女の努力と精進が報われたといっていいのではないだろうか。

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#02 カーラ・ブレイ

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カーラ・ブレイの作曲面でのアプローチ、既成のイディオムに縛られず、独自のメロディー・ラインやコード進行に依る世界はジャズにおける作曲と即興演奏を再定義させるもので、直接的、間接的に多くのミュージシャンに影響を与え、現代のジャズに繋がっている。

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悠々自適 #74 <クロード・ヌガロを聴いてチャールス・ミンガスに涙し、ミシェル・ペトルチアーニの狂気 を思い浮かべ、河田黎のクロード・ヌガロへの思いの深さに感嘆!>

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河田黎がこれらの楽曲、わけてもジャズへのアプローチが欠かせないヌガロの楽曲をこれといった迷いも逡巡もなく堂々と料理出来た裏に、ピアノの太宰百合の例外的な健闘があったことを忘れるわけにはいかない。

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#73 悲喜交々

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そういえば、近年、シャープな技量と豊かな音楽センスを持つ若いドラマーが続々と出現している。日本という限られたマーケットの中でもドラムス分野から注目すべき人材が来日しているのをご存知だろうか。

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#01 ユージン・スミスと「ジャズ・ロフト」、そしてモンク

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写真家ユージン・スミスといえば、日本ではまず「水俣」だろう。その彼がジャズ・シーン、それも音楽形成の場の証人だった時期があることはほとんど知られていない。

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#71 食べある記 XVI

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16回目の今回は、ニューヨーク・リコリッシュ・アンサンブル、Satoko Fujii Quartet、くりくら音楽会~二台ピアノ大作戦、ニコール・ヘンリー(Nicole Henry)を食べ歩く。

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#70 食べある記 XV

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世代交替は世の常であるが、それにしても昨今、一際優れた能力を持つ新鋭がジャンルの別を問わず、枚挙に暇がないといってもいいくらい次から次へと出現するさまは壮観ですらある。
6月に聴いたジャズ(系)・ヴォーカルの寸評を3つ。もう余白があまりない、最後にクラシックの演奏会から。

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#69 小さなホールで出会った喜びと驚き

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♩テクニックといい、表現術といい、演奏スケールといい、まさに舌を巻かざるを得ないソロ・サックスの妙技に酔った2時間余であった。(上野耕平:サクソフォン)
♩6歳を数えた2016年4月、<邦楽2010>が大きな春を迎えたといっていい小ホールでの出来事だった。(音のカタログ Vol.6)

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悠々自適 Vol.63「ジャズとミャンマーの古典音楽の間で~マイク・ノックと高橋ゆり」

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種を先に明かしてしまおう。実は、高橋ゆりさんとは現マイク・ノック夫人である。ノック夫妻とは私がオーストラリア・ジャズ界を視察した折りに懇意になった。

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悠々自適 #63 ジャズとミャンマーの古典音楽の間で
~マイク・ノックと高橋ゆり

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彼女はまず、ミャンマー古典歌謡を演奏する最もベーシックで代表的な演奏形態であるサインワイン(Saing Waing)・アンサンブルの紹介から講演を開始した。

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Vol.62 | イーダ、それからコルトレーン

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text by Masahiko YUH

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#54 食べある記 Xl

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年が改まってはや3ヶ月。時の流れは予想を超えて速い。早くも鞭が入ったかと錯覚するほど、2013年の幕が開いてほどなく、次々とジャズの威勢のいい演奏と出会った。そこで、その幾つかをピックアップすることから本年最初の<食べある記>を始めることにしよう。

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