Jazz and Far Beyond

内なる情熱がほと ばしる、能や歌舞伎の「静中動あり」にも通じるアジア的な表現へのシフト
ギター一本で、ハーモニカの旋律とともに、さがの歌は作品の実存を引き立てていた。
ヨーロッパのファンはオリジナルやインプロを真剣に聞いてくれる。
55回目となったメールス・フェスティヴァルは、会場を市街地に近い場所、中世に建てられたメールス城の近くにある広場に移し、5日間に亘って開催された。
不測の事態が重なりつつ。結果的に「没入型」とはまた異なる音楽映画が現前してしまう。
グランドフィナーレでは、鴈治郎が音頭を取り、上方歌舞伎の存続と支援を観客に向けて力強く訴えかけました。
ジスモンチ、ブラジル音楽に惚れ込んでいた人達が、初体験の人達を巻き込んで新たなコミュニティを形成する。
ポスト・クラシカルとカテゴライズされるヘニング。ライブで聴いた彼の演奏は、不自由な時代を過ごした人間が自力で獲得した「自由」のパワーと喜びに溢れていた。
未公開映像を含めた、ドキュメンタリー映画『カウント・ベイシー』を観て。
毎度ながらMODEに集まる若者の柔軟な感性には驚きと喜びを感じる。実験的な芸術を通じた「交換・交流」の場としてのMODEが支持されている証拠に違いない。
ジェリー・ヘミングウェイが来日、アイルランド在住のピアニスト木村泉とのデュオでのツアーを行った。
中川家3世代に加え、ドラムとチューバとバンジョーに世界的名手が勢揃いした「TRAD JAZZ COMPANY」は、古き良きニュー・オーリンズの音楽を現代に伝えるには日本一のスーパーグループ。ラ・フォル・ジュルネならではの大人の歓びのひととき。
関西で活動を積み重ねる独創的なトリオ・IOSUIが、はじめて関東でライヴを行った。演奏に向けた想いとともに、それぞれの来し方行く末についてインタビューを行った。
アムステルダム・コンセルトヘボウの『圧倒的に豊かな音』に愕然とした。箱物はやたらと増えているのに、こういうクオリティのホールを日本でも作ることは出来ないのだろうか?
世界で活躍し、ECMやブラジルもリスペクトする3人の初共演。素晴らしいオリジナルの数々を持ち寄り、他にジスモンチ、ホイーラー、ハーシュ、ウィンストン、ジャヴァン、谷川&武満なども交え美しく歌い上げた。
衒(てら)いなく穿たれた音は瞬時に柔らかさを湛え、響きは「通時」から「共時」へとその性質を変える。永遠のように慈しむ一瞬、内観とともにゆっくりと攪拌される「時」。
この若き音楽家パブロ・バジェは、まさにタンゴの奥深さと未来を背負っているのだろう。
サインホ・ナムチュラクが7年ぶりに東京で公演を行った。
今回は人ならば還暦にあたり、特別な興味を覚えた。ジャンル特定の小さめのハコを60年維持するとは世界にもめったになく、演奏を聴きに行くというより式典に参加するような心持で会場に向かった。
7回目を迎えた熱海未来音楽祭は、11月29日と30日の2日間に亘って行われた。
ちょうどその日は冬至に当たった。ゆず湯の代わりにアキオン(昭男の音)をいただいて、耳もからだも温ったまった。ほっこり満足のひとときだった。
トーマス・モーガンのベース・ソロ、トミーカ・リードのカルテット、その圧倒的な想像力と集中力。
矢沢朋子のピアノは、より深いところでのバーバリズムという新たな段階に進んでいることを感じさせた。
瞑想的なサウンドでありながらロックの覚醒感を伴う60分は、これまで体験した実験音楽や即興音楽では味わったことのない原初的な興奮と至福感に満ちていた。
伝統の中に落ち着くのではなく、八木美知依が探求している現代の音楽としての箏アンサンブルのひとつのマイルストーンとなる公演だった。
今年は大友良英が個人的にアジアン・ミュージック・フェスティヴァル (AMF) を始めてから20周年に当たる。それを記念した公演が行われた。
矢野顕子のソロと森山威男を中心とするクインテットで現代を生きるミュージシャンの今の演奏を聴かせる。
アルベルト・ノヴェッロの投射光がサウンドの媒体となり、ピエロ・ビットロ・ボンの執拗かつ強粘性のサックス、アンドレア・グリリーニの絶えることのない揺動とともに、全体として物語性をもつ即興演奏を繰り広げた。
このピアノトリオのサウンドはとても独特で、ピアノのプリペアドを始め3者がいろいろなエフェクトを使っている。
斉藤はきわめて優秀な奏者だが、彼に課せられた使命は偉大な先覚者を乗り越えることにある。
謝明諺カルテット台湾公演に見る日本のフリージャズ・ミュージシャンとの世代を超えた共演と交流。
現代作品においては、ギターが有するポテンシャルを、現代奏法を用いるなどしてどこまで高められるか。
音楽フェスティバル「Miło mi(ミヲミ)~サウンド・カルチャー:ポーランド×日本」は大阪で開催された国際交流企画。関西万博で海外文化への関心が急上昇した大阪の「なんばひろば」で賑やかなコンサートが続いた。
ロサンジェルス在住のピアニスト、ジョシュ・ネルソンのThe Discovery Project、2025年ヴァージョンでは、新加入ベーシストをフィーチャーし、東京と関西でツアーを行った。
ベース奏者ヴィニシウス・カジャードが初来日した。そのうち、立ち会うことができた東京での2夜について報告する。
<夜空ノムコウ>で知られるシンガーソングライター川村結花が30周年を記念してオールタイム・ベスト盤『Melody Maker』がリリース。メンバーの温かい想いと楽しさに溢れたバンドライヴが行われた。
それから43年が過ぎた。その2人がまだ大勢のファンの前にいて、幸せを送り続けてくれている、その光景に胸を熱くした。
池本が、NYでダニーと初めて会ってから10年。自分のislesで、同じステージに立てていることの幸せを、奇跡のようにかみしめている。
楽しみにしていた行本 清喜氏のSoulbleedのコンサートを観にNYCのNubluに出かけた。昨年動画を観た時から彼らのグルーヴに魅せられ、この日が来るのを首を長くして待っていた。生で体験した彼らのグルーヴは想像を絶した。グルーヴ・ヘヴン!
『超ジャズ』の刊行記念ライヴに出演したミュージシャンは3人。ビッチェズ・ブリューで定期的な演奏機会を得た纐纈之雅代(サックス、ギター、ヴォーカル)と香村かをり(韓国打楽器)、そして出演時のことを強烈に覚えているのなか悟空(ドラムス)である。
大阪・関西万博「ショパン・ウィーク」期間中開催の「ショパン作品をジャズで再解釈した特別な4公演」
ポーランドのレジェンド、アンドジェイ・ヤゴジンスキ(piano)も登場。ショパン・ジャズの歴史と現在を描く企画。
大阪・関西万博の関連プロジェクトとして、ポーランドのジャズ・アーティスト9組の公演が大阪と東京で行われた。ポーランドでとりわけ勢いのある音楽家、グループを間近で聴く貴重な機会となった。
テリ・リン・キャリントンが歌手のクリスティ・ダシールと組んでリリースしたアルバム『We Insist 2025!』は、マックス・ローチが1960年にリリースした『We Insist!』へのトリビュート作品。しかし本人がMCで話したように現代の視線により「reimagine」された音楽であり、驚くほど鮮烈だ。
NYCマーカス・ガーベイ公園で開かれたチャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティバルのリポート。
このトリオの結成初期から聴き続けてきたファンを、彼らはBlue Note Placeに連れてきたのである。そして彼らは、そんなプレッシャーを包み込むような高揚感に転化し、すばらしい演奏を聴かせてくれた。
ショーロクラブをはじめ幅広い活動で既視感のない音を追求する鬼才 沢田穣治。沢田を敬愛する立命館大学教授にしてピアニストの神子直之。ECMリスペクトを共有する2人の初共演が、両者のオリジナルにケニー・ホイーラーの名曲を交えて実現した。
二人はやりとりの名人芸を静かに展開した。速弾きへ向かう技巧の炸裂ではなく、互いに相手の出方に即興で反応するジャズの基本に立ち返る芸の確認で、二人の音楽的境地の達成と思えた。
ジェシカ・アッカリーがはじめての来日ツアーを行った。ジャズ・即興シーンでこの数年間注目度が高くなってきたギタリストである。
不気味さをまぶしたヴェルヴェットの弱音が無限に拡張してゆく異世界。皮膚全体から多孔的に染み入る波動に戦慄。次元が違う。
音響体験としても面白いコンサートだった。何よりも齢を重ねても好奇心旺盛なテリー・ライリーのチャーミングさとその創造意欲に感銘を受けた。
70歳を超えてもなお、ストイックに挑戦を続けて自分を磨き続けるパット・メセニー。2025年のソロ・コンサートは、2024年をはるかに上回る驚異的なクオリティだった。
シカゴのフリージャズ・シーンにおける活動が長いタツ青木だが、このところ帰国して東京での演奏を行う機会が増えてきた。今般の再来日で組まれたギグ、さらに先行する形での舟遊び。
エリック・ミヤシロの呼びかけで結成されたトランペット奏者4人からなる新ユニット「4TRP. Legends」は、世界中の人にレジェンド達の魅力とトランペットの魅力と無限の可能性を伝えていくことだろう。
奇しくも現実のコンクラーベが後を追うことになった珠玉のミステリー映画。映像美と研ぎ澄まされた音響に惹かれるが、主人公ローレンス枢機卿の苦悩と葛藤に「バシェの音響彫刻」の一種を、緊張感の表現に弦楽器のスタッカートの旋律を多用しているのが印象的だ。
今回、その場をキーファー作品が占め、その存在が語りかけてくることに存在で返すと、田中泯はパフォーマンスの後に語っていた。
こんなピアニストがいたという発見と、その哀惜の念をこんなかたちで映像表現できるという驚嘆に心を持っていかれた。
台湾の謝明諺が「大」が付くヴェテラン安田芙充央と初共演。注目度が高かったようで、会場には台湾から日帰りで観に来た猛者もいた。
ポーランドの現代ジャズを紹介するイベント、ライヴ、トークショー、DJの3部構成。
元「オルケスタ・デ・ラ・ルス」の創立メンバーを核にした、少し懐かしさのある強力なサルサ・バンド『オルケスタ・デラックス』がデビューした。「デラックス」というだけあり、楽しさもメンバーも超豪華だ。
アートのパワーは人々のパワーに通じている。
初めて生演奏による今回のケルン・コンサートを観賞した感想の総括としてはやはり生演奏は素直にいいものだ。
今年で10回目となる田村夏樹・藤井郷子の昼夜ぶっ通しライヴ「あれもこれも」が2月2日に新宿ピットインで開催された。
若手の沼尾と鈴木がベテランの大友、磯端とそれぞれデュオ・セッションを行う。
などでルイの複雑な気持ちを伝える場面もあり、この話題を避けてはいないのも良かった。
ソプラノサックス奏者、Joe Rosenbergが率いる2管コードレスカルテットには、関西拠点のプレイヤー3人が加わった。中身の濃いインプロヴィゼーション、曲展開の面白さは、今年も期待通りだった。
色彩豊かな音世界を描く3人が2月大阪に初めて集い、衝撃のケミスリーを生み出す奇跡のライヴとなった。4月20日、下北沢「No Room for Squares」で東京初演を予定しており、この奇跡の出会いとサウンドをぜひ体感して欲しい。
今回は必要性に駆られ、ケンドリック・ラマーのスーパーボウル・ハーフタイム・ショーを取り上げた。どのニュースメディアも「この先何年も語り継がれる」と評価したラマーのアメリカ批判メッセージは確実に彼の天才性をヒップホップ界以外にも知らしめることになった。
「この2人、恐ろしいほど進化してる!!」期待を遥かに超えた素晴らしい演奏だった!
数十年間偽名で逃走した挙句、死の間際医師に「桐島聡として死にたい」と訴えた。
じわじわとした独特の「ゆらぎ」の境地と甘やかなる思索性-このボーダーレス時代にはいかにも得難い。
北欧から即興演奏のトリオが来日した。コントラバスのクリスティアン・メオス・スヴェンセンは過去に何度も来日しており、またポール・ニルセン・ラヴ(ドラムス)、田中鮎美(ピアノ)らとの共演で国内でもわりと認知度が高い。ドラムスのクレステン・オズグッドは菊地雅章(ピアノ)やドクター・ロニー・スミス(オルガン)などレジェンドとの共演盤を残しており経験豊富だ。バスクラリネット、クラリネット、フルートを吹くアンドレアス・ロイサムは初来日。
ロバート・グラスパーがボストンに来ると必ず出かけているが、ピアノ・トリオでのライブは初めてだった。あまりの凄さに失神寸前だった。なぜこんなに彼らに魅了されるのか、理解できないから何度でも足を運んでしまう。
ロンドン、アヴァンギャルド音楽の聖地「カフェOTO」での3日連続公演の最終日は、「あまちゃん」と盆踊りのプログラム。大友はこれが受け入れられるか不安だったが、スタンディングの観客が大熱狂しひとつになる感動の夜となった。
八木美知依がこれまでにない顔ぶれで演奏するというので、下北沢 Lady Jane へ出かけた。
エキセントリックな軸に振り切ろうと思えばいくらでも「スタイル」らしきものを提示できる選曲ながら、舘野も有吉もそうしたエゴとはひたすら無縁である。
NYで活動を続ける石当あゆみ(サックス)のミニツアーが行われた。再演のほか新たなミュージシャンとの手合わせもあり、ふたたび東京の即興シーンに足跡を残した。
シフの実際の演奏は録音を遥かに凌駕する。定評あるバッハだけでなくベートーヴェンのソナタ3曲がとりわけ素晴らしかった。
ジョビンと坂本龍一が繋いだ日本とブラジルの深い音楽の絆。優れた音楽は新たな手により、形を変え世界に受け継がれていく事を実感させるライブだった。
演奏曲はほとんどどがマリアの作曲で、鳥など自然や身の回りのことが発想の元になっている
香港映画のサウンドトラックの多様さやすばらしさに改めて気づき、より深く知るきっかけにもなった
この日のためにオーガナイズされた11人編成のスペシャル・バンドによる貴重なライヴ
UKジャズの奇才ジョー・アーモン・ジョーンズがBaroomで栗原健を迎えて行なったスペシャル・ライヴ
JAZZ ART せんがわの面白さは独自のプログラミングにある。総合プロデューサー巻上公一、そして坂本弘道、藤原清登という3人のプロデューサーの協働体制が功を奏して、間口が広く、新たな出会いのある開かれたフェスティヴァルになっている。
ECMレコードというのは、マンフレート・アイヒャーという「耳の音楽家」によって選ばれ繋がれた、膨大な量の世界の音の図書館である。
政情不安で治安も悪く、貧しい家庭から希望を持ってオーケストラの練習に励む子ども達、希望の星であるスター指揮者ドゥダメル、その試練と苦悩。感動する。間違いない。感動した。
このコンサートは、ピアニストの矢部優子がYouTubeでたまたま聴いたアイヌの子守歌<60のゆりかご>に心を動かされ、アポイントひとつ取らず北海道まで旅をしたことに端を発する。演奏が終わるころ、ホールは多幸感に満ちていた。
時に刃(やいば)のような協奏を各々のソロが受け止める刹那に覗く、流れ落ちるパッション、それを単音に収斂させるタフネス―目の当たりにする度に、クァルテットを構成する個人と総体、その互角の強度を再認識する。
舘野泉を触媒として更新される音風景は、拡張を止めない。
今年の「秋のアキ」は新たな出会いがあった。それが何らかの形で今後繋がっていけばいいなと思う。
北村は今年95歳(!)だが、クラリネットの音色は世界一美しいのではないか、と思わせるほど澄んでいる。
『Love Supreme』のコルトレーンでしられる黒人写真家チャック・スチュアートの回顧展とライヴ。
脊椎損傷から再起した天満敦子の<望郷のバラード>と寺島夕紗子の<さとうきび畑>の完唱に胸を熱くした。
ジルにまた会える、それも京都で会えるとは思ってもみなかった。御年八十うん歳、今回は三人息子と孫娘のファミリー・バンド、最小限だが信頼は厚い連中で後ろを固め、休憩なし、気がつくと二時間。
完全に今を生きたものであり、即興音楽の枠組みを超えた新しい表現だった。
異能のサックス奏者クリス・ピッツィオコスが7年ぶりの来日を果たした。ここでは、東京における3箇所のギグを報告する。
どんなに激しくとも、決して攻撃的でも破壊的でもなく、微光に包まれるような、どことなく温かな手触りが感じられる、じつに不思議な演奏
ベーシストの阿部真武とギタリスト/サウンドアーティストの津田貴司によるソロ&デュオ。大阪市、阿波座のシェ・ドゥーヴルにて充実したライヴを体験した。
たしかに心底から魂を揺さぶられる感動的なフィナーレではあった。
展示作品そのものが演奏の方向性に強く関わっている。
4時間に亘るイベントは、表現者としての彩Sayaの今後の飛躍を予感させる生命感に溢れていた。