Hear, there & everywhere #15「RIP ミシェル・ルグラン〜尋ねびと」

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text by Kenny Inaoka 稲岡邦彌
photo by Ken Asakuma 朝隈賢治

ミシェル・ルグランが亡くなった。1月26日のことだ。享年86。
ローリング・ストーン誌の伝えるところによると、彼が亡くなったのはパリの自宅で、26日、土曜日の早朝。ベッド際には愛妻のマチャ・メリルがいたそうだが、死因は未だ不明とのこと。
編集者のつねで、すぐに内外のカメラマン、関係者に写真を問い合わせたが入手できたのは1点のみ。カメラマン米田泰久氏が2011年9月に東京JAZZで撮影したもの。米田氏は、マイルスの『We Want Miles』の黄色いジャケの写真を撮影したカメラマンで、これも何かの縁だろうか。JazzTokyoでは、2008年3月に当時ボルチモアに住んでいたジャズ・ピアニストで心理学者の須藤伸義氏にバードランドに出演中のルグランへのインタヴューを依頼、掲載したものの、サーバーを移転した際当時のウェブ・マネジャーの不手際でデータの一部を積み残し、サーバー管理者に削除されてしまったためアーカイヴから消えたままになっていた。ルグラン死去の報に接しインタヴューを復活させるべく、原稿を求めて4代前のiBook、外付けHD類までくまなく探したものの発見できず、今はサンディエゴに居住する寄稿者の須藤氏に救いを求めた次第。併せて古谷英介氏の写真2点も得られ30日に無事、インタヴューの復活に成功。一方、インタヴュー復活に先立って、逝去の翌日、コントリビューターの神野秀雄氏が2018年のブルーノート東京への出演と、同年のECMアルバム『Norma Winstone / Descansado – Songs for Films』 に触れたニュースを投稿してくれた。
そんな折りも折り、Facebookの友人を共有する知り合いとデューク・ジョーダンの話になり、話題が『危険な関係のブルース』に飛んだ。その翌朝のことだ、Jazz on the Tube からなんの前触れもなくバルネ・ウィランが演奏する<No Problem>のビデオが送られて来た。それを彼に転送したところ、あの気むづかしいバルネが唯一心を許した日本人がいる、という情報とともにバルネの写真が添付されて来た。なんとも雰囲気のある素敵な写真だ。撮影者は朝隈賢治といい、仕事でパリ滞在中に好きなジャズクラブに通い、ミュージシャンの許可を得て何枚も写真を撮ったという。趣味は、ジャズとカメラとオーディオ。それを聞いただけで、朝隈さんの人となりが目に浮かんでくるようだ。「ところで、その写真の中にミシェル・ルグランの写真はないか?」との問いに、折り返し1点の写真が添付されて来た。1989年撮影の椅子に腰をかけてポーズをとるルグランがそこにいた。撮影者の要求に応える気持がないと見せない穏やかな表情が見て取れる。写真の言われを問い質した。彼が撮り溜めした多数の写真の中から十数点を選び出し、ポストカードとしてレイアウトしオーストラリアの専門業者に印刷させたものだという。それをごく親しい友人の何人かに贈呈したが、彼がその中のひとりだったという。バルネ、ルグランのほかには、NHOペデルセン、サム・ジョーンズ、エルヴィン・ジョーンズ、テディ・エドワーズ、レイ・ブライアント、アート・テイラー、ズート・シムズ、ジョー・パス、ダニエル・ユメール、ソニー・ロリンズ...。なかで異色は、東京で撮影された1975年のマイルス・デイヴィス。趣味で撮影された写真はそのほとんどが公開されていないという。朝隈さんを紹介してもらうべく、F友にすぐ連絡を依頼した。ところが、5年前まで交信していたというメールと自宅の電話はいずれも不通になっているという。ネットで検索するもヒットはなし。
どなたか、朝隈賢治さんの消息をご存知の方はおられないだろうか。

稲岡邦彌

稲岡邦彌

稲岡邦弥 Kenny Inaoka 兵庫県伊丹市生まれ。1967年早大政経卒。音楽プロデューサー。著書に『改訂増補版 ECMの真実』編著に『ECM catalog』(以上、河出書房新社)『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)。Jazz Tokyo編集長。 https://www.facebook.com/kenny.inaoka?fref=ts

One thought on “Hear, there & everywhere #15「RIP ミシェル・ルグラン〜尋ねびと」

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    2019年2月23日 at 5:11 PM
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    朝隈けんじさん、現在一緒に働いています。ただ、同一人物かは分かりません。昔、パリに住んでいてカメラが趣味でジャケ写を撮ってたまに仕事をしていたという話をききました。

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