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小野健彦の Live after LiveNo. 278

小野健彦のLive after Live #150~#156

texts and photos by Takehiko Ono 小野健彦

#150 4月11日(日)
新宿ピットイン
http://pit-inn.com/

山崎比呂志(ds) 本田珠也 (ds)

例年に比して一層歩みの遅い今年のLaL。今日で数えることやっと今年13本目。
ライブの現場は、新宿ピットイン。
今宵はまさにここでしか実現し得ないであろうプログラム、山崎比呂志氏と本田珠也氏のドラムスDUO!
実はこのプログラム、コロナ禍に阻まれ、2度にわたる中止・延期を経て、今宵3度目の正直でようやく実現の運びとなった。
ここ数年、山崎氏のごく近くに居る者のひとりとして思い返せば、今夜のきっかけは、’19-11/3同所での「あれから50年〜ニュージャズホールを知ってるか?」公演に迄遡る。
その日、昼の部出演を終えて店内に残っていた珠也氏が、夜の部2グループ目のステージを終え店内後方カウンター付近に姿を現した山崎氏に声を掛け、将来的な競演の打診をしたのが始まりだった。後日、山崎氏と会話していると、珠也氏の記憶は、氏が20歳くらいの時(=約30年前)にアケタの店で初めて聴いて以来のことだったため直ぐには珠也さんとはきづかなかったそうだ。
そんな長きに亘る時空を超えて邂逅した今宵のDUO。
ドラム2台に居並ぶ光景は、まさに、宗達の「風神雷神図屏風」に似て、なんとも絵になるものだった。
一方で僭越ながら、おふたりの性格から想像するに、事前の綿密な演奏プランの打ち合わせなどなかったであろう。そこでは、互いがタイコを通して思いの丈を吐露し切る。その先に何が見えるのかをご本人達も天に任せたのだと思う。
しかし、そこは世代こそ違えどタイコという魔物に人生をかけたふたり。とにかく徹頭徹尾耳をスマしつつ互いの次の一手に瞬時自在に反応しながら鮮烈過ぎる同期と解体を繰り返して行った。しなやかで惚れ惚れする程の身のこなしから繰り出すバチ捌き。山崎氏は、自らの左脇に据えた大きな銅羅やタムタムの位置に配した和太鼓などで、一方の珠也氏はハンドゴングや鈴などを効果的に駆使して色彩感溢れる音場創りを行った。両セット共に、約40分間の緊張感溢るる音の交歓に接していて、土俗的なリズムやオリエンタルなムード等を感じる中で、アフリカで生まれカリブ海・北米大陸を経由して世界中に伝播したジャズという名の種子が、ここ東洋の小さき島国でも、この国固有の音楽的イディオムを内包しながら骨肉化しようとする表現者によって世代を超えて脈々と受け継がれて行く、そんな稀有な歴史の瞬間に立ち会う事が出来清々しい気分になれたひとときであった。

共に最後の一撃を振り下ろした後で交わしたかたい抱擁がこの夜の全てを物語っていた。終演後の山崎氏のMCは「今日があくまで始まりです」と。
互いに対する強いリスペクトに支配されたこの両者の競演、是非共再演を望みたい。
最後にひとつ、山崎氏の最近の口癖をご紹介しよう。
「俺なんかまだまだ鼻垂れ小僧、嗚呼、もっと上手くなりたい!」いやはや実に驚くべき81歳と目下脂の乗り切った51歳の余りにも美しい邂逅の夜だった。

※尚、本日の演奏中の写真は、ピットイン・スタッフの方々のご厚意により撮影頂いたものを添付しております。


#151 4月14日(水)

日吉・WWY(Wonder Wall-Yokohama)
https://www.wonderwall-yokohama.jp/

赤坂由香利(vo&p) 古野光昭(b) 関根英雄(ds)藤陵雅裕(as/ss)

朝から続いた雨模様も夕方には曇天に変わる幸運に恵まれて、河岸を再び神奈川県内に戻し進むLaL。
今宵のライブの現場は、日吉・WWY(ワンダーウォールヨコハマ)。
こちらのハコ訪問は’17/11以来2度目となる。
ご亭主の池田紳一郎氏は、地元日吉出身で、小学校やコミュニティ商業スペース等での音楽イベント開催を通じて街の活性化を積極的に推進するなど、地元ではつとに知られる謂わば頼れる兄貴的存在。
そのWWY、安心・快適な「音楽レストラン」運営を目指した業界団体〈日本ライブレストラン協会〉設立にも尽力した池田氏ならではの万全の感染対策の下で行われた今夜のライブは赤坂由香利氏(vo&p)のカルテット公演。共演は、古野光昭氏(b) 関根英雄氏(ds)藤陵雅裕氏(as/ss)〈私はお初!〉の面々。

赤坂氏とは、昨年暮れに念願(2000年録音の『Blue Prelude』盤を聴いてから)のご縁を頂いて以来、DUO→TRIOと氏の世界観を聴き進め、今宵は更にQUARTET編成でのご対面となった。

ステージが幕開けし、前・後半両セットの冒頭に快適なボサ調を纏って配置されたJ. マンデル作曲の映画主題歌、それらは即ち〈Sucide Is Painless〉と〈The Shadow Of Your Smile〉に導かれて披露された各曲はいずれも多彩な曲想を持ち、こちら聴き人を決して飽きさせないステージ構成の妙味に溢れていた。スウィング・テンポひとつとっても、緩やかな〈I Didn’t Know What Time It Was〉からミディアム調の〈Just in Time〉や〈I Want You For Always〉更にはハード・ドライヴィングの〈Beautiful Love〉迄緩急自在。他では〈Willow Weep For Me〉にはなんともブルージーな仕立てが施され、〈It’s Easy To Remember〉は、4人がまるで密やかにお伽噺を紡いでいるかのようだった。本編後半で古野氏とのDUOで供された赤坂氏の最近の十八番〈Here’s To Life〉では、決して感情過多に陥らずこの曲の深層を掬い取りながらストレートに唄い込む懐の深さも見せてくれた。

引き続き時短営業の続く約45分ずつのステージにあって、古野氏が、持ち前の豊潤な艶とコクを宿した重厚なビートでボトムを盤石に支え、関根氏は、バンド全体のバランスに十分配慮しつつ的を得た打点でバンド全体を引き締めにかかる。藤陵氏は、その伸びやかで明朗なキレのあるトーンでサウンド全体を軽やかに浮揚させる一方で、随所で見せる翳りのあるフレージングが説得力のある語り口を帯び音場にスリリングな熱量を持たせるのに大きな役目を果たした。(なるほどこの辺り、並居るジャズマスター達が重宝したのもうなずける)赤坂氏は、そうしたメンバーそれぞれの持ち味を十分に掌握しつつも、自らの志向する美の世界観を獲得すべくリーダーシップを如何なく発揮して、ピアノにボーカルにと、こちらもその非凡な才能をみせつけてくれた。ともすると、甘ったるい雰囲気満載のラウンジミュージック調にも陥りかねないこの編成も、リーダーのハッキリとした性格とメンバーの多彩な音楽的バックグラウンドとの幸せな出会いの中でトータルサウンドとして骨太の音創りを披露してくれた点で、おおいに聴き応えのあるものだった。

#152 4月18日(日)
歌舞伎座
https://www.kabuki-za.co.jp/

「勧進帳」五代松本白鸚  十代松本幸四郎

今日のライブは歌舞伎だ。そのライブの現場は、ご存知の東京・東銀座・歌舞伎座。

隈研吾氏と三菱地所の共同設計によりオフィスタワーと合築した複合施設として新装されたのが’13/4だからもう8年前。その時の移ろいの速さに驚いてしまう。

かく言う私も学生の頃、旧歌舞伎座時代にはあれだけ繁く通っていたのに、今回は’17/3以来2度目の訪問。
今日は、昼夜合わせた全三部制の内、11時開演の第一部を鑑賞。
この部の二作品の内、お目当ては、「勧進帳」。
こちらの勧進帳、能の「安宅」を下敷きに創られ、市川団十郎(成田屋)が選定した歌舞伎十八番に入ることを知らない方は少なかろう。
源義経とその家来・武蔵坊弁慶らの一行が、逃避行を続け、北陸道の加賀国安宅の関にやって来た際、義経捕縛と待ち受ける関守富樫左衛門との緊迫の攻防が大きな山場となるが、舞台は長唄の名調子と相まって終始気の抜けない名場面が続いてゆく。
1840年の初演以降、「あたかの関」ならぬ「またかの関」とも呼ばれる程繰り返し上演されて来た歌舞伎の世界では謂わばスタンダード中の珠玉の超スタンダード演目。
黒澤明監督の「虎の尾を踏む男達」は、この「安宅」「勧進帳」に題を取っているし、赤塚不二夫氏の葬儀に際してのタモリ氏の弔辞文は白紙だったのでは?との憶測は、この弁慶の安宅の関における白紙の勧進帳読み上げにヒントを得たものだったのでは、など関連する話題にも事欠かない。
今月の四月大歌舞伎では、その弁慶役を日替わりで、五代松本白鸚と十代松本幸四郎の(高麗屋)親子がダブルキャストで演じ分けるのが最大の呼び物。
今日はA日程。白鸚の弁慶、幸四郎の富樫というキャスト。(因みにB日程の富樫は尾上松也)白鸚丈は、1942年生まれの御年78歳。
興業史上最高齢での弁慶役であり、今月の公演が終わると通算上演回数実に1,162回を数えるというから更に驚いてしまう。
そんなまさに、渾身の至高の芸にこれから触れるのかと思うと自然とこちらの背筋も伸びるような心持ちで臨んだ鑑賞のひとときだった。
果たして、舞台の幕開きから、弁慶の飛び六方による引っ込み迄の約70分間。息つくひまなく、そこには各々の役柄に極めて相応しい「雰囲気・らしさ」が横溢した。
その、歌舞伎で言うところの「仁(ニン)」を鮮やかに表出させた、弁慶の剛毅とおかしみ、富樫の毅然と寛容の口跡と所作は、供に迫真に迫りこちら観客の心を強く打つものであった。

最後に、これは幸四郎丈もとあるインタビューで触れられていたことであるが、この演目の面白みのひとつに一見主役と思われる弁慶が実は完全な「受け役」として描かれている点がある。全編を通して弁慶から台詞を発する場面は極めて少なく、その殆どが前言を受けてからの芝居となる。すると畢竟、相手を真っ向から受けてから自らを表現し切り、更にその後で再び相手に返すという至難のやり取りが迫られることとなる。丈曰くは、その点をわきまえているか否かで弁慶役の幅が大きく違ってくる、と。
それは、敢えて私の好きなジャズライブに置き換えれば、完全なるDUO編成での阿吽の信頼関係に裏打ちされた極度の緊張感に支配されたインタープレイの如き圧倒的な様式美の探究とでもいえようか?
しかし、なんとも厳粛で幸福な「芸の伝承」と「血の継承」の現場に立ち合わせて頂き覚醒した春の日曜日の昼下がりだった。

#153 4月21日(水)
合羽橋 jazz & gallery なってるハウス
http://www.knuttelhouse.com/

山崎比呂志+井野信義氏 TRY-ANGLE
山崎比呂志(ds) 井野信義(b) 林栄一(as)

今夜のライブの現場は、合羽橋・なってるハウス。
ステージには、山崎比呂志氏(ds)のTRY-ANGLEが登場した。
来る6/23に没後30年を迎える高柳昌行氏の下で研鑽を積んで以来の盟友井野信義氏(b)と共に新旧の卓越した表現者を招くこのユニットの今夜のゲストは林栄一氏(as)。林氏の客演参加は今日で既に4回目を数える(もっともその中の一度は纐纈雅代氏がゲストの新宿の夜に途中参戦であったが)。今宵は、「蔓延防止等重点措置」を受け、18時開場・18時半開演・20時完全撤収の体制下で行われる限定1セットの触れ込み。謂わば時間制限1本勝負の超凝縮濃密戦の体である。
演る側も聴く側も、一瞬でも気を抜いたらもう負け、とでもいうような得も言われぬ緊張感が開演前から場内を支配していた。
しかしそうしたストレスは、この百戦錬磨の強者達にとっては、アクセルにこそなれど、ブレーキになどならないのは自明の理。
ほぼ定刻通りの開演早々、瞬時にして三巴となった音の塊は、一切のマンネリズムを排除しつつ、一瞬の淀み無く、転がり続けて行った。
結果的には、約15分の休憩を挟み、図ったように30分きっかりずつと見事にまとめ上げた2セット。三人から発せられる突風・烈風・そよ風・凪の密度は、刻々に凝縮を極めた。一夜75分、フルスロットルで三者が駆け抜けた刹那のその後には、序破急のアクセントも鮮やかな幾重もの斬新な風紋が残されていた。
しかし、改めて、こうしてあの「山崎比呂志さん」がお元気でタイコを叩き続けている姿に間近で接して居られるのは、やはり夢のようだ。こんな世情だからこそ、尚のことその幸せをしかと噛み締めた夜だった。

#154 4月23日(金)
横濱エアジン
http://www.airegin.yokohama/

小林洋子(p) 小美濃悠太氏(b)

3/21に幕開けした今年のLaLでもまだまだお馴染みのご亭主の御顔を拝見出来ていない未踏の河岸は数多あり、今夜はその最右翼のひとつ。
ライブの現場は、横浜・エアジンだ。
その訪問は、10/8小林洋子氏の『Beyond The Forest』レコ発以来197日振り。
今日は最近のリハビリの成果に自らも後押しされながら急な階段下から単独でのエアジン山登頂を試みた。3Fの店舗に到着し、年季の入った木製のドアーを開けると、懐かしい聴き人仲間の先輩や、ご亭主・うめもとさんの笑顔と、更には今宵の表現者がいつものはにかみ顔で出迎えてくれた。そう小林洋子氏(p)である。

「悠々と急げ」を座右の銘に、各種編成で現在好調を極めているその洋子さんの本日のお相手は、小美濃悠太氏(b)。その小美濃〈omino〉氏、実は’17/11第一回森の音楽祭@石神井公園で、僅か30分程の演奏を一度だけお聴きして以来気になっていた存在。このコンビ、今宵がDUOとしては3回目(全て同所)の共演というが私は初見。冒頭のこの季節にお似合いの洋子さんの涼しげなオリジナル曲からまずはおふたりの相性の良さに驚く。私にとって洋子さんは、その極めて繊細でたおやかな抒情的表情よりも、辛島文雄師直系の頑固なまでに抑制された熱情溢るる強靭さに旨味を感じ繁くそのライブに足を運んでいる訳だが、今宵の小美濃氏からも同質のものが強く感じ取れた。強靭さと強靭さが共に阿(おもね)らず、思慮深く溶け合うところから生まれる訴求力満点でいながらもおしつけがましさのないしなやかさに溢れて….。歯応えのある音創りがなんとも清々しい夜だった。

#155 4月24日(土)
学芸大学 Jazz Bar & Diner A-TRAIN
http://atrain-jazz.com/

大友義雄 (as) 大口純一郎 (p)

今宵のライブの現場は、LaLとしては初めてご紹介のハコ。学芸大学A-TRAINだ。
店は、東急東横線学芸大学駅西口から徒歩30秒とそのアクセスの良さは抜群。
さて、ライブの雑感に入る前に….。ここに一枚のLPがある。
『OH! FRIENDS 大友義雄』(’76録音FRASCOレーベル)。それは当時30歳を目前にしたアルトサックスの大友氏が同世代のピアニスト大口純一郎氏とベースの小杉敏氏、更には少し年配のドラム渡辺文男氏らを交えて、スタンダードと大友・大口両氏のオリジナル曲を快演した名盤として、度々我が家のターンテーブルに乗って来た作品である。
今宵は、その大友氏と大口氏が45年の時を経て完全DUOで対峙するとの報に触れ、居ても立ってもいられず家を飛び出した。
果たして、引き続き時短営業の続くセット構成のステージにあっても、おふたりの演奏は終始溌溂さに溢れた。それは四囲の世情を受けて、靄のかかったようなこちら聴き人の心持ちを綺麗さっぱり洗い流してくれるいかにも胸のすくような瑞々しく快活なコラボレーションだった。中でもステージ後半で飛び出したアブドゥラー・イブラヒムの佳曲〈wedding〉で見せたふたりの雄大な世界観は白眉であり、今夜の最大のクライマックスと言えた。

最後に、ステージの最終盤では、それまでカウンター内で立ち働いていたママの下總〈シモウサ〉佐代子さんがマイクを握り〈In The Small Hours〉をしっとりと歌いあげてくれたのだが、その飾り気の無い説得力にはビックリした。(こちらの佐代子ママ、自らのリーダーアルバムもある方と後から知り首肯した訳でもあるが)しかし、この地で創業8年を迎えるこのお店、共に切り盛りする息子の淳也さんの手による料理の充実度も極めて高く、そちらのほうでもおおいに楽しませて頂きました。

※尚、大友。大口両氏の演奏中の写真は、お店より提供頂いたものを添付しております。

#156 4月25日(日)
横浜・希望ヶ丘  Jazz Live house CASK
https://jazzlivecask.wixsite.com/cask-kibougaoka

大隅寿男(ds) 大隅卓也(as)遠藤征志(p)永松徳文(b)大澤理央(vo)

東京都に3回目の緊急事態宣言が発出されたこの日。
私の今日のライブの現場は、横浜・希望ヶ丘CASK。
14時半開場・15時開演の「アフタヌーンライブ」に登場したのは、大隅寿男氏 (ds) のグループ。メンバーは寿男氏の御子息卓也氏(as)遠藤征志氏(p)永松徳文氏(b)に更に大澤理央氏(vo)が加わるというもの。(私は、バンマス以外は、皆さん今日がお初)
ここで唐突に。別稿の通り、私はこの日からちょうど1週間前の四月大歌舞伎で、「高麗屋」親子の「勧進帳」共演を堪能したのだが、今日は本邦ジャズ界にあって、スウイングの一本道に自らの美意識の追究をかけた「親子鷹」の共演に幸運にも立ち会うことができた。
立ち会う遠藤氏のプレイはアイデア豊かに多彩でリリカルに富み、永松氏は、その安定した丁寧なコードワークでメンバーが自由に遊び回れる適切なスペースを保持して行く。それらを一手に引き受けたバンマス・寿男氏が大きなうねりを持ったビートでバンド全体を鮮やかに鼓舞し(=うたわせ)にかかる。卓也氏の、伸びやかなトーンと捻りの効いたフレージングはこのバンドの世界観を拡げるのに大きな役目を果たしていた。
そんな男衆に支えられて、大澤氏のボイシングは弾けに弾けた。そこでは、お得意のブラジル物を中心にその確かな歌唱力と共に自らパンデイロ等を器用に操りながら、単に心地良いだけの耳触りの良いサウンドでは決して終わらせまいという確固たる心意気のようなものも感じられ、おおいに好感が持てるステージングだったと言えよう。
スタンダード中心のセット構成では、との事前予想はあっさり裏切れた、ブラジル音楽満載の快活な日曜午後のひととき。完全2セットも久しぶりに堪能し、清々しい気分で帰路に着いた。

小野 健彦

小野健彦(Takehiko Ono) 1969年生まれ、出生直後から川崎で育つ。1992年、大阪に本社を置く某電器メーカーに就職。2012年、インドネシア・ジャカルタへ海外赴任1年後に現地にて脳梗塞を発症。後遺症による左半身片麻痺状態ながら勤務の合間にジャズ・ライヴ通いを続ける。。

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