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和歌とジャズ 山田詩乃武No. 334

和歌とジャズ #005「八雲立つ」とモーニン(Moanin’)

text by Shinobu Yamada 山田詩乃武

八雲立つ出雲八重垣妻籠に
八重垣作るその八重垣を

この和歌は神代の時代、須佐之男命が櫛名田比売と結婚した時に詠んだ最古の和歌とされる。歌意は(出雲の空にある群雲のように幾重にも塀を作って、大切な新妻が住む新居を建てたことだよ)。

何度も声に出して詠ずると、弾むような躍動感とともに新婚の嬉しい気持ちが伝ってくる。

後世に至るまで多大な影響を及ぼし蕉門俳諧においても特に尊重された歌学史上の雄編『八雲御抄』。著者は承久の戦いに敗れ、佐渡に配流された順徳天皇で在位中に稿本をまとめ、佐渡で補訂し完成したといわれる。「八雲」は転じて「和歌」を意味し「八雲立つ」は枕詞にもなっている。

「モーニン(Moanin’)」は1958年、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズによってブルーノート・レーベルから発表された「モーニン」のタイトル曲で「蕎麦屋の出前持ちも口ずさむ」というほど広く知られたファンキー・ジャズを代表する大ヒット・ナンバー。モーニン(moanin’)はmoanに由来し、意味は「うめく、唸る」。

「荒ぶる神」須佐之男命の‵やんちゃ′な一面と「モーニン」のファンキー(funky)さ、この和歌の重句とモーニンのリズムがシンクロナイズ(synchronize)する。

 

山田詩乃武

山田詩乃武 やまだしのぶ 歌人・文筆家・佐渡郷土史研究家。 新潟県佐渡島真野新町生れ。新潟県立佐渡高校、青山学院大学経営学部第Ⅰ部 出身。農林水産省補助事業 6 次産業化中央サポートセンター プランナー他、公私の委員、理事、顧問を歴任。著書に『順徳天皇 ― 御製で辿る、その凛烈たる生涯 ―』(PHP 2021)。2025年、小説『憂き世をば ―順徳天皇物語―』上梓予定。趣味:ジャズ&オーディオ。

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