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特集『ECM: 私の1枚』

須田晶子『Keith Jarrett / The Melody At Night, With You』
『キース・ジャレット/ザ・メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』

様々な素晴らしい作品の中から一つだけ選ぶのはとても困難でしたが、やはり最終的にはこのKeithの作品に私の心は戻ってきてしまいます。

世界中を駆け巡って活動していた矢先にパタンと活動が止まってしまった時間。それは言葉には変えられない時間だったと思います。彼にとって辛く衝撃的な時間を当時の奥様が支えた時のこの作品。

他のECMの作品とは音質が異なりますが、飾らない音質、飾らないけど様々な感情を巡らせ、遂に辿り着いた純粋であたたかい彼の心がこの音の一つ一つに散りばめられたような作品だと思います。これを聴くたびに初心に帰らされるような、音と心の繋がりの大切さを感じます。


ECM 1675
Keith Jarrett (Piano)
Recorded 1998, Cavelight Studio
Produced by Keith Jarrett


須田晶子 すだあきこ
ヴォーカル。2003年、洗足学園音楽大学Jazz科Vocalコースに入学し、首席で卒業。2012年、LA Music Academyに奨学生として入学、Sara Gazarek、Tierney Sutton、Anthony Inzalacoの授業やレッスンを受ける。2016年初リーダーアルバム『Flowers On The Hill』をリリース。雑誌ジャズ批評にて2016年オーディオディスクアワードvocal部門で日本人唯一の7位にノミネートされる。現在bf jazz school、尚美ミュージックカレッジJazz & popular musicコースにて講師を勤めながら様々な場所で演奏活動を行なっている。公式ウェブサイト/ライヴ情報

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