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特集『ECM: 私の1枚』

田中 泰『Keith Jarrett / The Köln Concert』
『キース・ジャレット/ケルン・コンサート』

『ザ・ケルン・コンサート』を初めて聴いたときの驚きは、今も鮮明に覚えている。クラシックを中心に音楽を聴いてきた自分にとって、このアルバムの音と演奏は、自分がイメージしていたジャズとも違う、全く別の世界を見せられたような衝撃だった。モノクロを基調としたシンプルなジャケット・デザインも新鮮そのもの。今に至るECMレーベルのクオリティの高さとセンスの良さが、イメージとして頭の中に焼き付けられた瞬間だった。もちろんキース・ジャレット自体も初体験。武道館や厚生年金会館でのコンサートにまで出かけるほどのファンになり、その後ジャズに興味を持つようになったのも、全てこのアルバムがきっかけだった。ECM初体験にしてキース・ジャレット初体験。大学1年生の夏だったように記憶する。


ECM 1064/65

Keith Jarrett (Piano)

1 Köln, January 24, 1975, Part I (Keith Jarrett) 26:02
2 Köln, January 24, 1975, Part II a (Keith Jarrett) 14:54
3 Köln, January 24, 1975, Part II b (Keith Jarrett) 18:13
4 Köln, January 24, 1975, Part II c (Keith Jarrett) 06:59

Recorded January 1975, Opera, Köln
Produced by Manfred Eicher


田中 泰 たなかやすし
音楽ジャーナリスト。1988年「ぴあ」入社以来一貫してクラシックジャンルを担当。2008年「スプートニク」を設立して独立。J-WAVE「モーニングクラシック」ナビゲーター、JAL「機内クラシックチャンネル」構成、「アプリ版ぴあ」クラシック統括&連載エッセイなどを通じ、一般の人々へのクラシック音楽の普及に尽力。一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。

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