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特集『ECM: 私の1枚』

八島敦子『Keith Jarrett / Belonging』
『キース・ジャレット/ビロンギング』

学生時代から憧れつづけてきたECMは、自分にとってはずっと崇高すぎる存在。大好きすぎて、恐れ多すぎて、柱の陰からずっと見つめ続けているような気分だった。大好きな気持ちが募り、東京JAZZのなかでECM Nightのような企画ができないかずっと狙っていたが、なかなか実現に至らず、憧れの存在は遠いままだった。

時は流れ、2022年12月に仕事でオスロに行く機会があり、ECMファンとして憧れのレインボースタジオの前で記念写真でも撮れたら、と思っていた。帰国前日にせっかくオスロに来たのでということで、トーマス・ストローネンとお茶していたら「明日レインボースタジオでレコーディングするから遊びに来たら?」と誘ってもらい、翌日幸運にもレインボースタジオの中のレコーディングを見学させてもらった。

「オスロの市内から川に沿って歩いていったら辿り着くから、簡単な道のりだよ。」というトーマスの指示通り、雪のなかテクテク歩くこと40分。憧れてきたレインボースタジオは、ひっそりと、でも堂々と存在していた。ドキドキしながらドアを開けたら、アットホームなあたたかい雰囲気で、音楽の魔法にかかったような心躍るヴァイヴに溢れていた。たまたまマンフレートの代理で来ていたカーリン・クローグにもお会いすることができた。

オスロの街中の多数のレコードショップ”Big Dipper”にも立ち寄った。音楽ファンで賑わう店内にはECMのレコードが多数並んでいたが、ずっと欲しかった『Belonging』のレコードを迷わず購入した。

ECMは永遠の憧れの存在だが、ノルウェーの旅を通じて少しだけだけど身近にも感じるようになった。ECM Nightの夢をぜひ近い将来、実現させたい!


©Roberto Masotti / Lelli e Masotti Archivio

『Belonging』は1974年の作品。キース・ジャレットがヤン・ガルバレクをはじめとしたヨーロッパのアーティトと組んだヨーロピアン・カルテットの第1作目だ。個人的には1970年代のECMの作品の冒険や勢いが大好きだ。タイムマシンがあったら、1970年代のマンフレットやキース、チック、ヤンたちに会って、その当時、ジャズのレジェンドたちがどんな会話をしてどんな気分で数々の名盤をつくっていったのか、同じ空気を吸ってみたい。


ECM1050

Keith Jarrett (Piano)
Jan Garbarek (Tenor Saxophone, Soprano Saxophone)
Palle Danielsson (Double-Bass)
Jon Christensen (Drums)

Recorded April 1974 at Arne Bendiksen Studio, Oslo


八島敦子 やしまあつこ
音楽プロデューサー。NHKエンタープライズにてジャズ・フェスティバル「東京JAZZ」を立ちあげ、以降15年以上にわたりプロデューサーとして企画立案や出演交渉をおこなった。2000年、エイトアイランズ株式会社を設立。ジャズ、音楽、文化を通じて日本と世界を結ぶことを目指し、コンサートやイベント、コンテンツのプロデュースに挑戦中。
eight-islands.com

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