JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 5,326 回

特集『ECM: 私の1枚』

岡部洋一『Lester Bowie’s Brass Fantasy / Avant Pop 』
『レスター・ボウイ・ブラス・ファンタジー/アヴァン・ポップ』

大変申し訳ないことだが、パーカッション演奏してるからって、ナナ・ヴァスコンセロスのアルバムを挙げる訳では無いのだ。
むしろとってもECMらしくない、レスター・ボウイのブラスバンド。

2曲め、ホイットニー・ヒューストンのあの大ヒット曲。
もう、これは涙無くしては聴けない、トランペットでただメロディを吹いているだけで、こんなに心揺さぶられるんだ、と聴くたびに感動するのだ。
しかも1秒もアドリブソロが無い演奏。
それなのに、痛烈にジャズを感じる。

なんでなんだろう。
不思議なノスタルジーと、仄かなアヴァンギャルドと、豊かなヒューマニティと。

ECMの中では異端かもしれないが、
さすがアイヒャー様である。


ECM 1326

Brass Fantasy
Lester Bowie (Trumpet)
Stanton Davis (Trumpet)
Malachi Thompson (Trumpet)
Rasul Siddik (Trumpet)
Steve Turre (Trombone)
Frank Lacy (Trombone)
Vincent Chancey (French Horn)
Bob Stewart (Tuba)
Phillip Wilson (Drums)

1 The Emperor (Steve Turre) 10:29
2 Saving All My Love For You (Gerald Goffin, Michael Masser) 05:06
3 B Funk (Lester Bowie) 03:48
4 Blueberry Hill (Al Lewis, Larry Stock, Vincent Rose) 05:24
5 Crazy (Willie Nelson) 05:23
6 Macho (Dedicated To Machito) (Steve Turre) 06:16
7 No Shit (Lester Bowie) 05:11
8 Oh, What A Night (Johnny Funches, Marvin Junior) 05:33

Recorded March 1986, Tonstudio Bauer, Ludwigsburg
Engineer: Martin Wieland
Produced by Manfred Eicher


『Peter Erskine Trio / You Never Know』

ECMのアルバムで大好きなもの、たくさんあって、一枚だけ挙げろとゆーのは半ば拷問に近いので、敢えてもう一枚。ピーター・アースキンのジョン・テイラーとパレ・ダニエルセンとのトリオを挙げさせていただく。

どれだけ小さい音で叩いてるか、同じような楽器を演奏してる身だからわかるのだけど、それでこの安定感とグルーヴは凄い。もちろんミスショットなど1音も無い。

さらに、ジョン・テイラーの素晴らしさ。

以前、このアルバムについてピアノの松本圭司くんに尋ねたことがあって、たぶん3人ともピアノ譜を観ながら演奏してるんじゃないか、と言ってたのが印象的だった。
もちろんコードも振ってあるのだろうけど、的確な楽曲理解をしていないとこんな演奏にはならないだろう、って聴くたびに思う。

ラストの曲だけスタンダードだが、キースのスタンダーズとは違った趣の佳演である。


ECM 1497

Peter Erskine (Drums)
Palle Danielsson (Bass)
John Taylor (Piano)

Recorded July 1992, Rainbow Studio, Oslo
Engineer: Jan Erik Kongshaug
Produced by Manfred Eicher


岡部洋一 おかべよういち
パーカッション奏者。都内のブラジルライヴレストランでプロ活動スタートさせつつ、おニャン子クラブやアイドル歌手のバックを多数つとめる。その後はジャズ~ロックの様々なアーティストとも共演。 Baden PowellやDavid Sanbornなど来日大物ミュージシャンとの共演も多い。 また、アバンギャルドな音楽も得意とする。レコーディン グ参加作品は数知れず…。現在は、トランスロックバンド『ROVO』、『ボンデージ・フルーツ』、16人編成ロックバンド『ザ・スリル』、打楽器軍団『Orquesta Nudge Nudge!!』、ヨーロッパツアーでも好評を博した『Orquesta Libre』、などジャンルを超えた様々なユニットで超多忙な日々を送っている。 2021年には、東京パラリンピック閉会式に、 シシドカフカ主宰の打楽器アンサンブル、el tempoのメンバーとして出演。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください