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このディスク2021(国内編)My Pick 2021No. 285

#04 『高木元輝/Love Dance~Live at Galerie de Café 伝 1987/1997』

text by Kenny Inaoka 稲岡邦彌
photo by Toshio Kuwabara 桑原敏郎

Nadja21/King International KKJ9014-18 ¥10,000 (税込)

KKJ9014
CD1 「Love Dance 1」 1987.5.27
1ストーン・ブルース 23.42
2 アリラン〜悲しき願い 12.53
3 Love Dance 1987.5.27 P2M1 10.18
4 小さな花 8.17
5 家路 7.20
6 バラ色の人生(ラ・ヴィ・アン・ローズ)5.38
7 小雨降る径 5.24

高木元輝 (ss, except TR.1&7:ts)

KKJ9015
CD2「Love Dance 2」1987.9.02
1 Love Dance 1987.9.02 P1M1* 30.10
2エピストロフィー 5.42
3 Love Dance 1987.9.02 P2M1* 25.18
4 家路 8.44

高木元輝 (ts:TR.1&2, ss:TR.3&4)

KKJ9016
CD3「Love Dance 3」1989.5.10
1 ストーン・ブルース 19.56
2 Love Dance 1989.5.10 P1M2* 11.49
3 Love Dance 1989.5.10 P1M3* 11.15
4アリラン     15.55
5 Love Dance 1989.5.10 P2M2* 5.25
6 家路 9.36

高木元輝 (ts:TR1,2,&3, ss:TR4,5,&6)

KKJ9017
CD4 「Love Dance 4」1989.9.06
1 Love Dance 1989.9.06 P1M1 44.26
2 Love Dance 1989.9.06 P2M1 14.17

高木元輝 (ts)

KKJ9018
CD5 「Love Dance 5」1997.4.08
1 MC (桑原敏郎) 1.17
2 Goodbye Pork Pie Hat 16.46
3 ストーン・ブルース 7.04
4 Love Dance 1989.4.08 M3. 16.21
5 Love Dance 1989.4.08 M4 8.35
6 不屈の民 5.56

高木元輝 (ts except Tr4:ss)
杉本 拓 (g, Tr4)

Concerts produced by Toshio Kuwabara 桑原敏郎
Recorded & mastered by Tsutomu Suto 須藤 力
A&R: Satoshi Hirano 平野聡
Album produced by Kenny Inaoka & Toshio Kuwabara for Nadja21


70年代以来数十年ぶりに高木元輝に出会った。まさに“好漢”、そのもの。高校野球の強豪Y高(横浜市立商業高校)時代、国籍が原因でテニスの全国大会をあきらめた。あきらめざるを得なかった。姉からもらったクラリネットを取り戻し夢中で吹き出した。サックスは憤懣を吐き出すように激越だった。富樫雅彦に見出され共演の機会を与えられて、開花した。
2002年に急逝した高木の晩年に近い演奏と言っていいだろう。カメラマン桑原敏郎が1987年にギャラリーで仕掛けた5回の定期演奏会。ソロの予定が吉沢元治(b)や小杉武久(vn) をゲストに迎えた回もあった。ファンの渇望でその後も断続的に開かれた。これは、桑原敏郎が手がけた1987年から1999年にかけての高木元輝の定期演奏会の全貌を改めて聴き直すシリーズ。第1回はソロの全貌。ソロは奏者の内面が白日の下に晒(さら)される。晒さざるを得ない。あるいは奏者の生き様。生き様の果て。過酷な人生を濾過した果ての無垢な有り様。あるいは愛する女性(ひと)との至上のひととき。あるいは追憶。Love Dance...。ブックレットに再録されたフォト・ジャーナリスト杉田誠一のインタヴュー (1969年、Jazz誌)と桑原敏郎の時々の写真が、高木の人となりを見事に捉えている。

稲岡邦彌

稲岡邦彌 Kenny Inaoka 兵庫県伊丹市生まれ。1967年早大政経卒。2004年創刊以来Jazz Tokyo編集長。音楽プロデューサーとして「Nadja 21」レーベル主宰。著書に『新版 ECMの真実』(カンパニー社)、編著に『増補改訂版 ECM catalog』(東京キララ社)『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)。2021年度「日本ジャズ音楽協会」会長賞受賞。

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