#04 『高木元輝/Love Dance~Live at Galerie de Café 伝 1987/1997』
text by Kenny Inaoka 稲岡邦彌
photo by Toshio Kuwabara 桑原敏郎
Nadja21/King International KKJ9014-18 ¥10,000 (税込)
KKJ9014
CD1 「Love Dance 1」 1987.5.27
1ストーン・ブルース 23.42
2 アリラン〜悲しき願い 12.53
3 Love Dance 1987.5.27 P2M1 10.18
4 小さな花 8.17
5 家路 7.20
6 バラ色の人生(ラ・ヴィ・アン・ローズ)5.38
7 小雨降る径 5.24
高木元輝 (ss, except TR.1&7:ts)
KKJ9015
CD2「Love Dance 2」1987.9.02
1 Love Dance 1987.9.02 P1M1* 30.10
2エピストロフィー 5.42
3 Love Dance 1987.9.02 P2M1* 25.18
4 家路 8.44
高木元輝 (ts:TR.1&2, ss:TR.3&4)
KKJ9016
CD3「Love Dance 3」1989.5.10
1 ストーン・ブルース 19.56
2 Love Dance 1989.5.10 P1M2* 11.49
3 Love Dance 1989.5.10 P1M3* 11.15
4アリラン 15.55
5 Love Dance 1989.5.10 P2M2* 5.25
6 家路 9.36
高木元輝 (ts:TR1,2,&3, ss:TR4,5,&6)
KKJ9017
CD4 「Love Dance 4」1989.9.06
1 Love Dance 1989.9.06 P1M1 44.26
2 Love Dance 1989.9.06 P2M1 14.17
高木元輝 (ts)
KKJ9018
CD5 「Love Dance 5」1997.4.08
1 MC (桑原敏郎) 1.17
2 Goodbye Pork Pie Hat 16.46
3 ストーン・ブルース 7.04
4 Love Dance 1989.4.08 M3. 16.21
5 Love Dance 1989.4.08 M4 8.35
6 不屈の民 5.56
高木元輝 (ts except Tr4:ss)
杉本 拓 (g, Tr4)
Concerts produced by Toshio Kuwabara 桑原敏郎
Recorded & mastered by Tsutomu Suto 須藤 力
A&R: Satoshi Hirano 平野聡
Album produced by Kenny Inaoka & Toshio Kuwabara for Nadja21
70年代以来数十年ぶりに高木元輝に出会った。まさに“好漢”、そのもの。高校野球の強豪Y高(横浜市立商業高校)時代、国籍が原因でテニスの全国大会をあきらめた。あきらめざるを得なかった。姉からもらったクラリネットを取り戻し夢中で吹き出した。サックスは憤懣を吐き出すように激越だった。富樫雅彦に見出され共演の機会を与えられて、開花した。
2002年に急逝した高木の晩年に近い演奏と言っていいだろう。カメラマン桑原敏郎が1987年にギャラリーで仕掛けた5回の定期演奏会。ソロの予定が吉沢元治(b)や小杉武久(vn) をゲストに迎えた回もあった。ファンの渇望でその後も断続的に開かれた。これは、桑原敏郎が手がけた1987年から1999年にかけての高木元輝の定期演奏会の全貌を改めて聴き直すシリーズ。第1回はソロの全貌。ソロは奏者の内面が白日の下に晒(さら)される。晒さざるを得ない。あるいは奏者の生き様。生き様の果て。過酷な人生を濾過した果ての無垢な有り様。あるいは愛する女性(ひと)との至上のひととき。あるいは追憶。Love Dance...。ブックレットに再録されたフォト・ジャーナリスト杉田誠一のインタヴュー (1969年、Jazz誌)と桑原敏郎の時々の写真が、高木の人となりを見事に捉えている。