#03. Shai Maestro Quartet at Nancy Jazz Pulsations
シャイ・マエストロ・カルテット at ナンシー・ジャズ・パルサシオン

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Text by Hideo Kanno
Photo courtesy of ECM Records

Nancy Jazz Pulsations 2021
Shai Maestro シャイ・マエストロ (piano、イスラエル)
Jorge Roeder ホルヘ・ローダー (bass、ペルー)
Ofri Nehemya オフリ・ネヘミヤ (drums、イスラエル)
Phillip Dizack フィリップ・ディザック (trumpet、アメリカ)
2021年9月20日 フランス・ナンシー L’Est Républicain 本社で収録

GG
Human
A Minor
Neta
The Thief’s Dream
The Queen
Ima
From One Soul to Another
In A Sentimental Mood
Mystery and Illusions

2021年は、COVID-19 2年目を迎えて、欧米のコンサートやライヴが再開する一方。”ライヴ配信”が緊急手段や非日常ではなく”日常”となり、テクノロジー、クオリティ、内容面でも成熟した。ニューヨークのジャズクラブでも閉店中から無観客配信の試みを開始、2021年後半の営業再開後もその活用が模索されている。特にニューヨーク・ヴィレッジ・ヴァンガードからのビル・フリゼール、クリス・ポッターなどの無観客配信は映像クオリティも高く、1935年から続き音楽の歴史を刻んできた”ジャズの世界遺産”とも言える老舗ジャズクラブの存続を願いながら、印象深く観ていた。このように今後は世界中の名ライヴを観る機会が増えていくと思う。リアルライヴを聴くことの大切とバランスを取りながらポジティヴに活かして行きたい。

なお、インターネットをコンサート、ライヴのインターラクティヴな活用に拡げていくという意味では、東京芸術劇場で高速回線が完備した結果、作曲家 藤倉 大プロデュースの「ボンクリ・フェス 2021」では、ロンドンと東京を結んでの演奏を実現していたのも特筆しておきたい。

印象に残ったライヴ配信の名演のうち、公式にライヴ全体が公開されているものの中から、シャイ・マエストロ・カルテットの2021年秋のヨーロッパツアーから選ばせていただいた。2021年9月20日、フランス・ナンシーの新聞社 L’Est Républicain 本社で収録された無観客ライヴから。また、オランダ・ビムハイスでのフル動画も公開されていて、この下に動画を置いたので合わせてご鑑賞いただければ幸いだ。前者が無観客、後者がリアルライヴであるので、その違いを比較するのも興味深い。

イスラエル出身の34歳、現在最も注目されるピアニストのひとりシャイ・マエストロが、ECMで『The Dream Thief』(ECM2616)に次いでECM2作目として『Human』を2021年1月29日にリリース。レギュラートリオに同世代のアメリカ人トランぺッター、フィリップ・ディザックが加わった。2021年秋、このカルテットでツアーを行っている。

シャイはこのカルテットについて次のようにコメントしている。「フィリップのトランペットの演奏は、まるで人間の声が語りかけているように聞こえます。」「まるで車の中で秘密のギアを突然見つけたようなものです。これは全く新しい冒険であり、私は絶対的にこの演奏を愛しています。カルテットになり、誰もがより挑戦的に、より気を配るようになりました。」

『Shai Maestro / Human』(ECM2688)についてはこちら

BIMHUIS TV Presents: SHAI MAESTRO

Shai Maestro “Human” Studio Live

Bill Frisell – We Shall Overcome – Live at the Village Vanguard
Bill Frisell (g), Rudy Royston (ds), Thomas Morgan (b)

「ボンクリ・フェス 2021」 藤倉 大(アーティスティック・ディレクター) コメント

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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