JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 52,076 回

GalleryNo. 227

#37 『Kenny Drew 』Limited Edition

『Kenny Drew』  SteepleChase SCS-1976/77

#124
45rpm STEREO
Promotional Copy – not for sale

Kenny Drew (electric paino)

SIDE A:
Sunset take 3  4:35
Recorded Nov.8, 1973
SIDE B:
Blues for Nils take 2  5:00
Recorded Nov.1, 1973

Produced by Nils Winther

 

デンマークのジャズ・レーベル「スティープルチェイス」のオーナー・プロデューサー、ニルス・ウィンターから1977年暮れに届いたお年玉。1961年に渡欧、1964年にコペンハーゲンに落ち着き、第二の人生を歩み始めたピアニスト、ケニー・ドリューのソロ演奏。ソロといっても趣味の良い演奏でとくにヨーロッパと日本で高い人気を誇ったアコースティック・ピアノではなく、エレクトリック・ピアノの演奏。1973年に録音されたソロ・アルバム『Everything I love』(SCS-1007)に収録の<サンセット>と<ブルース・フォー・ニルス>のオルタネイト・テイクとして録音された。
盤面には「Limited Edition」(限定盤)と表記され、ジャケットには「124」と刻印されている。おそらく、年始用に200枚くらいプレスされたうちの124番目ということだろう。
おかしいのは、封筒の表書き。Tokyo 106と書いた後、JAPANではなく「USA」と書かれている。
ケニー・ドリューは、1928年NYの生まれ、ハード・バッパーとしてチャーリー・パーカーとも共演した実力派だがアメリカでの一般的な人気はそれほどでもなく、ヨーロッパに移住後、とくにコペンハーゲンに腰を落ち着け、クラブ・モンマルトルを中心にベースのニルス・ヘニング・エルステッド・ペデルセンとコンビを組んでから、在米時代を凌ぐ人気を得るようになった。スティープルチェイスに録音が多いが、後年は日本独自の企画に応じ、来日経験も多い。
1993年、コペンハーゲンで死去。(稲岡邦弥)

稲岡邦彌

稲岡邦彌 Kenny Inaoka 兵庫県伊丹市生まれ。1967年早大政経卒。2004年創刊以来Jazz Tokyo編集長。音楽プロデューサーとして「Nadja 21」レーベル主宰。著書に『新版 ECMの真実』(カンパニー社)、編著に『増補改訂版 ECM catalog』(東京キララ社)『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)。2021年度「日本ジャズ音楽協会」会長賞受賞。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください