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InterviewsNo. 304

#266 キカンジュ・バク Kikanju Baku~覆面ドラマーにして音楽テロリスト

Interviewed by 剛田武 Takeshi Goda

Photos provided by Kikanju Baku

ロスコー・ミッチェルやクリス・ピッツィオコスと共演したことでJazzTokyoにも何度か登場したロンドン在住のドラマー、キカンジュ・バクの来日公演が決定した。ロスコー・ミッチェルとの共演アルバムはECMからリリースされているし、イギリス/ヨーロッパの自主レーベルから20作を超えるCD、CD-R、カセットテープ作品を発表しているにもかかわらず、アンチ商業主義・権威主義を貫き、SNSを一切使わないばかりか、人前では覆面で素顔を隠しているため、素性は殆ど世に知られていない謎のミュージシャンである。

筆者は2020年に初めて連絡を取って以来、日英のアンダーグラウンドな音楽・カルチャーの情報交換をするうちに、不思議な縁で彼とリモートでバンド(Machine Gun Explosion Ensemble)を結成することになった。今年4月にキカンジュがプライベートで来日し、スタジオ・セッションを行った。ほんの数時間程度で、コンディションも完全ではなかったが、音源で聴ける、まさに機関銃のようなブラストビートのドラミングは驚異的だった。また、過激な言論から抱いていた強面のイメージとは異なる、人当たりの良さと真面目な性格も印象的だった。

このインタビューは2020年5月と2023年7月にメールで行った質疑応答をまとめたものである。彼の返答は漢字やひらがな、さらに中国語やハングルが混じっているが、自分の考えを正確に伝えようという真摯な気持ちが伝わる。その思想はときに過激に思えたりもするが、彼の確固たる信念に支えられた嘘のない言葉に違いない。音楽同様に、考え方・生き方もエクストリームな「音楽テロリスト」の一端を感じていただければ幸いである。(剛田武)

#1984 『Kikanju Baku and Citizens of Nowhere / ‘No Justice = Justification’ & ‘Revolt Against State Stimulated Stockholm Syndrome’』

#2238 『Roscoe Mitchell & Kikanju Baku / Evolutionary Events』『ロスコー・ミッチェル&キカンジュ・バク / 進化的事象』


Kikanju Baku E-mail Interview 1n May 2020 and Aug. 2023

●音楽的バックグラウンド

剛田武(以下TG):生まれを教えてください。

Kikanju Baku(以下KB):〔なぜか中国語で〕分類分類信息.氏族的秘密.(=その情報は一族の秘密だ)

TG:初めての音楽体験は?

KB:正直なところ、正確には覚えていないけど、音楽は常に僕の周囲にあったし、僕の中にもあったんだ。

TG:子供の頃、どんな音楽が好きでしたか?

KB:手に入るものはなんでも聴いたよ。周りにあるたくさんの音楽、特にアフリカとラテンアメリカ・スタイルの音楽。ZZ Top、Stanley Clark、Al De Miola、Graham Central Station、Tower of Power、それからCameo、Rick James、Michael Henderson、Mary Jane Girlsなどその頃流行の屑ファンク。その後、もっと自分自身の意思で聴いたのは、Ice Cube、Geto Boys、Public Enemy、Lench Mob、Dre Dog, Dayton Family、Poison Clan、Lunizなどのラップ。

TG:いつ、どのようにしてドラムを叩き始めたのですか?

KB:6歳で最初のドラム・キットを手に入れた! でも、どうやらその前からどんな物でもぶっ叩いていたらしいよ。

TG:最初にやったのはASHIAIPというグラインドコアバンドだと思いますが、いつ、どのようにしてバンドを始めたのですか?

KB:ドイツの奥地でMr. MeinhofとMad Ghaziと一緒に結成した。2003年だったかな?最初にアナログ・レコードをリリースしたのがASHIAIP(Ariel Sharons Head In An Industrial Press)だったんだ。でも、その前には「しぬ マザーファッキング うじむし」というバンドで2作リリースしている。他にもグラインドコア、スラッシュ、デスメタル関連のバンドをがいくつか前にやっていたよ。

TG:ジャズや即興音楽に興味を持ったきっかけは?

KB:いつも即興でやっていたんだ…他の何よりも前からね。前衛ジャズは14年ほど前に範囲を広げて発見したんだっけな?… ノイズコアやグラインドコアが商業化して停滞してきた。疲弊したジャンルに不満を持って、新鮮な刺激を求めて他の音楽を探し始めたんだ。 そして(60,70年代の)前衛ジャズに偶然出くわして、追加の外挿法を経験したって訳さ(笑)。

TG:好きなドラマー/ミュージシャンは?

KB:ああ…難しいな…影響と好き嫌い、前と後…でもチェックしてみてくれ…初めに好きになったのは最もキネティックな時代のOGパワー・ドラマー達…Alphonso Mouzon、 Tony Williams、 Billy Cobham、 Narada Michael Walden。そのあとは何といってもBarry Altschulだね。

また、ジャングルやドラム・ファンクにも大きな影響を受けたよ…ドラムンベースはあまりにも単調だったけど、後のブレイクコアやグリッチが大きな励みになった。”(ブレイクビーツなど)機械によるビート”に多大な刺激を受けたよ。マシン・グラインドとサイバー・グラインドは根本的な影響をもたらした。90年代の終わりからミレニウムの幕開けにかけて、非常に小さいながらも劇的なマイクロ・ムーブメントが意義を持った特別な瞬間があったんだ。

90年代初め~中期のメタルに戻ろう。Pete Sandoval(Morbid Angel)、 Paul Bostaph(Slayer)、 Dave Lombardo(Slayer)、Suffocationのメンバー全員(最近の彼らがどの程度のレベルかは分からないが)など。その流れで僕が注目したいドラマーはDim MakのBrandon Thomasだね。彼はテーブルを丸ごと割ってしまったんだ!

奇妙に聴こえるかもしれないが、僕のプレイに一番インスピレーションをくれるのはサックス奏者なんだ。Sam Rivers、Roscoe Mitchell、Dewey Redman、 Marion Brown、 Archie Shepp、 Kenneth Terroade、そしてEddie Harrisのヴィヴィッドで妥協のない演奏は最高だね。
確かにバトゥカーダ(サンバの一種)など、それにもましてアフリカの集団パーカッション、特にFuji & JuJuなども好きだけど、別々の打楽器を持った複数のミュージシャンが集団で同時に演奏していることを、僕は一台のドラム・キットに”変換”して、ソロで演奏しているんだ。

様々なジャンルに亘ってあまりにも多くの素晴らしいミュージシャンがいるのですべてに言及することはできないけど、Chinbat Baasankhuu & Farida Mohammad Ali、Sonia M’Bareck & Aman、Estampie、Al Andaluz Projectをチェックしてほしい。

TG:ブラストビートのドラムスタイルはどうやって身につけたのですか?

KB:自力。独学。内なる衝動。内向的な推進力。
そうはいっても、上にあるようにたくさんの音楽を聴いた。だから、影響と刺激を吸収することができるんだ、”耳”でね。

TG:他のミュージシャンと一緒に演奏するときの姿勢について教えてください。音楽のスタイルによって変わりますか?例えばジャズ、グラインドコア、ジャンクロックとか。

KB:もちろん。スタイル、ジャンル、ムード、人柄、キャラクター、パラメーター、目的、効用、エネルギー、主題、感情、楽器編成、その他相互に関連する変数や状況、即興、作曲、シンコペーション、ボーカルの有無、曖昧さなど。
多くの変化形があり、無限の結末がある。それを自由なキャンバスに描いていく。

●日本カルチャーへの愛

TG:日本文化に興味を持ったのはいつ、どのようにして?

KB:もともと東洋が好きだった。日本………うーん………かなり幼い頃に、セガ、ニンテンドー、「忍 -SHINOBI-」、「悪魔城ドラキュラ」、「スノーブラザーズ」、コナミなどの家庭用ゲーム機で無意識のうちに日本を知った。そして「アキラ」や「バトル・エンジェル(銃夢)」や忍者関連の漫画。幼少期に琉球列島出身の親友の影響で古武道を始めた。忍術にも興味を持ち、その後も友人や恋人のように交流を続けている。

TG:好きな日本の文化、音楽、テレビや映画、ゲームは?

KB:ああ、たくさんあるよ。ダーティペア(オリジナル版)、木城 ゆきとバトルエンジェル/銃夢、池上 遼、三浦 建太郎&ベルセルク、松永 豊和、桂 正和、塩崎 雄二、エンゼルコップ/板野 一郎、奥浩哉&クレイジー、ガンツ、山口 譲司/バース、園田 健、梅津 泰臣&他にもたくさんの漫画からインスピレーションを受けている。あと、絶対に大好きな浮世絵。
大島ゆかり(アクション女優)は最高の一人。今でも恋している。初見良昭(武術家)はとても重要な存在であり、尊敬していた。

山下洋輔トリオは 凄まじい!! 詩人の白石かずこ、最も爆裂していたころの日野元彦、そして寺内タケシ。日本の伝統音楽もたくさん聴いているけど、歌舞伎や能よりも民謡、特に三味線と女の歌手がいいね。

演歌も素晴らしいが、とても古い時代のものしか聴かない。特に好きなのはいしだあゆみ。素晴らしい歌声ともう一人の”好きぴ! ^0^”
神道も魅力的だ。修行するのではなく、風習、神、神楽、民俗学、神話、特に鬼やカラス天狗。浮世絵では特に歌川 國芳が好き。
サムライスピリッツ 1 & 2 forever yo!
他にもたくさんあるよ。

TG:日本のミュージシャンとの交流は?

KB:90年代後半以降、たくさんの日本のガンク、ノイズグラインド、ノイズユニットのプロデュース、リリース、コラボレーションをしている。ひみつキング、Final Exit、OPS-PSF、World、Wage-Slave Exchange、Sewage、Government Alpha、the crazy Kanai brothers、 Sadistic Lingam Cult など。日本のノイズコア、グラインド、ノイズのディストリビューション、トレード、売買をしている(今でも”Gobbledy-Gunk”を通してやっている)。 だから、かなり早い時期から日本との交流は続いているんだ。

●ロスコー・ミッチェル、マイケル・グレゴリー・ジャクソンとのコラボ

TG:ロスコー・ミッチェルとの出会いは?

KB:ミスター・ファントム!彼の秘密の連絡先を見つけたんだ…彼がかつて学長を務めていたミルズ大学のメールアドレスをね。その前に彼のエージェントを通して連絡しようとしたが拒否された。無暗に近づく輩をガードするためだろうね。だから僕は大学のアドレスに直接メールを送り、一か八かエレキベース奏者との30分の即興演奏の音源を添付した。これがすべてを変えたんだ。実力主義社会だよ。

TG:マイケル・グレゴリー・ジャクソンはどうですか?

KB:ロスコーの時と同じように、一緒にセッション/レコーディングしたいという野望を持って、彼に直接連絡したんだ。彼は快く返事をくれて、ニューヨークのVisions Festival 2015でロスコーたちと共演した後に、速攻でロスで会えるように手配した。MGJは前衛ジャズの歴史の中でも最も好きなミュージシャンの一人であり、彼のスタイル、無数のマナーや応用したシナリオ、そして彼自身のキャリアは、率直に言ってユニーク極まりない。エニグマ(謎)だね。偉大なジョー(ジョセフ)・デイリーも参加して、このアルバムの超変態的な性質を拡張してくれた…マジで良い人たちだし、勇気があって勇敢で自由だ。

TG:2022年6月にロンドンでロスコー・ミッチェルと久々に共演しましたね。そのライヴはどのように実現し、どうでしたか?

KB:最高だったよ。ハイクオリティのレコーディングを3回、ライヴ・パフォーマンスを2回したんだ。僕とロスコーのハイパー・キネティック・テラトジェニック・デュオ・レコーディング2作は、『Evolutionary Events』と『Congo River Basin』として、どちらも僕のレーベルEthnicity Against the Errorからカセットテープでリリースされている。3つ目のレコーディングは、ウィグモア・ホールで他の2人のミュージシャンを加えたライヴ演奏で、音響条件も最高で、より通好みのエスノ・アヴァンギャルド・ジャズ。現在ロスコーがリリースへ向けて取り組んでいるんだ。

●世界の欺瞞を弾劾する

TG:twitter、facebook、instagramなどのSNSを使わない理由を教えてくれますか?

KB:いいよ! 僕は一切のSNSを使ったことがない。SNSが個人や芸術上の健全性/独立性に対する多大な脅威/退化であることは明白だ。企業や国家の監視や侵入に晒されるセキュリティ上の意味合いは言うまでもない。それはまた、商業組織による、「生活」と芸術への巨大な権利剥奪であり、収用と侵略であり、一種の実存的で創造的な私有化と強盗でもある。さらに言えば、それらは商業的・企業的なプラットフォームやメディアだから、「人間性」、知的能力、芸術的表現、独立した思考を傷つけ、汚染し、堕落させ、安っぽくする、いわば人生や思考を「商品化」する。確かにいくつかの “短期的な “利点はあるが、大規模なおとり捜査/欺瞞/トリック/搾取なんだ。衰弱 – 不誠実 – 姦通。新種の植民地主義。

また、SNSはほとんどアメリカ製(Amerikkkan)だ。Facebook、Microsoft、Amazon、Bandcamp、Apple、Googleなど…..極度の独占である。それはノーグッド、それは危険で、不健康で、不自然だ。 – そしてもちろん -アメリカ(Amerikkka)は、最低の共通分母、最大の違反者、最も非良心的、最も無責任。危険。占領。奴隷。

僕はテクノロジーをひどく嫌っている。全部ダメという訳ではなく、大きな注意、配慮、倫理観、そして慎重さをもって使用・適用された場合は別だ。 しかし、僕のみるところでは、一般的にテクノロジーの進歩は、人間の衰退、障害、衰退と一致している。僕が好きなのは、芸術、工芸品、スキル、本能-直感-知的-賢明さであり、 テクノロジーではない。そして僕は常に、いつも自然が要素/イデオロギー/影響力の主体となることを好む。ファック・ザ・マシーン!代用ではない。依存はしない。従属はしない。

TG:トランプ氏とアメリカの現状については?

KB:トランプは、すべての-糞尿を-世の中に-垂れ流す-ケツの穴だ。何もかもが、すべてが、ひどい、恐ろしい、言いようのない、忌まわしい、嫌らしい、病的な、非常識な、浅はかな、誤った、犯罪的な、考えられない、ぞっとする。トランプ!おそらく人類史上最悪の男、猥褻、有害、不快、愚鈍、人間以下の堕落、愚劣、糞ったれ、倒錯、冒涜、狂気、非人道性、その絶対的な頂点に達している。U$Aは長い間、最悪の犯罪者だったが、トランプはそれを新たな水準、新たなどん底に拡張した。比較しようもない前代未聞のクソッタレ。アメリカは毒だ…もちろん、そこには多くの偉大で美しい人々や物事があるが、あまりにも多くの腐敗、毒性、愚かさ、排泄物がある。もうたくさんだ。

残念なことに、僕のクリエイティブなプロジェクトや仕事の多くはアメリカにあった。しかし、2017年の秋に、僕はこのクソみたいな国へ旅行することを永久に放棄・拒否しなければならなかった。アメリカの「パフォーマンス」はますます受け入れ難くなってきた。特にロスコーとのライヴとレコーディングのオファーを断らなければならなくなった…僕のキャリアにとっては大きなマイナスだが、もちろん、絶対に必要なことだ。以前も恐ろしく悪かったけど、今は不条理どころではない。Fuck U$A!

TG: 2021年にアメリカの大統領がトランプ氏からジョー・バイデン氏に変わりました。あなたのアメリカに対する態度は変わりましたか?

KB:そんなことはない。トランプは、米国の特許であるもっと深い倒錯と悪性の、グロテスクな膨張と頂点の極みだった。彼はまた、最悪の、そして最も陰湿な内部要素(そして外部)を、大量に、巨大に、可能にし、増幅し、力を与え、一体化させた。

その指数関数的な悪化、一掃された退化、幻想的な破壊は、非常に、非常に、非常に、非常に活発で、深く有害なままである。

トランプ、彼の不快な家族のメンバー、そして彼の政権の最も腐敗した実行者たち―スティーブン・ミラー、スコット・プルイット、スティーブ・バノン、ジャレッド・クシュナー、マイク・ポンペオ、ベッツィ・デボス、ロジャー・ストーン、マイケル・フリン、エリック・プリンス、エイミー・コニー・バレット、ブレット・カバノー―は、すべてまだ逃走中である。

ミクロの標的、捏造されたニュースや報道、大規模な誤報指令、偽情報戦は依然として完全に機能しており、さらに激化・拡大している。
トランプの破滅と腐敗の支援者であり恩人である最悪の国家、サウジアラビア、イスラエル、アラブ首長国連邦、ロシアなどはみな、その犯罪をエスカレートさせ、あるいは強化している。

チャールズ・コーク&コーク・インダストリーズ、ルパート&ラクラン・マードック、ケイトー研究所、ピーター・ティール&パランティア、マリアム・アデルソン、ハドソン研究所、ロバート&レベッカ・マーサーなど、トランプに資金を提供し、促進し、指示し、保護した主要な加害者たちはみな、現在進行中の不安定化活動で潤い、強化され、非常に活発に活動している。

トランプを訴追できないバイデンの失敗、そしてトランプと手下たち、そして国際的な賛同者たちの歴史的抹殺行為と成層圏レベルの犯罪行為に対するバイデンの驚くべき、そして「説明のつかない」臆病さは、トランプの支配と同じくらい悪徳で危険だ。私にとって、バイデンは事実上の共犯者である。この件での彼の不作為は、事実上の共謀と承認であり、世界の安定を損なう筆舌に尽くしがたい重大な職務怠慢だと私は考える。

その一方で、U$Aの核となる醜悪なもの―産業刑務所複合体、企業帝国主義、忌まわしい人種差別主義、殺人的な軍国警察、壮大な社会的不平等と貧困、地球上で最悪の食糧水準、ダークマネーと無制限の選挙献金、宗教的過激主義とキリスト教狂信主義、世界最大の年間軍事費、気候変動否定主義、地球上で2番目に大きな核兵器保有国、極端なえり好み、銃フェティシズム、非人道的で軍国主義的な国境警備、 民間の傭兵事業、先進国の中で最も脆弱な環境保護、民間人への侵入的な監視とデータ保持、ならず者国家とテロリスト政権(イスラエルとサウジアラビア)への資金提供と武装、水圧破砕、ほとんど規制されていない遺伝子実験とバイオエンジニアリング、過剰な石油消費と石油化学製品への依存-そして比類なき腐敗と不正の性癖-が、この国の呼吸ひとつひとつに完全に息づいている。

『ナイトスティック(*1987年の米映画「メタルフォース/蒼き戦士」と思われる)』の登場人物ならこう言うだろう。「ベイビーキラーは健在だ」。

TG:ロンドンの音楽シーンについて教えてください。その中であなたの立ち位置・活動方針は?

KB:ロンドンはひどい街だよ。とんでもなく欺瞞に満ちて、堕落していて、詐欺的な街だ。誠実さがトランプ・タワーの便器と同じくらいしかない糞溜めさ。詐欺、狡猾さ、捏造された評判の街だ。

僕は完全に自己運営で自立している。シーン、業界、組織、公的な企業とは無関係で、すごく恐れられ、禁止され、ブラックリストに掲載され、無法者とされている超最下級民だ。僕のアート/作品は国際的でどこでも機能する。…それは世界の反対側のイグルーの中にいる狂人になるだろう。そして、لرُّبْع ٱلْخَالِي(翻訳不能)で僻地の警官殺しと出会って、僕たち自身のアドレナリンと憤りに突き動かされた強迫観念と衝撃と衝動のままに、成すべきことを成すだろう。 完全な無鉄砲、すべてを超えたアートだ ^0^

そうだ!ロンドンにはものすごくたくさんの歴史/サブカルチャー/活動がある。自律的で、深遠で、異端で、非商業的で、自己決定的で、全人類的で、記念碑的。 しかし、常に最大限の真正性を持ち、妥協せず、統合されない。自己推進、自己統治、自己維持。辺境、自足自給、道なき道、地下。つまり「無法地帯」。

僕はフーリガンたちを動かす扇動者であり指揮官なんだ。公的/主流という認識は必要なく、ただ自分たちのチャンネルを通した、集合体、レコードレーベル、イベント、流通、議決、組合。大切なのは質の良さ、独創性、誠実さ、真正性。
バンド以外でいくつか名前を挙げてみよう(*キカンジュが主宰するレコードレーベル、イベント、芸術グループ、メディアなど):

Tetsubishi Gob-Stopper, Erst-while Antrum, Ethnicity Against the Error, Lo-fi or Die Rex, Jigokuki, Basayev Inductions, Melanin Momentum and the Moral Militia, the Output for Esoteric and Autonomous Art, Menstrum Mangroves, the Enclave for Aberrational Expostulation, Gosh-Glut Godatsu Disruptions, Megrim Mercurial, Blacc-Azz Mzfkrz Unincorporated, Sankofaz, the Clerisy, Bleg.

また、伝説的な中国のマルチ・インストゥルメンタル奏者のRay Manや、中国オペラ、香港の伝統音楽、中国古典音楽アンサンブル/グループ/ミュージシャンともよく仕事をしている。また、英国在住の日本の伝統芸術家、特に日本の伝統舞踊家ともよくコラボする。モンゴル、シルクロード、中央アジアのアーティストともね。

僕はロンドンの秘密で非合法の文化大使なんだ。これまでに多くのことを成し遂げ、今もなお多くのことを行い、保管庫/桶/棺桶/カタコンベから引っ張り出している。まだまだ続けるよ。

●マシンガン・エクスプロージョン・アンサンブル

TG:コロナ禍(2020-2021)をどのように過ごしましたか?特別な活動はありましたか?

KB:僕の活動にはまったく影響はなかったね。僕の生き方はとても型破りなので、ただ自分の仕事、職業、使命の指示を続けただけだよ。商業的なあるいは依存的なアーティストとは違って、実際のところ、パンデミックの間これまで以上に生産的になり、精力的にスタジオでソロ・ワークを制作し、それが国際的なオーヴァーダビング・プロジェクトに繋がった。そのひとつがマシンガン・エクスプロージョン・アンサンブル(MGEE)なんだ。

僕の植林・樹上活動もより活発になったってわけさ。

TG:日本の即興アーティストと共演しようと思った意図は?何か特別なことを期待していましたか?

KB:さっき言ったようにFlensecore、Abnorm、Noise、Gunk、Jazz、Avant-Garde、”Foju 浮遊周波数 “などの分野で、すでに多くの日本人アーティストと共演、演奏、レコーディングをしてきた。
だからMGEEには特別な意図はなく、ただ優秀で積極的なミュージシャンたちと、刺激的で大胆なことを始める機会と熱意があっただけだ。

TG:YouTubeの動画を観て、共演候補の日本人ミュージシャンを見つけたそうですね。良いミュージシャンを選ぶポイントは何ですか?

KB:最初はYouTubeのおすすめ動画で知ったんだ。多くの場合、アップされている短い即興演奏の動画が、芸術的なデモンストレーションの唯一のメディアだった。というのも、彼らは優れたミュージシャンでありながら、分析できるような定期的なリリースがないから。

TG:マシンガン・エクスプロージョン・アンサンブルの録音を初めて聴いたとき、どう感じましたか?

KB:感動したよ。集まったメンバーが優秀なのはわかっていたけど、必ずしもその通りに実行・適応するとは思っていなかった。アプローチと配慮が素晴らしく、鋭い協調性とエネルギーに満ちていた。サプライズ的なノイズとエレクトロニクスが加えられて、実に心地よく斬新だった。

しかし、本当に感動したのは、2回目のレコーディングの『悲歌慷慨』だった。アヴァン・ジャズのネオ・クラシック(新たな古典)と呼ぶにふさわしい、素晴らしい「欺瞞」と「哀歌」の2曲が収録されている。あれは最高だ!

TG:これまでMGEEとしてのコラボレーションは、ほとんどリモートで行われました。バンドとして実際のライヴではどんな演奏を期待しますか?

KB:集結した時のパワーの凄さは間違いない。しかし、僕は常に以前の努力を超えることを目指しているで、どんどん高度をエスカレートしていくだろう。火熱病、無限地獄、大爆発、炉心融解、涅槃・・・今度はどこまで行けるだろう。限界を超えるよ。

TG:これから先、MGEEや他のコラボレーションでどのような野望を抱いていますか?

KB:同じこだわり、同じ情熱。つまり真髄、輝き、誠実さ、独創性、勇気、奔放さ、そして大胆さ・・・・最大限に前進する。

TG:最後に、Kikanju Baku(キカンジュ・バク)というニックネームの由来は?

KB:これは本名だよ! アフリカの名前なんだ。でも日本語訳があるのは知ってるよ―― 〔韓国語で〕기관총!(=機関銃) ダカダカダカ!


 

【お詫びとご案内】
諸事情により9月に予定されていたキカンジュ・バクの来日が中止になりました。
9月14日(木)の高円寺ShowBoat公演は、下記の通り内容を変更して開催いたします。
なお9月16日(土)の大久保ひかりのうま公演は中止とさせていただきます。
何卒宜しくお願い致します。

 

2023年9月14日(木) 高円寺ShowBoat
砲弾爆発合奏団 EXPLOSION GIG

18:30 open / 19:00 start
Ticket: 前売/予約 ¥2,500+1d / 当日 ¥2,800+1d

【出演】
CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE(山澤輝人:ts,fl / 剛田武:vln,fl / ルイス稲毛:b / 南部輝久:ds)
MAGMATRON(中川喜博:g,fl,as / 麻生智之:b,bcl / 大谷昌功:ds,perc,reeds)
GOVERNMENT ALPHA
EXPLOSIVE SESSION(出演メンバー+Special Guests)

 

【Kikanju Baku in Japan 2023:Day1】


2023年9月14日(木) 高円寺ShowBoat
機関銃爆発合奏団 EXPLOSION GIG

18:30 open / 19:00 start
Ticket: 前売/予約 ¥2,500+1d / 当日 ¥2,800+1d
https://www.showboat1993.com/2023-09

【出演】
MACHINE GUN EXPLOSION ENSEMBLE +Special Guests
MAGMATRON
GOVERNMENT ALPHA
FINAL EXIT

 

【Kikanju Baku in Japan 2023:Day2】


9月16日(土) 大久保ひかりのうま
EXPLOSION MEETING

13:00 open / 13:30 start
2500 yen + 1 drink

【出演】
今井和雄 (g)+キカンジュ・バク (ds)
ヒグチケイコ (vo,p)+ルイス稲毛 (b)
MOGRE MOGRU

剛田武

剛田 武 Takeshi Goda 1962年千葉県船橋市生まれ。東京大学文学部卒。サラリーマンの傍ら「地下ブロガー」として活動する。著書『地下音楽への招待』(ロフトブックス)。ブログ「A Challenge To Fate」、DJイベント「盤魔殿」主宰、即興アンビエントユニット「MOGRE MOGRU」&フリージャズバンド「Cannonball Explosion Ensemble」メンバー。

#266 キカンジュ・バク Kikanju Baku~覆面ドラマーにして音楽テロリスト」への1件のフィードバック

  • 9月に予定されていたキカンジュ・バクの来日が諸事情により中止になった。
    よって、9月14日(木)の高円寺ShowBoat公演は、本文の通り内容を変更して開催、9月16日(土)の大久保ひかりのうま公演は中止とのこと。

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