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No. 228R.I.P. ミシャ・メンゲルベルク

ミシャと囲碁

text by Takeshi Shibuya 渋谷毅
*イラストは「日々ネット」より(編集部)

新宿ピットインのライブを終えたミシャと西武新宿駅近くの碁会所に行った。話もできないのによく行ったものだと思うけれど、話などできなくても碁は打てるのだから面白い。

どうしてこんなことになったのかもう忘れてしまったが、豊住芳三郎さんから連絡があったんだと思う。ミシャが碁を打ちたいといってるけど、碁やるんでしょ、みたいな話があってピットインに行った。演奏は忘れた。豊住さんがやっていたんだろうね。

ミシャの腕前は二段くらいだったと思う。こちらは初段くらいだったのでちょうどよかった。やってみたらミシャの方が少し上で、力はあまり感じないけれど、形がよくて品がある。やっているうちにいつの間にかこちらの方が悪くなっている。結局3局やって1勝1敗1引き分け。引き分けは時間がなくなったからで、でもこれは気をつかってくれたんだと思う。それまで明らかにミシャの方がよかったから。

そのまま碁会所を出て別れた。音楽の話はまったくしなかった。まだ紀伊国屋裏にピットインがあった頃の話だ。それからミシャとは会っていない。(ジャズ・ピアニスト/作・編曲家)

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