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このパフォーマンス2018(国内編)No. 249

#06 TAMAZILLE

text & photo by Yumi Mochizuki 望月由美

JAZZ@OWADA  SHIBUYA JAZZ CROSSING 3
TAMAXILLE/本田珠也 類家心平 須川崇志 井上銘

日時 :2018年10月27日(土)
場所:渋谷区文化総合センター大和田伝承ホール(6F)

TAMAXILLE:
本田珠也(ds)類家心平(tp)須川崇志(b)井上銘(g)

シブヤ・ジャズ・クロッシングの3期目、「セッション11」に登場した「TAMAXILLE」。

これまでライヴ・ハウスでの演奏が多かった「TAMAXILLE」のホール・コンサートで持てるエネルギーを100%発揮しこれからのジャズ・シーンをけん引するぞという宣言がホール一面に響き渡った。
定員345名のホールは超満員でメンバー全員が良かった。
メンバーの緊迫したフリーなインタープレイから徐々に一曲目の輪郭が見えてくる、<ステラ・バイ・スターライト>である。
この瞬間、ホールはTAMAXILLEと同化した、心憎い演出である。

2部のラストはピットイン・ライヴにも入っていたユニットの愛奏曲マイルス・デイヴィス(tp)『Jack Johnson』(Columbia 1970)からの<ライト・オフ>。
珠也(ds)、井上(g)、須川(b)のリズムは過激でやけどしそうな位に熱い。

そして、アンコールに<アイ・リメンバー・クリフォード>で火を冷ます。

リーダー本田珠也(ds)がくり出す強力なビートにのってメンバーがのびのびと音を出し合っていてそこから生じる熱気が直に伝わってくる、これこそがコンサートのだいご味である。

昨年(2017年)のピットイン・ライヴ『TAMAXILLE』(ピットインレーベル 2017)発表以来、着実にコンセプトを固めてきたTAMAXILLEがこの10月の下旬、博多から甲府までツアーを行った際の終盤の東京におけるコンサートで、ライヴでの実践の積み重ねでユニットが一つの極みに達しようとする過程がはっきりと示されたコンサートであった。

来年、ライヴ・シーンの地殻変動を起こす起爆剤としての活動を期待して、この「2018年 このコンサート/ライヴ 邦人の部」にTAMAXILLEを選ばせていただいた。(望月由美)

参考:CDレヴュー
https://jazztokyo.org/reviews/cd-dvd-review/post-22004/

望月由美

望月由美 Yumi Mochizuki FM番組の企画・構成・DJと並行し1988年までスイングジャーナル誌、ジャズ・ワールド誌などにレギュラー執筆。 フォトグラファー、音楽プロデューサー。自己のレーベル「Yumi's Alley」主宰。『渋谷 毅/エッセンシャル・エリントン』でSJ誌のジャズ・ディスク大賞<日本ジャズ賞>受賞。

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