#04 『land & quiet』

閲覧回数 1,134 回

land & quiet
伊藤ゴロー Ito Goro (g, programming)
佐藤浩一 Koichi Sato (p)
福盛進也 Shinya Fukumori(ds)

角銅真実 Manami Kakudo (vib, perc, vo)
ロビン・デュプイ Robin Dupuy (cello)

No-Land
Land V
Water Drops
Monochrome
Macroscope

Aguanieve
Forget Me Not
July 7th
At Last I Am Free

ユニバーサル・クラシック&ジャズ UCCJ-2169 (2019年7月24日)

原田知世のプロデュース、Naomi & Goro、トム・ジョビンやジョアン・ジルベルトのトリビュート・コンサート、最近では「すみっコぐらし」の主題歌をはじめとして、作編曲家、プロデューサーとしてジャンルを超えて幅広い活躍をする伊藤ゴローが、叙情的な音楽性が魅力の気鋭のピアニスト佐藤浩一と、ミュンヘン在住のドラマーでECMから『For 2 Akis』(ECM2574)でデビューした福盛進也とともに2018年から活動してきたユニットが「land & quiet」と名付けられ、パーカッション奏者/シンガー・シンガーソングライターの角銅真実と、チェロ奏者、ロビン・デュプイを加えてファーストアルバム『land & quiet』を2019年7月24日にリリースした。

伊藤ゴローは以前から、『Sketch of Land』というライブシリーズを行っていて、テーマ「LAND」は「いろんな土地を巡る旅をしながら音を作ってゆくことを意味」していると言っていた。このコンセプト自体は必ずしも特定のミュージシャンに固定されたものではなかったが、2018年末には、伊藤&佐藤、および、伊藤&佐藤&福盛でのツアーがあった。この他に伊藤&福盛、佐藤&福盛のライブもあった。遡るとこの3人では2018年1月7日、永福町ソノリウムで『LAND – München Hbf.』として、福盛進也トリオ初ライブとそのアルバムリリースに先立ってライブを行っている(Hbf.はHauptbahnhofの略で、ドイツにおける中央駅の意味)。福盛進也は、JAZZ TOKYOのインタビューで「僕は浩一くんを心の底から信頼しており、僕の中では最愛のピアニストです。」と語っており、伊藤ゴローと3人で演奏させてもらったところから始まり、素晴らしいパートナーを見つけた。なお、福盛と佐藤は1月7日に代々木上原ムジカーザでデユオコンサートを行う。

アコースティックに素晴らしい音楽を紡ぎ出すことができる最高のメンバー、そのインタープレイの凄さは言うまでもないが、そこに依存し過ぎるのではなく、確かなサウンドスケッチに従って、プログラミング、エレクトリック・ギターも含めて、透明なのに濃密な音響空間を創る。角銅真実は石若駿との『Songbook』プロジェクトでも美しい音楽を魅せ、メジャーレーベルデビューも間もなくだが、ここでも、角胴のヴォイスとパーカッションが輝きや絶妙な空気感を生み出す。サウンドのトータルクウォリティの高さの中で、美しさと優しさに溢れる音楽に心を動かされる貴重な音楽体験を提供してくれる貴重なアルバムだ。次作やライブにも期待したい。


2019年8月15日(木) 19:00
東京・永福町 sonorium
セットリスト

No-Land
Aguanieve
Water Drops
Glass Hours
Luminessence
Land V
Monochrome

Forget Me Not
November
July 7th

At Last I am Free

,
石若と角胴の名前が出たところで、2019年の注目すべきアルバムとして石若駿の新プロジェクト『Answer to Remember』もあげておきたい。石若はすでに十分過ぎる活躍と素晴らしいアルバムを創ってきたが、今回が本格的なメジャーレーベルデビュー、企業を通じての世界発信となる。世界レベルでの実力を持ちながら敢えての日本拠点で活動する石若が、日本の若い才能たちを巻き込みながら世界に結ぶ動きとして楽しみにしたい。

神野秀雄

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの”共演”を果たしたらしい。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。