Keep Creating!! by pianist 扇谷研人

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Text by Kento Ohgiya 扇谷研人

ジャズピアノ界のレジェンド中のレジェンド、チック・コリアさんが天国へ召されました...。

つい先月まで、ご自宅からの配信など、精力的にされていて元気なお姿を拝見していたので、まさかそんなことが起こるなんて夢にも思っていませんでいた。どうか夢であってほしい...。

僕は、札幌で高校生のときに聴いた『Eye of the Beholder』の<Eternal Child>で完全にチックさんの世界の虜になりました...。当時「キーボードマガジン」にもコピーされた譜面が載っていてコピーしたものです。僕の<追憶>のAメロもなんとなくこの曲から受けた印象から良い影響を受けている気がします。

そのときの高校の同級生に松本圭司君がいて、学生時代には彼から大いに音楽や演奏の良い刺激をもらい、その後、彼は日本を代表するピアニストの一人となりました。一足先に上京した彼から、当時アドリブを勉強中だった僕に、<Spain>を題材にアドリブの可能性について、一見コードトーンではなく聴こえるどんな音もテンションノートとして捉えることができ、インサイドもアウトサイドも等しくアドリブの可能性としてあるのだ。...と丁寧に解説した紙をくれたのは、本当に大きなプレゼントになり、チックさんとともに強く記憶に残る想い出のひとつでした。

学生の時から彼のコンサートにも足を運んで、たまたま幸運にもお近づきになることが出来ました。いつお会いしてもポジティブ以外の言葉が見当たらない方で、永遠の少年のように軽やかで気さくすぎる方でした。そして音楽を通して人を楽しませたり良い気分にさせることをいつも心から思ってらっしゃる方でした。

何度かの出会いの中でも、僕にとっては人生の恩人と言えるほど彼から学ばせていただいたことがたくさんありますが、何度もおっしゃっていたのは、”Keep creating!!” ということでした。常に創造することを続けるんだと。最後までそれを体現された方でした。

チックさんと奥様のゲイル・モランさんは、僕のパートナー花れん(かれん。Vocal、Ukulele、作詞作曲)と一緒に、4人で食事をしたり、たくさんの時間を共に過ごしてくれました。花れんは、「大好きなチックコリアさんへ」にその想い出を綴ったのでよかったらご覧になってください。


一度、チックのソロコンサートで、平原綾香さんとのコラボを繋げる役割が出来たのも幸せな思い出です。あれは奇跡のような瞬間でしたね。奥様のゲイルさんも最後に参加されて、、その時は僕もチックさんと即興連弾させて頂いたのも一生の宝のような出来事でした。二人で演奏しているのに一人で弾いているかのような一体感。チックさんが僕の演奏を少しも聞き漏らさず演奏しているからに他ならないのですが、あのシンクロ感は異次元でした。

平原綾香さんは、追悼メッセージ「チック・コリアさん」にそのときの思い出を記しています。

本当に悲しいです...が、いつも妖精のように素敵な奥様のゲイルさんの悲しみは想像もつかないほどだと思います。

ですが、チックさんがいつも感じさせてくれたのは、常に人生に対するポジティブな姿勢と音楽が持つ力の素晴らしさ。

彼から頂いた宝物のような思い出と言葉を胸に自分も頑張っていきます!

いつかどこかでまたお会いできますように。

※Facebook 2021年2月12日の記事をもとにしています。


扇谷 研人 Kento Ohgiya – Pianist, Keyboardist, Composer & Arrenger
札幌出身。 幅広い音楽性と、感情の機微を細やかに表現するプレイで、宇崎竜童、EXILE TAKAHIRO、大石昌良、大原櫻子、 加山雄三、辛島美登里、花れん、坂本真綾、DREAMS COME TRUE、西野カナ、平原綾香、安野希世乃など、 様々なアーティストのライブやレコーディングに携わる。またミュージカルなど舞台作品の作編曲・音楽監督としても活躍し、大原櫻子主演の「リトル・ヴォイス」、吉川友主演「夜のピクニック」、劇団KAKUTA「ねこはしる」など作品多数。
2003年~2007年、日本を代表するサルサバンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスに在籍、国内外で活躍した。
これまでに2枚の自身のソロアルバムをリリース。様々な音楽性を独自に昇華した世界観と、美しいメロディが高い評価を受ける。また大石昌良、伊藤ハルトシとのカバー曲インストアルバム集”プチカフェシリーズ”もspotifyなど配信サイトで高い人気を得ている。カシオペアのギタリスト野呂一生のユニットISSEI NORO INSPIRITSのメンバーとしても活動中。
花れんとの活動はライブはもとより舞台公演の音楽共同プロデュース、学校公演、人権を扱った文化イベントにまで及ぶ。
公式ウェブサイト kent-colors.com

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