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R.I.P. トリスタン・ホンジンガーNo. 305

追悼 トリスタン・ホンジンガー pianist 原田依幸

text by Yoriyuki Harada 原田依幸
photo by Take Ono 小野健彦

初めてトリスタンの演奏を聞いたのは京都のジャズライブハウス「ザボ」でのことであった。なんだこの”物狂い”は、と思った。
そして私の演奏が終わった後、彼は「You are mad」と言い放った。
すかさず私も「You too」と言った。
それ以来の付き合いである。
その後、トロンボーンのアルベルト・マンゲルスドルフやスティーヴ・レイシーらと私はデュオをする機会を得て演奏したが、その頃の私は彼らのことをあまりに知らなすぎたのでした。
だから平気で出来たのかもしれない。
それから、何年かあとに白州で田中泯に呼ばれてトリスタンと3人で演じたり、時を経てヘンリー・グライムス(b)、トビー・ディリアス(ts)、ルイス・モホロ(ds)、トリスタン(cello) で国内と韓国までのツアー・ライブをやったり、鈴木勲(b)とトリスタンと私の3人で演奏したり、とても楽しい時を共有したと思っている。
トリスタンと最後になってしまった合羽橋のデュオの時には、彼は別の人かと思うほどのプレイをしてみせた。私には衝撃的な演奏でありました。
あとで聞いたら、末期がんだったとのことで、私は亡くなったあとになってから千野秀一氏から聞き伝えられ、かなりのショックを受けました。
彼との最後の言葉は「See you again」でした。


原田依幸 はらだ・よりゆき
1948年7月24日島根県生まれ。ジャズ・ピアニスト。クラリネット奏者。国立音楽大学卒業。大学在学中から梅津和時(as)らと活動を開始。一時渡米し、帰国後「集団疎開」結成。78年「生活向上委員会大管弦楽団」結成。83年解散後は新撰組、絶倫本舗、魚介類等のグループの他、ソロでも活動。近年は自己のグループを中心に活動。

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