追悼 及川公生さん by 塩田哲嗣
text: Norihide Shiota 塩田哲嗣
及川さんの事を知ったのは、2014年にアメリカから帰国し、友人録音エンジニアから『Shiota君、Jazz録音なら及川さん知ってる?』って言われた時。SNSで連絡し、どんな方かとリサーチし始めると、僕のBassの師匠である井野信義さんに習っていた頃に、彼の参加作品として聴いたアルバムの殆どが、及川さんの録音でした。菊地雅章、富樫雅彦、板橋文夫、峰厚介さんなど、師匠の影響で大好きで追っかけていたジャズミュージシャンの作品達。ご縁を感じ、雑誌でのインタビューを通じてお会いし、ミュージシャンとの思い出話を沢山聞かせてくださりました。富樫さんやエルヴィン・ジョーンズ、ECMレコードのマンフレート・アイヒャーとの”駆け引き”の面白さは、録音エンジニアとしてミュージシャンに接する時に、ふと脳内にうかんできます。心よりご冥福をお祈り致します。
塩田哲嗣(Nori Shiota) Bass
2001年より14年間アメリカで活動。”スフォンク”を結成し2005年メジャーデビュー。ジャズシンガー”Bei Xu”をプロデュースし、チャートで1位を獲得。2010年録音とプロデュースを学びにバークリー音楽大学へ入学し、2014年帰国。ベーシスト&プロデューサー&録音エンジニアとして活躍中。音楽レーベルSteelpan Records主催。