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R.I.P. ソニー・ロリンズNo. 338

優しさに溢れた方 小野健彦

その夜、15歳の私は今しがた終わったライブの興奮冷めやらぬまま五反田簡易保険 ホールの楽屋口で氏を待っていた。所謂「出待ち」って奴である。諦めかけたその時、遂に氏が現れた。そのデカさに圧倒されつつも、いの一番に駆け寄り公演パンフと油性ペンを差し出しサインを求めた。氏はすぐさま快くペンを走らせてくれたのだが、なんとそのペン先からインクがまともに出て来ない!あろうことか、ポケットの中で握り続けていたペンの蓋が緊張の余り緩んでしまっていたようでペン先が乾いてしまっていたのだ。これにはお互い顔を見合わせて苦笑い。それでも氏は嫌な顔ひとつ見せずに、力一杯にサインをしたためて下さった。そういう優しさに溢れた方だったのである。遂にこの日が来てしまった。享年95 だったという。今は、最大限の感謝と共に。R.I.P. Mr.S.R.

小野 健彦

小野健彦(Takehiko Ono) 1969年生まれ、出生直後から川崎で育つ。1992年、大阪に本社を置く某電器メーカーに就職。2012年、インドネシア・ジャカルタへ海外赴任1年後に現地にて脳梗塞を発症。後遺症による左半身片麻痺状態ながら勤務の合間にジャズ・ライヴ通いを続ける。。

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