1/22, 23, 2/12 ジョン・ラッセルを追悼する
John Russell (1954-2021) Tribute Concert 2022

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今年(2021年)1月19日に亡くなったイギリスの即興音楽シーンを支えてきたギタリスト、ジョン・ラッセルを追悼する企画が、2022年1月から2月にかけて開催される。

1970年代初頭、10代でロンドンに移住したジョン・ラッセルは、ジョン・スティーブンスのスポンテニアス・ミュージック・アンサンブルの拠点になっていたリトル・シアター・クラブで演奏を始め、デレク・ベイリーに師事する。その後、エヴァン・パーカー、ジョン・エドワーズ、ジョン・ブッチャー、フィル・デュラントを始めとする多くの即興演奏家と活動してきた。日本人ミュージシャンとの共演も多く、それは1970年代終わりに遡る。初めてイギリスを訪れた近藤等則とロジャー・ターナーでツアー、『Artless Sky』(1979年、CAW)を録音、1982年にはデレク・ベイリーのカンパニーに参加した鈴木昭男と交流するなどしてきた。初来日は jazz & NOWの招聘による2001年、シュテファン・コイネとのデュオで、その後豊住芳三郎とのツアーを6回行う。2018年のストーレ・リァヴィーク・ソルベルグ との来日時には、武蔵野美術大学でジョン・スティーブンスが自身の経験からまとめた著書『Search and Reflect』を教材にワークショップも行っている。最後の来日は2019年、武蔵野美術大学の訪問教授としての来日だった。

多彩なミュージシャンと共演してきただけではなく、ジョン・ラッセルは1991年にクリス・バーンとコンサート・シリーズ Mopomosoをスタートさせた。Mopomoso は “MOdern POst MOdern, SO?” の略で、おそらくロンドンで最も長く続いている即興音楽のコンサート・シリーズだろう。Mopomosoに参加した日本のミュージシャンも少なくない。これは現在もMopomosoチームによって継続して続けられている(→リンク)。ラッセルはMopomosoを始める10年前、1981年には参加ミュージシャンが様々な異なった組み合わせで即興演奏を行うプロジェクト Quaqua を始めている。Fete Quaqua はデレク・ベイリーのカンパニー・ウィークのように3日間に亘って行われた。このプロジェクトもMopomosoのプログラムのひとつとして続けられた。ジョン・ラッセルはMopomosoでの自身の役割を「プラットフォームを提供することで即興演奏の発展を促し、そして可能であれば人々に知識と理解を深めるのに役立ててもらう」(The Wire Issue 437 , July 2020)と語っている。彼が世界中の多くのミュージシャンから敬愛されるのはこのような活動を継続させてきたからに違いない。

11月21日にEFG ロンドン・ジャズ・フェスティバルのプログラムとして「Mopomoso〜ジョン・ラッセルへのトリビュート」が行われたが(→リンク)、日本での彼を追悼するコンサート・シリーズでは、ジョン・ラッセルとゆかりのあるミュージシャン/ダンサーによって行われる。1月22日は田中悠美子 、秋山徹次、池田謙、すずえり、石川高、そして武蔵野美術大学にラッセルを招聘したクリストフ・シャルルが出演、Quaqua 的なプログラム構成が期待できそうだ。1月23日はMopomoso(2010年)に招聘され、Fete Quaquaで演奏したサウンド・アーティストとして知られる鈴木昭男のソロ。2月12日はジョン・ラッセルのたっての願いで2018年に共演が実現した田中泯、そして坂田明、ラッセルとの共演作もある池田謙とのコラボレーション。いずれの公演も見逃せない内容となっている。

追記:
1月22日、23日の下北沢アレイホールでは、演奏前にジョン・ラッセルの友人でMopomoso のコアメンバーだった映像作家ヘレン・ペッツが大晦日にラッセルが育ったケントの村とそこにあるお墓を訪れた際に撮影した映像と、彼のソロCD『Hyste(南ケント言葉で、電話・コールの意)』(psi、2009年録音)に収録された音源を使った作品(約15分)を映写。


日時:2022年1月22日(土)開場13:30 開演14:00
場所:下北沢アレイホール(Tel:03-3468-1086当日のみ可)
住所:東京都世田谷区北沢2-24-8アレイビル3階
料金:予約¥3500  当日¥4000
出演:田中悠美子 Yumiko Tanaka(義太夫三味線)秋山徹次 Tetuzi Akiyama(ギター)池田謙 Ken Ikeda(エレクトロニクス)クリストフ・シャルル Christophe Charles(ギター)すずえり suzueri(ピアノ)石川高 Ko Ishikawa(笙)

2022年1月23日(日)開場13:30 開演14:00
場所:下北沢アレイホール
住所:東京都世田谷区北沢2-24-8アレイビル3階(Tel:03-3468-1086当日のみ可)
料金:予約¥3000  当日¥3500
出演者:鈴木昭男  Akio Suzuki(音器)

日時:2022年2月12日(土) 開場14:30 開演15:00
場所:神楽坂セッションハウスB1
住所:東京都新宿区矢来町158(Tel:03-3266-0461)
料金:予約¥4000  当日¥4500
田中泯 Min Tanaka(踊り)
坂田明 Akira Sakata(クラリネット, アルトサックス)
池田謙 Ken Ikeda(エレクトロニクス)

ご予約・お問合せ  ビグトリィ Tel: 03-3419-6261   E-mail bigtory@mba.ocn.ne.jp
企画:Jazz & Now 寺内久、企画・制作:BIGTORY 大木雄高、協力:JazzTokyo,  横井一江


追記:
大阪でも2月5日、ギャラリーノマルで「ジョン・ラッセルさんへ贈るコンサート」が予定されている。出演は豊住芳三郎 (drums) 、庄子勝治 (sax)、sara ( .es / piano )。(→リンク

 

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Reflection of Music Vol. 78 ジョン・ラッセル
https://jazztokyo.org/column/reflection-of-music/post-61946/

追悼 ジョン・ラッセル
https://jazztokyo.org/column/special/post-61594/ 

 

1/22, 23, 2/12 ジョン・ラッセルを追悼する<br>John Russell (1954-2021) Tribute Concert 2022」への1件のフィードバック

  • 2022年1月18日 @ 8:27 AM
    パーマリンク

    1月22日、23日の下北沢アレイホールでは、演奏前にジョン・ラッセルの友人でMopomoso のコアメンバーだった映像作家ヘレン・ペッツが大晦日にジョン・ラッセルが育ったケントの村とそこにあるお墓を訪れた際に撮影した映像と、ジョン・ラッセルのソロCD『Hyste(南ケント言葉で、電話・コールの意)』(psi、2009年録音)に収録された音源を使った作品(約15分)を映写予定。

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