2/13 ECM / ECM New Series からヤコブ・ブロ・トリオを含む新譜2タイトル
デンマークのギタリスト ヤコブ・ブロによるECM5作目になる新作は『Uma El,o』(ECM2702)。ノルウェーのトランペッター アルヴェ・ヘンリクセンとスペインのドラマー ホルヘ・ロッシによる新しいトリオ。本作のハイライトは、オープナーの <Reconstructing a Dream>と、ブロが敬愛するふたりの先達に対するトリビュート曲、トーマス・スタンコ (tp) への <To Stanko>とリー・コニッツへの <Music for Black Pigeons>の2曲。ブロは二人の故人と共演経験がある。ヘンリクセンは自身のアルバム『Cartography』やトリオ・ミディーヴァルやティグラン・ハマシアンとの共演を通じてECMファンにはおなじみだろう。ロッシは、10年以上続いたブラッド・メルドーの最初のトリオのメンバーとして知られる。トリオは本作で初共演で録音はスイス・ルガーノのRadio Swissスタジオ。
フェレンツ・シュネートベルガーとケラー弦楽四重奏団の共演作『Hallgató』(ECM2653NS) は、ブダペストのリスト・アカデミー内グランド・ホールでライヴ収録されたもの。シュネートベルガー、ショスタコーヴィチ、ジョン・ダウランド、サミュエル・バーガーの新旧の楽曲をそれぞれ単独で、またダウランドの<I saw my lady weep>では両者の協演、<Flow my tears>ではシュネートベルガーとチェリストのdデュエットなど編成を変えての演奏。また終曲のシュネートベルガーの<Rhapsody 1>はロマをテーマにした映画用音楽を両者(ケラーにコントラバスが加わった五重奏団)で協演している。生国ハンガリーを共有する両者の深い魂の交流が聴きもの。 シュネートベルガーは、過去ECMに2作、ケラー弦楽四重奏団は6作の実績がある。
キース・ジャレットの既発ソロ・ライヴ2枚組CD『Budapest Concert』(ECM2700) のダブルLPが併せてリリースされた。ミュンヘンでのコンサート『Munich 2016』に続く2016年のヨーロッパ・ツアーからの傑作と称されている。