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3/17 ラルフ・タウナー・ソロ ECMデビュー50周年記念盤など新譜3タイトル
ボボ・ステンソン・トリオ、ラルフ・アレッシ・カルテット

1973年にラルフ・タウナーが初のソロ・アルバム『ダイアリー』(ECM1032)をECMに録音して以来(リリースは1974年)50年になる今年、新作ソロ・アルバム『At First Light』(ECM2758) がリリースされた。名曲<イカルス>が話題になった『ダイアリー』ではクラシックギターの他に12弦ギターやピアノも演奏していたが新作ではクラシックギターに特化、オリジナル曲の他に<ダニーボーイ><メイク・サムワン・ハッピー><リトル・オールド・レディ>などのスタンダード曲も。
スウェーデン出身のピアニスト ボボ・ステンソンのECMデビューは1971年録音のヤン・ガルバレクらとの『SART』(ECM1015)にまで遡る。アンデルス・ヨルミン(b)、ヨン・フェルト(ds)を擁するこのトリオのアルバム『Sphere』(ECM2775) は、2008年の『Cantando』(ECM2023)以来15年ぶりの新作となる。かつて、オーネットの楽曲をアルバム・タイトルに冠した(『War Orphans』戦争孤児たち、というアルバムを発表している)彼ららしく北欧の音楽を素材にオーネットの音楽に倣った自由な行き方を踏襲している。
2019年の前作『Imaginery Friends』(ECM2629) が「自身の最高傑作」とまで激賞された後だけに新作の行方が期待されたラルフ・アレッシー (tp) だが、この『It’s Always Now』(ECM2722)ではまったく新しいメンバーによるカルテットで臨んできた。ピアノのフローリアン・ウェーバーとは彼のECM盤『Lucent Waters』(ECM2593) で共演歴があるが、ベースのベンツ・エスターはスイス・ベルン生まれのベテラン、ドラムスのジェリー・ヘミングウェイも同年輩のベテラン。全曲自作曲(フローリアンとの共作あり)を卓越した技術と音楽性を有する同輩の刺激を受けながら思う存分自分の音楽世界を表現し尽くした前作を超える意欲みなぎる一作。

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