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トミー・リピューマのバラード〜ジャズの粋を極めたプロデューサーの物語 刊行

アメリカでもっとも成功した音楽プロデューサーのひとり、トミー・リピューマ(訳者の吉成伸幸氏によれば、リプーマが正しい発音)が亡くなって4年、彼の音楽人生を語る著作が刊行された。語り手は自身歌手であり執筆家でもあるベン・シドラン。自らのプロデューサーでもあり半世紀にわたって家族のような付き合いがあったリピューマをいちばん良く知る男。シドランは、著書に「バラード」と名付けた理由を「トミーの人生はバラードであり、私が歌うべきバラードだと思ったから」と語っている。

リピューマは過去に多くのアーチストにヒット作をもたらしたが、もっとも新鮮な記憶は歌手のダイアナ・クラールだろう。持ち込まれたデモ・テープには興味を示さず、弾き語りの歌を聴き直してプロデュースを決意したという。ダイアナは5作目のトライでブレイク、ジャズ・アルバムとしては破格の200万枚を超え、グラミーの年間最優秀アルバムにノミネートされた。ダイアナはリピューマの死後3年経ってトリビュート・アルバムを制作、恩に応えた。ダイアナのサクセス・ストーリーは身近な話題だけに興味を呼ぶだろう。
ダイアナに先立つ成功はギタリスト、ジョージ・ベンソンの『ブリージン』。さらに、ナタリー・コール、ポール・マッカートニー、マイルス・デイヴィス...。日本では陽の当たる場面が少ない音楽プロデューサーという職業だが、トミー・リピューマのこの物語は数々の実績を通して音楽プロデューサーの重要な働きを雄弁に物語っている。
作家の村上春樹は推薦文のなかで「ページを繰りながら、頭の中にずっと懐かしいメロディが鳴り響いていたような気がする」と記している。
♪ 詳細は;
https://www.shinko-music.co.jp/item/pid0650182/

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