JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 67,507 回

Local(国内)News

10/04 ~ドキュメンタリー『ビバ ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦』公開

長髪を揺らし情熱的にタクトを振る“音楽の未来を作るロ ックな指揮者” (2012 年 3 月 14 日 ニューズウィーク日本版より) グスターボ・ドゥダメルの ドキュメンタリーが、10月4日を皮切りに角川シネマ有楽町、恵比寿ガーデンシネマ他 全国順次公開される。
ドゥダメルは、1981 年 1 月 26 日ベネズエラに生まれ、10 代の頃から天才指揮者として名だたる巨匠たちの薫陶を受け、2004 年「第 1 回グスタフ・マーラー国際指揮者コンク ール」優勝、2009 年に弱冠 28 歳で名門ロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任。たちまちクラシック界で注目を集めると共に、『TIME』誌が選ぶ「世界で最も影響力のあ る 100 人」にも選出。特に母国の若手音楽家から成るシモン・ボリバル・ユースオーケストラを 率いたレナード・バーンスタイン作「マンボ」のエネルギーに満ちた演奏動画は世界中で拡散さ れ大ブレイク、2016 年にはコールドプレイ、ビヨンセ、ブルーノ・マーズと共にスーパーボウルの ハーフタイム・ショウに出演。本作は、そんなジャンルの枠を超えスターへの階段を駆け上がり続 ける、クラシック界の新ヒーローの物語__では終わらなかった。

2017年、撮影中に予想外の事態が起こる。政治的混迷を極めるベネズエラの反 政府デモに参加した未来ある若き音楽家が殺害された事態を受け、ドゥダメルは現マドゥロ政権への訴えを NY タイムズ紙に展開。大統領府と対立したことで、シモン・ボリバル響とのツア ーが中止に追い込まれ、祖国へ足を踏み入れることすらも禁じられてしまう。さらに、ベネズエラを 代表する音楽教育プログラム「エル・システマ」の責任者の立場からそれまで政治的に沈黙していたドゥダメルは、世論の批判にも同時にさらされることに 。しかし、祖国の若者達と交わした「いつか必ずまた指揮をしに行く」という約束を胸に、ドゥダメルは世界各地でタクトで語り続ける。そのさなか、 2018 年 3 月 24 日に偉大なる恩師、「エル・システマ」創設者マエストロ・ホセ・アントニオ・アブレウが死去。その志を未来へと受け継ぐ使命を果たすべく、ドゥダメルの挑戦は続く。
来たる 2026 年には、ヒスパニック系で初めて、アメリカで最も伝統あるオーケストラ=ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任することが決ま っており、ますます注目の高まるグスターボ・ドゥダメルの栄光と苦悩そして挑戦に密着したドキュメンタリー。さらに音楽ファンにはたまらない、情熱がほとば しる各オーケストラのリハーサル風景やコンサート演奏も多数収録。『DUNE/デューン 砂の惑星』でのアカデミー賞ほか幾多の音響賞の受賞歴を誇るロ ン・バートレットがミキサーを務めるオーケストラ・サウンドも楽しみのひとつといえよう。

【作品概要】
『ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦』 (原題:¡Viva Maestro!)
劇中曲:ベートーベン『交響曲第 5 番』『交響曲第9番』/プロコフィエフ『ロミオとジュリエット』/ドヴォルザーク『新世界』/アルトゥーロ・マルケス『ダン ソン第2番』『ダンソン第9番』/チャイコフスキー『交響曲第4番』 ほか

監督:テッド・ブラウン [2023 年全米脚本家組合賞(WGA)長編ドキュメンタリー部門ノミネート] 字幕:山口三平
2022 年/アメリカ制作/99 分
配給:ディ スクユニオン
●公式ホームページ   https://www.viva-maestro-movie.com/

♪ 本誌関連記事
https://jazztokyo.org/news/post-91600/

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください