『オーネット・コールマン 領土と冒険』(水声社)刊行
ジャズの変革者として知られるサックス奏者/コンポーザー、オーネット・コールマンの画期的な評伝『オーネット・コールマン 領土と冒険』が水声社から刊行された。時まさに、生誕95周年、没後10周年というアニバーサリー・イヤー。今年に入って纐纈之雅代 (as) と大友良英 (g) がそれぞれの最新作でオーネットの代表作<ロンリー・ウーマン>を取り上げたとはいうものの、ジャズ・ジャーナリズムでとくに周年特集などはみられないだけに時宜を得た刊行が喜ばしい。著者のマリア・ゴーリアはノンフィクション・ライターで、一時期オーネットが活動拠点としていた故郷フォートワースの劇場キャラバン・オブ・ドリームで働いていただけに、第3章で当時の知られざる詳細が語られる。当地での活動にはパット・メシーニー(メセニー)も関わっており、のちのオーネットとの共作『SONG X』につながる。マリアは先人の類書の業績を踏まえながら、「同時代の広大な社会・文化的ネットワークを踏破し、膨大な証言の中から新たなオーネット像を描き出」した。日本訳は美術批評家の林道郎、装丁は宗利淳一で、共に賞賛すべき業績を果たした。
詳細は;
http://www.suiseisha.net/blog/?p=20963
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