11/16 ジャズ録音100周年 新刊『100年のジャズを聴く』
老舗音楽系出版社シンコーミュージックエンタテイメント社から「ジャズ録音100周年」に因んだ『100年のジャズを聴く』が刊行された。8月刊行の『裏ブルーノート』、9月の『あなたの聴き方を変えるジャズ史』に続くジャズ関連の書籍立て続けの3冊目の刊行で、厳しい出版不況の中、ジャズファンにとっては朗報だ。
『裏ブルーノート』は語り尽くされた感のある「ブルーノート」レーベルの諸作をDJ世代の論客・若杉実が独自の視点で論評したもの。まな板に載せられたアルバムは39作、まさに快刀乱麻、ミシュランが目を剥く創作料理が次々に運ばれる。ブルーノートを知り尽くしたブルーノート通に突きつけられた挑戦状か?
『あなたの聴き方を変えるジャズ史』は、ジャズ評論家・村井康司の著作で、月刊「ジャズ・ジャパン」の連載「ジャズ史で学ぶ世界の不思議」と「ジャズ・ヴォーカル・コレクション」の連載「ジャズ歌ほぼ100年史」をまとめたもの。関連するレコード/CD(420枚)や書籍のガイド付き。「ジャズは、一体どのようにしてジャズたりえたのか。現代の“新しい耳”を踏まえた、ジャズの新しい通史」を平易な語り口で綴る。
『100年のジャズを聴く』は、30代・柳楽光隆、50代・村井康司、70代・後藤雅洋と異なる世代を代表するジャズ評論家3人が15時間にわたって語り尽くしたジャズの昨日・今日・明日。「いまは、反抗するような熱い音楽より、低い温度感のある音楽が求められている」(柳楽)、「一人のインプロヴァイザーが現れてジャズを変えたり、“真剣勝負”が求められた時代には、もう戻れない」(村井)、「パーカー、マイルス、エヴァンスは素晴らしいが、彼らのジャズはすでに消費され尽くした」(後藤)。
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