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8/30 NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇:挾間美帆、シャイ・マエストロ、原田慶太楼 指揮 東京フィル


Text by Hideo Kanno 神野秀雄
Cover photo by Naomi Kitano 北野直弓 m_unit at Dizzy’s Club, Jazz at Lincoln Center, New York

NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇
2019.8.30(金) 19:00 東京芸術劇場 Tokyo Metropolitan Theater
原田慶太楼 Keitaro Harada:指揮 Conductor
東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmony Orchestra
シャイ・マエストロ Shai Maestro: Piano
挾間 美帆 Miho Hazama: 構成・作編曲 Director, Composer and Arrenger

George Girshwin: Girl Crazy
Claus Ogerman: Symphonic Dances
Vince Mendoza: Impromptu
Leonard Bernstein: On the Town – Three Dances Episode

Shai Maestro / Miho Hazama: The Forgotten Village
Shai Maestro / Miho Hazama: The Stone Skipper
Miho Hazama: Piano Concerto No.1 (World Premier)
(挾間美帆:ピアノ協奏曲第1番 / 委嘱・世界初演)

Encore) Claus Ogerman: Elegia

¥8,000〜¥5,000 高校生以下¥1,000(席数限定)
東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296
前売開始日 2019.4.27(土)

挾間美帆インタビュー (PDF)

ニューヨークを拠点に世界で活躍し、快進撃が止まらない”ジャズ作曲家”挾間美帆が、東京芸術劇場で4年間続いた「N響JAZZ in 芸劇」を継承する形で、新プロジェクト「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇」の構成・作編曲に取り組む。

挾間は自身のm_unit による3作目のアルバム『Dancer in Nowhere』を2018年にリリースし、その恐るべき密度と完成度を魅せたばかり。また、メトロポール・ビッグバンド、デンマーク放送ビッグバンド、ドイツ・WDRビッグバンドなど、数々の世界の名門バンドから招聘を受け、2019年は、ラ・フォル・ジュルネ・ナントへの出演ノースシー・ジャズ・フェスティヴァルでメトロポール・オーケストラとの共演も果たすなど、世界での活動の幅を広げて来た。

今回、挾間は東京芸術劇場の委嘱で「ピアノ協奏曲第1番」を作曲し、シャイ・マエストロが演奏する。イスラエル出身のシャイは、キース・ジャレットに衝撃を受けてジャズに進み、マーク・ジュリアナも参加したアヴィシャイ・コーエン・トリオなどで注目され、2018年には『The Dream Thief』(ECM2616)をリリースしている。

オーケストラは、東京フィルハーモニー管弦楽団に替わり、1985年生まれで、挾間、シャイと同世代の原田慶太楼が指揮する。原田はインターナショナルスクールから、17歳でアメリカの芸術高校へ、アメリカとヨーロッパに学び、ジャズやミュージカルにも造詣が深く、2020年シーズンから、アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽監督&芸術監督に就任を予定している。

「N響JAZZ in 芸劇」では、レナード・バーンスタインとライル・メイズに師事したマエストロ・ジョン・アクセルロッドが指揮し、2015年の大島文子、2016年の山中千尋に続いて、2017年と2018年は塩谷哲との素晴らしいコラボレーションを魅せた。その魅力を極めただけに、シンフォニック・ジャズの限界はもはや優れた新作の登場でしか超えられないように見えた。「ラプソディ・イン・ブルー」からもう百年、バーンスタインの諸作品からも70年近く経過し、武満 徹はデューク・エリントンにはなれないことを悟り、その後のジャズ・ラージアンサンブル、ビッグバンドの素晴らしいサウンドがクラシックオーケストラのフォーマットに定着する機会はあまりなく21世紀に至る。

そのシンフォニック・ジャズの閉塞感から新しい扉を開きそれを成し遂げるひとりが挾間美帆だと確信していた。最近の挾間の活躍の中でもビッグバンドフォーマットのことは多く、弦楽器を活かす機会は限られており、他方、自身のm_unitにはストリングスカルテットが内包され、挾間の音には常に弦が鳴っている。またNHK交響楽団などへの編曲も提供して来た。今回、フルオーケストラを存分に構成し、作編曲する中での活躍が楽しみだ。新しいシンフォニックジャズの夢の扉が開く瞬間に立ち会いたい。

【追記】
「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇」コンサートレポート by 悠 雅彦


L & Title Photo: m_unit © Naomi Kitano R: DR Big Band with Mariryn Mazur © Hideo Kanno


L: Winter Jazz Fest – ECM Stage © Hideo Kanno R: ECM Records

【JAZZ TOKYO 関連リンク】
Shai Maestro / The Dream Thief (ECM2616)

La Folle Journee 2018 〜シェナ・ウインド・オーケストラ&挾間美帆 at 東京芸術劇場

North Sea Jazz Festival 2019 ライブレポート
Metropole Orkest with Lizz Wright, Becca Stevens & Camila Meza. Conducted by Miho Hazama

N響JAZZ in 芸劇〜ジョン・アクセルロッド&塩谷哲
2017年: ラ・フィエスタ
2018年: ラプソディ・イン・ブルー&スパニッシュ・ダンス

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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