6/24-7/1 ベニー・ゴルソン来日〜「A Great Day in Harlem 1958」

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L: Jazz Showcase,Chicago (2018) R: Chasing Trane プレミア上映でJohn Scheinfeld監督と(2017) (c) Naomi Kitano

Text & photo by Hideo Kanno 神野秀雄

BENNY GOLSON QUARTET ベニー・ゴルソン・カルテット
Benny Golson (tenor sax) ベニー・ゴルソン(サックス)
Mike LeDonne (piano) マイク・ルドーン(ピアノ)
Buster Williams (bass) バスター・ウィリアムス(ベース)
Carl Allen (drums) カール・アレン(ドラムス)

2019年6月24日(月)18:30 三島市民文化会館 (静岡) Mishima Shimin Bunka Kaikan

2019年6月26日(水)〜28日(金) 18:30 21:00 ブルーノート東京 Blue Note Tokyo
2019年6月29日(土) 17:00 20:00 ブルーノート東京 Blue Note Tokyo

2019年7月1日(月)19:00 道新ホール(札幌市) Doshin Hall

90歳を迎えたサックスプレイヤーで、数々の名曲を生んだ作編曲家でもあるベニー・ゴルソンが来日し、2016年の最新作『Horizon Ahead』の録音メンバーで、札幌、ブルーノート東京、三島で公演を行う。

「A Great Day in Harlem」という写真をご存知だろうか? 1958年8月12日に、17 East 126th St., New York (Between Fifth and Madison Avenue)で撮影され、57人のジャズミュージシャンが収まった奇跡の1枚だ。撮影したのは、雑誌「Esquire」に雇われたフリーランスの写真家アート・ケーン。「Esquire」1959年1月号に掲載された。57人のリストを文末に掲載したが、その顔ぶれの豪華さと世代と幅の広さにため息が出るばかりだ。もしもこの場に居合わせたら、ただ呆然としてしまうに違いない。ドキュメンタリー映画「A Great Day in Harlem」も制作され、このホームページでは、ミュージシャン名がタグ付けのようにカーソルを当てると表示されるのでわかりやすい。ベニー・ゴルソンは中央の階段、最上部にアート・ファーマーと並んで立っている。控えめでありながら全体を俯瞰するようでもある立ち位置だ。

2010年にハンク・ジョーンズ、2013年にマリアン・マクパートランド、2014年にホレス・シルヴァーが亡くなり、ここに写っているミュージシャンで存命なのは、ソニー・ロリンズ(1930年9月7日〜)とベニー・ゴルソン(1929年1月25日〜)の二人になってしまった。ソニー・ロリンズは演奏活動を終了。当たり前のように元気に来日し世界で活躍を続けるベニー・ゴルソンも90歳。ベニー・ゴルソンは、もはや私たちが会える最後の「生きる伝説」。プレイヤーとしてももちろん、数々の名曲を生み出した作曲家に会えるのは素晴らしいことだ。90歳の長寿をお祝いしながら、会って演奏を聴いて欲しいし、ジャズが好きな子供たちや学生にぜひ聴いて欲しい、連れて行ってあげて欲しい。

この時期、ディジー・ガレスピー、ライオネル・ハンプトンなどのバンドでの編曲者も経ながら、<Whisper Not>を1956年に、<I Remeber Clifford>を1957年に作曲している。ジャズミュージシャンの筆でインストルメンタルとして生まれスタンダードとなった中では、演奏機会が非常に多い2曲で、ジャズミュージシャンなら演奏したことがない人はまずいないだろう。その後、歌詞が付けられ”歌”としても育って行く。

写真が撮影された1958年の10月には、ベニー・ゴルソンが音楽監督となって、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズが、ブルーノートレコードでの最初のアルバムとなる『モーニン』(BST 84003)を録音する。ボビー・ティモンズによる表題曲の他に、<Blues March>、<Along Came Betty>などベニー作の4曲を収録し、大ヒットとなった。本作が革新的であり、後のジャズ界に大きな影響を与えたかは、2019年9月6日公開予定の映画『ブルーノート・レコード:ジャズを超えて』からも感じることができる。ホレス・シルヴァー脱退後、低迷していたアートの人気をベニーが『モーニン』で立て直し不動のものにしたという意味では、キース・ジャレットが『Buttercorn Lady』(1966)でレコードデビューするところまでも運命の連鎖として繋がる、、、とECM的にこじつけてみる。いや、ジャズ・メッセンジャーズから巣立ったスーパー過ぎるジャズミュージシャンのリストを考えれば鳥肌が立つ「運命の分岐点」が1958年だろう。

スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の映画『ターミナル』(2004)に、本人「ベニー・ゴルソン」として出演している。すでに観られた方、もはやネタバレを恐れない方は、この記事の末尾に関連動画を置いたのでご参照いただきたい。まだ観られていない方には、この動画を観ないで(ネタバレなしの通常予告編もこのすぐ下に)、映画を頭からじっくり観られることをぜひお勧めしたい。

Horizon Ahead (2016)

映画「ターミナル」予告編 (2004)〜ネタバレなし〜
スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演映画。

映画『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』 予告編 2019年9月6日公開

「A Great Day in Harlem」に映っている57人のミュージシャン
Red Allen
Buster Bailey
Count Basie
Emmett Berry
Art Blakey
Lawrence Brown
Scoville Browne
Buck Clayton
Bill Crump
Vic Dickenson
Roy Eldridge
Art Farmer
Bud Freeman
Dizzy Gillespie
Tyree Glenn
Benny Golson
Sonny Greer
Johnny Griffin
Gigi Gryce
Coleman Hawkins
J.C. Heard
Jay C. Higginbotham
Milt Hinton
Chubby Jackson
Hilton Jefferson
Osie Johnson
Hank Jones
Jo Jones
Jimmy Jones
Taft Jordan
Max Kaminsky
Gene Krupa
Eddie Locke
Marian McPartland
Charles Mingus
Miff Mole
Thelonious Monk
Gerry Mulligan
Oscar Pettiford
Rudy Powell
Luckey Roberts
Sonny Rollins
Jimmy Rushing
Pee Wee Russell
Sahib Shihab
Horace Silver
Zutty Singleton
Stuff Smith
Rex Stewart
Maxine Sullivan
Joe Thomas
Wilbur Ware
Dickie Wells
George Wettling
Ernie Wilkins
Mary Lou Williams
Lester Young

映画「ターミナル」 (2004)〜ネタバレあり動画〜
この動画は完全にネタバレとなるので、まだ観ていない方は、こちらを見ないで、映画を冒頭から見ていただきたい。

神野秀雄

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの”共演”を果たしたらしい。

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